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2018年05月20日 イイね!

佐山芳恵再び、‥(^。^)y-.。o○(46)




「さっきから私の後をつけてきて監視でもしているの。私も生身の人間だから疲れることもあるわ」


ここに来て初めて感情をあらわにした』知的美人を見たのはやや新鮮な驚きだった。


「あなたもお疲れのことがあるのね、安心したわ。何時もは機械のように仕事をしているので、・・・。別にあなたのことを監視しているわけではないの。今日はちょっと何時もとは違うあなたを見たのでどうしたのかなと思って。悪く取らないでね。他意はないの。」


知的美人は何も答えずにタバコを消すとコーヒーを飲み干した。


「さあ、仕事に戻るわ。変に勘ぐられると嫌だから。あまり私のことを干渉しないで。給料分の仕事くらいはきちんとやるから。」


知的美人は僕に付け回されたことをかなり不快に思っているようだった。


「そんなに怒らないで。ちょっとあなたに興味を持っただけだから。ほかに他意はないの。仕事なんかいいのよ、私の会社じゃないし、そんなに働かなくても。ほどほどで。でもね、もう少し職場の人と交流しても良いんじゃないかと思っただけよ。」



「私は面倒なの、そういうお付き合いが。一人がいいのよ、だから放っておいて。」


「そう、分かったわ。それはそれでいいと思う。でもたまには話でもしようよ。あなたにしてみればお節介かもしれないけど話したら面白そうに思うの、あなたと。」


僕がそう言うと知的美人は僕の正面に立ってきりっとした目で僕を見つめた。その時僕は何時か女土方に更衣室で唇を奪われた時のことを思い出してちょっと身構えた。


「どうしたの、取って食おうなんて思っていないわ。でもあなたって女を感じさせない人ね、何だかかすかに男の匂いがするわ、あなたを見ていると。不思議な人ね。」



知的美人はそう言い残すと僕の脇をすり抜けるようにして外に出て行った。僕が部屋に戻ると知的美人はもう自分の席に着いて何時もと変わらずに仕事をしていた。そしてそれは終業まで変わることなく続いた。終業時間になると知的美人は何時ものようにさっさと仕事を片づけて帰り支度を始めた。そしてさっさと帰るかと思ったら僕の方に歩いて来て、「ちょっと話があるの」と部屋の外を示した。



「別に良いけどどんなことなの」


僕がそう聞くと知的美人はちょっとゆがんだ笑顔を見せた。


「話したら面白いかもと言ったのはあなたでしょう」


確かに僕はさっきそう言った。


「分かったわ、どうすればいい」


「ここを出ましょう。外で待っているわ。」


知的美人はそう言うと一人で部屋から出て行った。


「どうもお待たせ」


僕は知的美人に声をかけた。知的美人は何も言わずに会社の外に出た。どこに行くんだ、この女は。僕は心の中ではそう思いながら何も言わずに後を追った。知的美人はしばらくは何も言わずに歩き続けたが、突然僕の方を振り返ると、「どこに行っても同じだけどうちに来る。自宅の方が落ち着くから」と言った。


僕はこの女の自宅がどんな所なのか見て見るのも面白いと思い黙って後に続いた。しばらく歩いて知的美人は地下鉄の駅へと降りて行った。そこから地下鉄に乗っていくつか行ったところで知的美人は地下鉄を降りた。ちょっとばかり都心を外れたと言ってもそこは東京23区内だった。駅を出て十分ばかり歩いたところにあるマンションの一室が知的美人の住まいだった。そこは1LDKの間取りで部屋の中は必要最小限の家具しか置かれていないあっけらかんとした部屋だった。



「何もないでしょう。でもごてごてした部屋は嫌いなの」



知的美人は着替えをしながらそんなことを言った。確かに何もないがらんとした部屋だったが、それでも必要なものは揃っていたし、家具類はシンプルだが、なかなか趣味のいい高価そうなものだった。



「何か飲む。ビールとかワインとか」



知的美人は僕を振り向いた。



「お酒は好きじゃないから遠慮しておくわ。」



「ああ、あなたはアイスコーヒーが好きだったわね。ちょっと待ってね」



知的美人は冷蔵庫を開けるとアイスコーヒーをグラスに注いで持ってきた。



「さあ、どうぞ。私はビールをいただくわ。」



知的美人は僕の前にアイスコーヒーのグラスを差し出すと自分は缶ビールのプルトップを切ってうまそうに飲み始めた。



「ビールってグラスに注いで琥珀色の液体と白い泡のコントラストを愛でながら味わうっていうけど私は缶のまま飲むのが好きなの。ちょっと行儀悪いけどね。好きなように飲むのが一番でしょう。」



「私に用事って何なの。」



僕はアイスコーヒーの入ったグラスを手に知的美人に聞いてみた。



「そんなに慌てなくても良いでしょう。ゆっくりしようよ。でもあなたはそうも行かないか。いやね、あなたのことを見ていると全く女の匂いがしなくて、・・。そのことにちょっと興味があってね。どうしてこの女って女の匂いがしないのかなってさ。ねえ、どうしてなの。」



『そりゃあ、お前、僕は男だからな。女の匂いなんてするはずもないだろう』



そんなことは言えないので、「さあねえ、色気がないんでしょう。よくそう言われるわ。」と適当にごまかそうと思った。



「色気とかそう言うのじゃないのよ。色気だったらあなたは十分だと思うわ。きれいな人よ。あなたと仲良しの伊東さんもきれいだけどあなたもきれい。そうじゃなくてね、私、あなたが女じゃないんじゃないかって思うの。そう言うオーラを出しているのよ。全身から、・・・。」



Posted at 2018/05/20 00:51:01 | コメント(0) | トラックバック(0) | 小説3 | 日記

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