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OX3832のブログ一覧

2023年07月28日 イイね!

トルクレンチ探し

トルクレンチ探し5月のTC1000の走行会で,走行直前にハブボルトを折ってしまい,0周リタイヤに終わったのですが,その際,ショップの店長に「トルクレンチの校正やってる?」と言われました.

確かその前にハブボルトにダメージを負った際に,ショップのトルクレンチと比較して,大きな差がない事を確認した記憶があるのですが,購入してからかなりの年数が経っているはずなので,そろそろ狂っていたもおかしくないよなぁ~と思い,「買ったのいつだっけ?」と確認してみたら・・・,

「2013年4月」 (ノo`)アチャー

そうか.確かサーキット走行にも慣れてきた頃合いに「そろそろ道具を揃えるかぁ~」とトルクレンチを購入した記憶があるのですが,あれからもう10年が経っていたのですね・・・.最近,先端のラチェット機構にガタがあるのか,トルクを掛けようとすると「ガキン!」と金属音が出る時があり,「えっ!? 壊れた??」とびっくりして,そろそろ寿命かなぁ~?なんて思っていたのですが,とっくに寿命でしたね・・・.

という事で,新しいトルクレンチを探そうと思うのですが,「取り敢えずあればいい」だった前回から,今回は「もう少しちゃんとしたヤツ」を買おうと思い,真面目に調べてみる事にしました.


まず,トルクレンチってどんな種類があるの?と調べてみると,「直読式」と「シグナル式」があるそうです.

「直読式」は読んで字の如く,現在のトルク値を直接読み取って使用するタイプのものだそうです.「ダイヤル式」「プレート式」「デジタル式」と表示形態は様々ですが,最近はスマホと連携するタイプまであるそうですね(↓).


(KTC:TORQULEより)

これならオーバートルクも防げそうですし,中には作業履歴を残すタイプもあるそうで,後片付けが終わった後に「アレ? ちゃんとトルク掛けたっけ??」と不安になった時に確認出来て良さそうですね.
(歳をとったせいか,流れ作業でやっちゃうと,やったかどうかちゃんと覚えていない・・・汗)


もう1つの「シグナル式」は,予め設定されたトルクに達した時に振動もしくは音で知らせるタイプのものだそうです.
ホイールナット締め付け用としてはコチラの方が一般的ですかね.

更に「シグナル式」には,使用する前にトルク値を設定する「プリセット式」と予め決められたトルクしか掛けられない「固定式」があるそうです.私が今まで使っていたのは「プリセット式」なのですが(↓),



「プリセット式」はトルクレンチ内のコイルスプリングでトルクを設定しているため,トルクを設定したまま放置しておくと,内部のスプリングが圧縮されたままとなり,癖がついて値がズレる事があります.このため,使用後は毎回一番低いトルク値のところに戻して保管するのですが,コレが割と面倒なんですよね・・・.まぁ,大した作業ではないのですが,ホイールナットの締付けにしか使わないのに,毎回目盛りを読んで値を合わせ,使用後もグルグル回してトルクを抜くのもアレなので,今回は時短も兼ねて「固定式」で探してみる事にしました.


「固定式」は買った後に変更出来ないので,念のため,ホンダ車の締付けトルクを確認してみると4種類ありました(↓).







「127Nm」「170Nm」は重量級のクルマなので除外するとして,「108Nm」1点固定のパターンと,「98~118Nm」の幅をもたせたパターンの2つがあるようです.1点固定の方は分かるとして,幅をもたせた方は何なんだ?と思いましたが,敢えて厳密に精度指定をしないという事なんでしょうか? まぁ,幅をもたせた方も中間値の「108Nm」にしておけば無難なので,「108Nm」の固定式で探してみます.


「固定式」であれば種類もそんなにないかなぁ~?と思ったのですが,予想に反して色んなメーカーから出てました.

【KTC】


【STRAIGHT】


【SunCardo】


【MATATAKITOYO】


値段もピンキリで,10Nmの誤差が許容されるなら精度も重要ではないですし,どうしたもんかなぁ~?と決め手に欠いていたところ,ケースの画像を見て(↓),



「ああ,そうか.固定式はソケットの収納スペースがないのか・・・」

と気づきました.今までのヤツはトルクレンチの収納ケースの中に,ソケットの格納スペースがあったんですよね(↓).



別にソケットを保管しないといけないなら,なるべく本体のサイズは小さい方が良いなぁ~と思い,全長が一番短いヤツ!という事で,KTCの「12.7sq.ホイールナット専用トルクレンチ」となりました(↓).





全長は「423mm」で従来よりも27mm短縮され,重量も1.23kg→1.1kgと「220g」軽くなりました(笑).


実際に使ってみた印象としては,全長が短くなるとテコの原理(↓)で,力加減が微妙にコントロールしづらくなるかなぁ~?と思ったのですが,


(KTC:トルクレンチとは?より)

特にそんな事もなく従来と同じような感触でした.逆に長さが短くなった事で取り回しが楽になり,作業性が良くなった印象がありました.一方で気になる点としては,シグナルの音がかなり大きくなった事でしょうか.車庫で作業した時にコキン!と鳴る音が結構響く感じで「音,大きいなぁ~」と思いました.


以上,10年振りのトルクレンチ探しでした.
2022年11月07日 イイね!

TPMSのテスト結果

TPMSのテスト結果それでは,続きです.

タイヤの温度計測用ツールとして「TPMS(Tire Pressure Monitoring System)」を導入する事を決断し,FOBOの「TIRE 2」を手配,ファミ走前日に何とか届いた,というのが前回までのお話でした.

この製品は「スマホと連携して計測データを残せる」という特長があるので,これを使って「TPMS」の計測結果を分析してみます.

分析に使うのは午後のP4枠(14:00~)の走行データ(タイヤはA052).残念ながらこの日の筑波は気温・気圧ボードが撮影出来ない日だったので,正確な路面温度は分かりませんが,恐らく30℃前後くらいだと思います.気温自体は17℃くらいでしたが,やや日射しが強く,そのせいで若干高くなっていたかと思います.

計測したデータはスマホ上でも見れるのですが,あまり見やすいグラフではなかったので,今回はデータをcsv形式で吐き出させて,表計算ソフトで処理し,1周毎の変化推移に直して分析してみる事にします.


まず,この「TIRE 2」のサンプリング周期ですが,10~30秒間とマチマチでした.センサー側は1回計測したデータを1秒間隔で2回連続で送信し,それを8~10秒間隔で行っているようなのですが,レシーバー側が時々データを取り損ねるらしく,最長30秒間くらい更新されない場合もありました.ただ,30秒以上の取り損ねはなく,TC1000であればラップタイムは最速でも41秒くらいなので1周のうちに最低1回は必ずデータが更新される計算になりそうです.

では,最初に「内圧」の分析結果です(右:青 左:赤).

【フロントタイヤの内圧】


【リアタイヤの内圧】


この時は温間でフロント:230kPa,リア:235kPaがターゲットだったのですが,フロントがそれに到達するのは17周目,リアは12周目と結構遅い事が分かります.スタート時点(冷間)の内圧は前後・左右でほぼ想定通りの値なので,意外と内圧の上昇って遅いんだなぁ~と思いました.このデータを見る前までは,アタックを1~2回すれば一気に内圧がターゲット値まで上がって,その後は平衡状態になる(サチる)と思っていたのですが,全然違いますね(汗).

TC1000は右回りのコースなので,右側(赤)がIN側になるのでタイヤの負荷が低く,内圧が上がりにくい特性となるのですが,私はこれを補うためにスタート時の内圧を右側だけ5~10kPa上げた状態にセットしています.この左右のズレもアタックを1~2回もすれば揃うんだろうなぁ~と思っていたのですが,今回計測したデータを見ると,左右が揃うのは9周目辺りで,こちらもかなり遅いようです.「これじゃあ,ブレーキロックもするよなぁ~」と思いつつ,タイヤのウォームアップのさせ方は改善しないとダメですね・・・.

ちなみに,手持ちのエアゲージとの誤差も確認してみましたが,5kPa未満とほとんど差がなく,計測精度としては十分だと思いました.


続けて,今度は「温度」のデータです(右:青 左:赤).

【フロントタイヤの内温】


【リアタイヤの内温】


間接式のTPMSはバルブの上端にセンサーを取り付ける形となるので(↓),



センサー本体が走行風で冷やされたり,逆にブレーキの輻射熱にさらされて熱くなったりと,正しい温度計測は出来ないだろうと思っています.例えば,上記の計測結果でもスタート時の計測結果が,左側(赤)に比べて右側(青)が3℃くらい高い値を示しているのですが,これは車体の右側が太陽の日射しに照らされてセンサー本体が温められてしまったためではないかな?と思いました.

なので,「内圧」の計測結果と比較して,相関性が見れればラッキー~♪くらいのつもりでいたのですが,左側(赤)はともかく,右側(青)はほとんど変化していないので,やっぱり使えなそうですね・・・.タイヤのウォームアップを見るという意味では「内圧」よりも「温度」を指標とした方が正しいと思うのですが,これだけ感度がないとタイヤのグリップを推し量るのには使えなそうです.



もっとも,この「TIRE 2」の画面表示は,「内圧」に比べて「温度」の文字が極端に小さく,走行中に画面をチラ見するくらいでは,ほとんど見えませんでした(1秒以上凝視してようやく読み取れる感じ),そういう意味でも「使えないなぁ~」と思いましたので,ま,参考程度の扱いですね.


なお,今回はただ漫然と計測しても感度が分からないので,走らせ方を色々変えてテストしてみました.
ラップタイムの推移で示すと以下(↓)のような感じなのです.



 ① ・・・ 1アタック&1クールの繰返し
 ② ・・・ ピットイン&2分停車
 ③ ・・・ 再度1アタック&1クール
 ④ ・・・ クーリングせず,耐久ペースで連続周回


これと前述のデータを比較して見てみると,以下の事が分かります.

 ・ファーストアタック(計測1)では,フロント/リア共に冷間時の内圧のまま
 ・アタックを2回終了した時点で,フロントは15kPa内圧が上昇(リアはその半分:7kPa)
 ・フロント/リア共に,左に比べて右は内圧の上昇が遅い(約1周分)
 ・アタック3回までは,ほぼ内圧は変わらない
 ・走行中は風で冷えるのか? 停車している方が内圧の上昇は速い
 ・アタックラップの4秒落ちペースであれば,連続周回してもほとんど内圧は変わらない
 ・負荷の大きい左側(青)の方が内圧の上昇度合は大きいが,上がるタイミングは左右で大きく違わない
 ・内圧⇔温度の相関はなさそう
 ・気温20℃未満の環境下で最高温度は40℃.これなら夏場でもセンサーの使用限界(85℃)には到達しない??


以上,TPMSのテスト結果でした.

今回は路面温度が分からなかったですし,そこそこ気温も暖かかった(ウォームアップに苦しむほどではなかった)ので,もう少しデータを集めないと指標は見い出せなさそうです.それでも,内圧の上昇傾向は掴めましたし,計測1は実は結構低い内圧でアタックしていた事も分かったので,状況理解が深まって良かったです.

それにしても,TC1000だと右リアってホント温まらないんですね・・・.18周しても上がった内圧は,たったの「7kPa」ですからね(温度はなんと1℃も変わらず).TC1000で一番負荷の高い左フロントは「40kPa」も上がっているんですから,その約1/5の上昇速度.そりゃ,真冬で15分掛けても温まらない訳だよなぁ~とまざまざと思い知らされました.
2022年11月06日 イイね!

続・冬支度 ~TPMS編~

続・冬支度 ~TPMS編~話の順番がTC1000のファミ走と入れ替わりましたが,TPMS導入のお話です.

ここ数年,冬場のリアタイヤのウォームアップに苦しみ,15分の走行枠の中で4輪のタイヤの温度を揃えられず,アタックチャンスが1周しかなかったなんて事もありました.一番良い対策はタイヤウォーマーの導入なのですが,四輪用で市販されているのは18インチクラスが中心で,私が使っている15インチサイズはないようです.

聞くところによると,二輪用(17インチサイズ?)のウォーマーを流用する手があるようなのですが,そちらは知見が乏しく,モノがモノだけに使い方を誤ると危ないので,二の足を踏んでいました.


ウォーマーが使えないなら,せめて走行中のタイヤ温度を把握出来ないか?と思い,こんなの(↓)とか,



こんなの(↓)とか,



眺めていたのですが,モノがモノだけに本格的なヤツばかりで結構なお値段でした.
もうちょっとお安く出来ないかなぁ~?と思い,カート用のコレ(↓)とか,



・・・も見ていたのですが,四輪で使うにはケーブル長が足りなそうで,その辺りの延長が出来るのかどうかが調べ切れませんでした.

結局のところ,カート用であれ,構築するのに10万オーバーのコストが掛かるのは間違いなく,それだけのコストを掛けて費用対効果が見い出せるかどうかが疑わしかったので,やはり「まずは簡易計測でお試しだな・・・」と思い,TPMSの方に視線を移しました.


「TPMS」は,Tire Pressure Monitoring Systemの略で,ホイールにタイヤの内圧を計測するセンサーを取り付け,その計測値を無線で飛ばして,レシーバーがそれを受信して表示するという代物です.一般的にはタイヤのパンク検知の用途で使われ,内圧が低下するとアラームを鳴らしてドライバーに知らせる機能を持っています.

「TPMS」には「直接式」と「間接式」の2種類があり,「直接式」は以下(↓)のようにタイヤの内部(ホイールの内側)にセンサを埋め込むタイプの事です.



タイヤの内部を直接計測するので精度が高く,センサー自身もタイヤに覆われて防塵・防水・脱落リスクも低いのがメリットとなるのですが,タイヤの内側にある事がデメリットにもなっています.その配置の都合上,センサーを交換する際はタイヤを一度ホイールから外す必要があるのですが,センサーに内蔵されている電池は1~2年程度で切れてしまうので,定期的にタイヤの組みばらしが必要となります.

サーキットユーザーであれば,全く摩耗しないFFのリアタイヤであっても1年程度で必ず交換するでしょうから,それほどデメリットにならない気もしますが,TPMSが付いたタイヤの組みばらしは,センサーを壊さないように注意して行う必要があり,タイヤ屋さんによっては交換工賃が上がるので,この部分でデメリットが生じます.

そもそも費用対効果が見い出せないから「TPMS」を採用しようとしているのに,「TPMS」のせいで余計なコストが掛かるようでは本末転倒なので,今回は計測精度が落ちるのを承知の上で,「間接式」を選ぶ事にしました.


さて,その間接式の「TPMS」ですが,お手軽であるが故に種類が凄まじくあります.
値段もマチマチで,正直どれを選べば良いのか分かりませんでした.

サーキットユースで考えるなら,有名なのは「エアモニ」かな?と思い,その最新作「エアモニ 4」を調べてみると,


(Airmoni:エアモニ 4より)

さすが第4世代まで進化しただけあって,レシーバーの充電がソーラー式になっている等,機能が洗練されているようです.ただ,どうも製品のターゲットがトレーラー等の6~8輪用に移ったようで,「要らない機能が多そうだなぁ~」とも思いました.値段も結構するので「もうちょっと安いヤツでいいかなぁ~?」と調べてみると,数千円台の安い製品は色々あるのですが,どれも決め手に欠ける感じで・・・,

面白くない! <(`^´)>


「折角買うなら,何かプラスαの要素が欲しいなぁ~」と思い,更に調べてみると,「iPhoneアプリでモニタリング出来るTPMS」なんてのを見つけました(↓).


(オレンジジャパン:TP Checkerより)


「ほぅ・・・これは面白そうだな」と思いましたが,ご覧の通り既に販売は終了.「昨今の半導体不足を考えれば,そりゃそうか・・・」と思いつつ,他にないかなぁ~と調べてみたところ,クラウドファンディングで国内販売に漕ぎ着けたという製品を見つけました(↓).


(PR TIMES:話題のスマホで24H自動監視する空気圧モニター FOBOTIRE2が販売開始より)


「へぇ~,コレ面白そうじゃん」と詳しく見てみると,一般的な「TPMS」の機能は一通り揃っている事は勿論の事,気になる一文も見つけました(↓).



(; ・`д・´) ナン…ダト…?

これは「タイヤの内圧と温度の変化推移のデータが取れる」というコト!? 計測のサンプリング周期が分かりませんが,1分以下でデータを収集出来るのであれば,周回毎のタイヤのウォームアップ特性を解析するツールとして使えるかも!?と思い,早速このFOBOの「TIRE 2」を手配.



手配を掛けた時は在庫切れで,入手するのに少し時間が掛かりましたが,何とかファミ走の前日夜にギリギリ届きました.時間がなくてマニュアルは斜め読みレベルでしたが,最低限の動作確認は出来たので,そのまま筑波へと向かう事になりました・・・(後編に続く).
2022年10月11日 イイね!

デジスパイスⅢ vs デジスパイスⅣ

デジスパイスⅢ vs デジスパイスⅣ先日ファミ走で走った時に,こもりん.さんがデジスパイスⅣをEF8に付けてくれました.

なんでも「デジスパイスⅢの下取りセールをやっていたのに,何で交換しないんだ!」とご立腹だそうで,デジスパイスⅣの素晴らしさを分からせようという事のようです.勿論,私もⅣに興味がない訳ではないのですが,現状のⅢの性能に不満がある訳でもないので(どちらかというと解析ソフトの方に不満がある),先送りにしてました.

とはいえ,折角Ⅳを付けてデータも取って頂いたので,色々と比較してみようと思います.

まず比較条件ですが,今回Ⅳの方は外部アンテナは使わず,本体のみで計測を行いました(外部アンテナを使えば,そちらの方が精度が良くなるのは当たり前の事なので).また,本体の取付位置はⅢの真横にⅣを配置する形とし,車内のダッシュボードに取り付けています(↓の赤矢印の辺り).



車内置きなので,360°全方向を等しく衛星を捕まえられる訳ではなく,車両後方分は遮られてロストしていると思います.なお,本体は一応電源ONから屋根のない屋外で10分以上放置させました.あと,サンプリング周期はⅢ・Ⅳ共に10Hzで行っています.


最初は基本的なところで,ラップタイムの精度を見てみます(左:筑波公式ポンダー 真ん中:Ⅲ 右:Ⅳ).



公式のポンダーを基点にして比較すると,速い方・遅い方どちらかに偏る事もなく,バラつきの傾向もⅢとⅣでは異なりますね.Ⅳの測位精度はⅢの2倍という事でしたが,ラップタイムを基準とすると個人的な感覚としてはⅣの精度はざっくりⅢの3割増しって印象です.絶対値的な性能はⅣの方が良くなっている事は間違いないので,やはり魅力的ですね.


続けて,公式でもやってる軌跡のバラつき比較(左:Ⅲ 右:Ⅳ).



コース図はデジスパイスⅣ用を使用しています.確かにラインの重なり具合はⅣの方が良いですね.ただ,細かい動きはⅢの方がちゃんと拾っているようにも見えます.俯瞰してみると,Ⅳの方は全体的に動きがなまされているように感じるのは気のせいでしょうか? フィルターを掛けて動きを意図的に抑え込んでいる(無理やり収束させている)ような印象を受けるのですが,これは穿った見方ですかね・・・?


そう思う具体例をいくつか挙げてみましょう.1つ目はコースイン時の走行軌跡.

【デジスパイスⅢ】


【デジスパイスⅣ】


ピットロードからコースインする際,白線に沿ってコースに合流する訳なのですが,ⅢとⅣで明らかに軌跡が違います.Ⅲ(上)は白線同士の真ん中辺りを進んで,コース本線に合流する辺りで少し右に寄っているのに対し,Ⅳ(下)はコース内側の白線ギリギリで進入しており,右に寄る動きもなく,一直線に前に進んでいます.

これのどちらが正しいのか? 車載映像で確認してます.
まずコースインですが,こちらは左右の白線の中心をクルマは進んでいるように見えます(↓).



そして,その後に少し右にステアリングを切る操作をしている事も確認出来ました(↓).



つまり,Ⅲの方の正しく動きを拾えているように思えます・・・.


おっと,怪しくなってきた(笑).もう1つ最終コーナーのアタックラインでも確認してみます.

【デジスパイスⅢ】


【デジスパイスⅣ】


Ⅲ(上)の方は完全にコース外を通ってますね・・・.
この画像(↓)で言うところの,ちょうど私が立っている位置くらいでしょうか.



一方のⅣ(下)はコース内.ちょうどガケになっている部分のギリギリ端に留まっている感じでしょうか.
「これはさすがにⅣの方が正しいんじゃないの~?」と思って車載で確認してみると,



すみません,コース外を走ってました・・・.

う~む,この結果からすると走行軌跡の正確性はⅢの方が高いと思いたくなってしまいますね.


「そんなバカな!」と私自身も思うので,今度はアタックラップの走行軌跡を比較してみます(青:Ⅲ 赤:Ⅳ).

ホームストレート~1コーナー



1コーナーのエイペックスまでのラインは完全に一致していますね.エイペックスを過ぎた先,ちょうど車体が真横を向く辺りから両者の軌跡がズレ始めます.つまり,この日・この時間のTC1000だと南西の方角に衛星があり,それを捕らえている限りはⅢ(青)とⅣ(赤)で差異はないという事なんでしょうね.その後,コーナリングを始めてクルマが西を向くと,衛星を捕らえている数の違いからⅢ(青)とⅣ(赤)とで差が出てくる感じなのでしょうか?


2コーナー



仮に南西の方角に衛星があったのだとすると,2コーナーでクルマは北西の向きとなり,ボディが衛星の信号を遮る形となります(デジスパイスは車体前方に積んでいるので).この辺りから誤差が大きくなりそうですね.


ヘアピン



案の定,衛星に対して完全に背を向けるヘアピンでは,Ⅲ(青)とⅣ(赤)とで大きく軌跡がズレました.こんなにエイペックスを外すドライビングはしていないので,これは完全にⅢ(青)の方が間違っていますね.


インフィールド



180°回って,再び衛星がいる方向にクルマが向くと,両者の軌跡の精度は縮まっています.ちゃんと衛星の信号を捕らえている限りはⅢ(青)であっても精度としては十分そうです.


左高速コーナー



再び180°回転して,衛星に対して背を向ける形になるので,ここからⅢ(青)の精度は再び悪化しています.こんなに縁石から離れるはずがないので,ホント酷いですね・・・(苦笑).


最終複合



引続き衛星に背を向けているので,Ⅲ(青)の方が大分軌跡がズレてます.こうやって見ると,やっぱりⅣ(赤)の精度は良いなぁ~と思ってしまいます.


最後に,車速波形も見てます(Ⅲ:青 Ⅳ:赤).

【ホームストレート~ヘアピン】


【ヘアピン~最終複合】


【最終複合~ゴール】


「キョリ」ベースで比較してみたのですが,全体的に見ると,Ⅳ(赤)の方が上下動が少なくキレイな波形です.対して,Ⅲ(青)の方は,特に衛星に背を向けるコーナーでのオーバーシュートが大きく,かなり車速のグラフもズレています.解析ソフト上の距離も,Ⅲが1.009km,Ⅳが0.993kmと16mも差があるんですが,この差は恐らく走行軌跡のズレに起因していて,Ⅲの方が間違っているんでしょうね.


以上,デジスパイスⅢとⅣの比較結果でした.

Ⅲも衛星をきちんと捕えているうちは十分な性能を発揮していると思いますが,Ⅲの苦手な方角をⅣはきちんと補っているようで,この辺りは捉えている衛星の数がモノを言いますね.



外部アンテナを使わずにこの性能なんですから,非常に魅力的です.

一方,波形のキレイさ(バラつきの少なさ)に関してもⅣの方が優秀に思えますが,今回の解析結果からすると「不自然なキレイさ」という印象を受けてしまいました.大きな位置変化を意図的に抑え込んでいるんじゃないか?という懸念がどうも拭えないですね・・・.

大雑把な解析をする時は,波形がキレイな方が分析し易いですが,ちょっとした操作の違いや僅かな挙動変化を細かく拾い上げるには,多少ノイジーであっても出来るだけ正確な波形の方が嬉しいので,私の性格からするとⅢの方が合ってるかなぁ~という気がします.
(無論,Ⅲの波形が正しいという保証もないので,私がトンチンカンな事を言っている可能性もあるんですけど)

現状,手持ちの車載合成ソフトはⅣのファイル形式に対応していないので,動画編集のお手軽さという観点でもⅢの方が良いですし,ⅢとⅣでこれだけラインや車速がズレると,過去の資産(データ)が使えなくなるのも痛いです.まぁ,こちらはⅣにした後に全てサーキットでベストを更新すれば良い!とか言われそうですが(苦笑),現時点ではⅢが壊れるまでⅢを使い続けようと思います.

こもりん.さん,デジスパイスⅣを貸して下さって有難う御座いました!
2022年01月25日 イイね!

冬支度 ~カイロ編~

冬支度 ~カイロ編~間が空きましたが,冬支度の第6弾.

1月に入り,12月よりも確実に体感温度が低くなってきました.リアタイヤを新調する事もあり,そろそろ以前作ったタイヤカバーにウォーマーの機能を持たせたいところなのですが,アレコレ考えてみた結果,費用対効果のバランスから,まずは誰もが思いつく「カイロ」をテストしてみる事にしました.


消耗品なので現場でテストしてみるのも良いかと思いましたが,それなりに労力が掛かる事もあり,やってみて効果がないと悲しいので,まずは自宅で狙い通りの機能が得られるか試してみる事にします.

やり方は,カバーにタイヤをセットして,



カバーの裏面にカイロを貼り付け,



包んで,ひたすら待つだけです.




今回使ったカイロは,アイリスオーヤマの「ぽかぽか家族 貼るミニ」.



平均温度:50℃の製品ですが,サーキット到着~準備~走行開始までの時間が概ね1~2時間と考えると,長時間の持続性は要らず,昇温時間が短い方が良いため,コチラのサイトを参考にして各社の製品を比較し,アイリスオーヤマの製品をチョイスしました.また,実際にタイヤに貼り付けて使う場合,外周を覆うのに20個程度は必要になるので,個数が多く・価格が安いのもこの製品でした.


それではテスト開始.

カイロ温度が20℃,タイヤの温度が16℃の状態からスタートし,10分経過した時点で温度を測ってみると,

 10分経過 ・・・ カイロ温度:27℃  タイヤ温度:21℃

カイロの発熱が始まり,早くもタイヤ表面に熱が入り始めました.「おおっ,イイ感じ!」と思いつつ,30分が経過.

 30分経過 ・・・ カイロ温度:27℃  タイヤ温度:25℃

カイロの温度が思ったほど上がりませんが,タイヤの温度は着実に上がってきているようです.更に待つこと30分.

 1時間経過 ・・・ カイロ温度:28℃  タイヤ温度:26℃

アレ? 全然上がらなくなりました.そこから更に待つこと1時間.

 2時間経過 ・・・ カイロ温度:30℃  タイヤ温度:26℃

いや,全然温度上がんないんですけど!
(_ _|||)



「なんだ? この製品がダメなのか!?」と思い,もう一個取り出して部屋の中で使ってみると,ちゃんと40℃まで上がります・・・.「使い方を間違えたのか?」と思い,説明書きを読んでみますが,「袋を開ける」「貼る」としか書いていないので問題なさそう.ネットで調べてみると「カイロは酸化熱で発熱するので,通気性が悪いと化学反応が起きない」という文言を見つけ,カバーを外してタイヤ表面に直接カイロを貼り付けて,外気に触れるようにして同じ事をやってみたところ,

 30分経過 ・・・ カイロ温度:28℃  タイヤ温度:17℃

やっぱりダメじゃん! ヾ(- -;)オイオイ


更にネットで調べてみると,「カイロが外気にふれた状態や外気温が極端に低い場合等は,カイロの熱が放出され,体感温度が低くなることがあります」という文言を見つけたので,一度カイロを40℃まで昇温させた後にタイヤに貼り付け,10分待ってみると,

 スタート  ・・・ カイロ温度:37℃  タイヤ温度:16℃
   ↓
 10分経過 ・・・ カイロ温度:28℃  タイヤ温度:20℃

ああ,やっぱりそうだ.カイロの発熱量より放熱量の方が上回ってしまい,熱平衡状態になって20℃台から上がらなくなっていたんですね.


・・・という事で,少なくとも購入したカイロではウォーマーの熱源として機能不足である事が分かりました.これよりも発熱量の大きいカイロは存在すると思いますが,そちらの方だと価格が高く,タイヤに数十個貼り付けて使うのはコスト的に辛そうです(ベスト狙いの1回限定ならいいですが).また,25℃前後くらいだとカイロを外して1分も経たないうちに温度低下が始まるので,これだとコースインまでの待ち時間の間に元の状態に戻ってしまいそうです.やっぱりカイロだと根本的に熱量不足なのかなぁ~?と思いました.

まぁ,こうなるんじゃないかと心の片隅で思っていたので,ズルズルと先送りしてこんな時期に試す事になったのですが,今回テストしてきちんと数字が押さえられたので,スッパリ諦めて別の策を練ろうと思います.

プロフィール

「[整備] #CR-X フロントスプリング交換 https://minkara.carview.co.jp/userid/1684331/car/1250119/7767117/note.aspx
何シテル?   04/26 23:09
EF8乗りの先輩にタイムアタックで挑んでいます.現在までの通算成績は9勝20敗.GPSロガーを使ってマシンとドライビングの問題点を洗い出し,アップデートさせなが...
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