ブレーキ慣らしの目的で走ってきた
先日のTC1000 ですが,合わせて
トー角のテスト もしてきたので当日感じた事を残しておきます.
トー角変更に至った背景としては,ボールジョイントを直してキャンバー角が減った辺りから,ステアリングの切り始めのレスポンスが鈍くなり,これの対策としてフロントのトー角を20'→10'に閉じました.狙い通りコーナー進入時はそれで反応は良くなったのですが,今度はコーナー立ち上がりで踏ん張りが効かず,TC2000ではコース外にタイヤを落とし掛けました.
このため,さすがに10'だと閉じ過ぎと判断し,10'と20'の合いの子という事で今回15'にセットしてみました.
街乗りの印象としては,やっぱりトー角が開いているので,交差点を曲がる時にステアリングが戻って来なくなったりして違いはありましたが,コース上ではどうだったか?というと・・・(赤:10' 青:15'),
①1コーナー進入時のブレーキングで良く止まる
②1コーナー進入時のステアリングレスポンスは悪くない
③但し,ブレーキリリース後,1~2コーナー間でクルマが戻って来ない(アンダーステア傾向)
④2コーナー出口で膨らまなくなった
⑤ヘアピン進入時のブレーキングで止まり過ぎる
⑥ヘアピン進入時のステアリングレスポンスは悪くない
⑦更に,進入後エイペックス付近(大舵)までグリップ感がある
⑧しかし,出口(立ち上がり)はグリップ感が薄い(アンダーステア傾向)
⑨インフィールド旋回中に車体の左側(IN側)が持ち上げられる感触がある
⑩左高速コーナー進入時でのステアリングレスポンスが悪い
⑪洗濯板進入のブレーキングで若干止まらない感がある
⑫最終コーナー進入で縁石につけず,出口も膨らむ(アンダーステア傾向)
①・⑤は今回ブレーキローター&パッドを新品にしているので,そちらの影響な気もしますね(↓).
また,今回はタイヤの状態が酷かったので(↓),
③・⑧・⑫の「アンダーステア傾向」はタイヤが原因な気もしており,ここはタイヤを変更してもう一度試してみないと判断がつかないかなぁ~?と思いました.
あと,判断がつかないと言えば今回の「風」の影響.P8枠(15:20~15:40)の頃は,瞬間最大風速:10.6~12.4m/s(平均風速:8.2m/s)の強さで吹いていました.気象庁の定義によると(↓),
平均風速が10m/s未満なので,アレでも「強い風」とは言わないようなのですが,P8枠を走っていたFR勢はアチコチ(2コーナー出口・インフィールド出口・最終コーナー出口)でスピンしていたので,確実に風の影響は受けていたんじゃないかなぁ~?とも思いました.風の向きは北西~西北西の間でしたので,コースに対して真横から吹き付ける形となり(↓),
1~2コーナー間・左高速コーナーでは向かい風,ヘアピン・インフィールド・最終複合では追い風となっていそうです.
これと前述の印象を照らし合わせてみると,
③ブレーキリリース後,1~2コーナー間でクルマが戻って来ない(アンダーステア傾向)
⇒ 向かい風でリアのダウンフォースが増えて,アンダーステアが強まった?
④2コーナー出口で膨らまなくなった
⇒ 横風で押し留められた?
⑦ヘアピン進入後エイペックス付近(大舵)までグリップ感がある
⇒ 追い風でリアが持ち上げられて,曲がるようになった?
⑧ヘアピン出口(立ち上がり)はグリップ感が薄い(アンダーステア傾向)
⇒ 追い風→横風に変化し,車体が押し出された?
⑨インフィールド旋回中に車体の左側(IN側)が持ち上げられる感触がある
⇒ インリフト気味の車体左側に風が入り込み,車体が持ち上げられた?
⑩左高速コーナー進入時でのステアリングレスポンスが悪い
⇒ 向かい風でリアのダウンフォースが増えて,アンダーステアが強まった?
⑪洗濯板進入のブレーキングで若干止まらない感がある
⇒ 向かい風でリアのダウンフォースが増えているはず ⇒ 別の要因?
⑫最終コーナー進入で縁石につけず,出口も膨らむ(アンダーステア傾向)
⇒ 追い風→横風に変化し,車体が押し出された?
・・・といった感じで,風の影響と考えると辻褄が合う部分もありそうです.
じゃあ,追い風・向かい風のダウンフォースの増減ってどれくらいなの?と気になったので,ちょっと試算してみました.
まず,ダウンフォースの量は,0.5 × [前面投影面積] × [空気の密度] × [揚力係数] × [速度]^2 という式で求められ,「風」は相対速度という形で影響するため,ダウンフォースに対しては二乗で効いてくる事が分かります.
次に,瞬間最大風速:12.4 [m/s] = 44[km/h] ですので,相対速度の増減は追い風の-44km/h,向かい風の時は+44km/hとなります.先程の印象の中でダウンフォースの影響を受けていそうな③(1~2コーナー間)に着目してみると,
車速(86km/h) + 向かい風(44km/h) = 相対速度(130km/h)
速度の増加比 = 130km/h / 86km/h = 1.5
となり,速度が1.5倍 ⇒ リアのダウンフォース量が2.2倍となりますので,こりゃリアが喰ってアンダーステアも強まるのも納得ですね.
以上,走行時の印象と風の影響に関する考察でした.
最後にもう1個変化点の話.今回
ブレーキペダルとクラッチペダルのブッシュをリフレッシュした のですが(↓),
ブッシュ交換時にペダルの脱着をした事もあってクラッチのミートポイントが変わってしまい,加えてペダルの反力も小さくなったので,ミートポイントが感じ取りづらくなってしまいました.私はこれがどうしても気に入らなかったのでクラッチワイヤーを調整してミートポイントを奥に設定したのですが(↓),
どうやら奥に設定し過ぎてしまったようで,クラッチ断→ペダル踏切り→ペダル持ち上げ→クラッチ接の一連の操作に掛かる時間が短くなり過ぎたようで,洗濯板手前でのシフトダウンで2速に入れ損ねる事が何回かありました(↓).
VIDEO
従来の感覚でヒール&トゥをやると,シフトを3速から抜いて2速に入れる前に,クラッチが繋がってしまい,2速に入れようとしても弾かれてギヤが入りませんでした・・・.洗濯板のブレーキングはエンブレも併用する事前提で進入しているので,2速に入れ損ねてエンブレが効かないと思った通りの制動力が出ず,「うわぁ~,止まらないー!!」と一瞬ドキッ!としてしまいました(苦笑).
∑( ̄Д ̄; ) ドキッ!!
幸いにしてフットブレーキだけで止まれる速度だったので何とかなりましたが,あんまり心臓には良くないですね・・・.シフトダウンだけでなく,シフトアップの方でも何回かミスっていたので,次回はもうちょいミートポイントを上にして操作時間を稼ごうと思います.