今年2月にコース改修された日光サーキットに行ってきました.
バックストレートエンドの10コーナーの曲率が18R→32Rに変更され,これによりコース全長も1034m→1027mとなりました.全開からのフルブレーキングとなっていたコーナーが緩やかな進入となった事で旋回速度は大幅に上昇し,10コーナー以外の再舗装されたため,改修当初は0.6~0.8秒縮まると言われていました(舗装が落ち着いてからは0.5秒程度).
7mのコース短縮は,1周43.5秒で計算すると約0.3秒縮まる計算になるので,最低でも
昨年の同じ時期に出した42.8-0.3=42.5秒くらいは出しておきたいところです.
さて,数字で32Rと言われてもイメージが湧かないので,当日走ったラインを改修前のコース図に重ねてみました.
こうして見ると,かなり内側をエグっているのが良く分かりますね・・・.
また,改修された10コーナーよりも,その先の11コーナーの難易度が上がっていそうで,単純に進入速度が上がっているだけでなく,ターンインのタイミングも掴みづらくなっているような気がします.イメージ的には90~100°ターンだったコーナーが120~150°ターンになる訳で,ヨーの発生量も大きくなり,更にミスを誘い易いコーナーになった気がします.
それでは,早速走ってみたいと思います.
1本目
実に
10ヶ月振りの日光なので,まずは感触を思い出しつつ,徐々にペースを上げていきます.すると,今年S耐に参戦されているプロがドライブするS660が前に現れたので,後ろについてラインを学ばせて頂きました.
切り込みのタイミング,イン~アウトに離れる位置,11コーナーでの向きの作り方等々,大変勉強になりました.
2本目
1本目に学んだ事を今度はペースを上げて再現してみます.最初のアタックで42.6秒,そのまま続けて2周目も42.6秒.最低ラインの目標まであとちょっとなので1周クーリングを挟んで,再度アタックしたら42.2秒が出ました.「おお,この時期としては上出来じゃないか?」なんて思っていると,空からポツポツと雨が・・・.
空の様子を窺うと,そんなに雨量は多くなさそうなので,ちょっと長めのクーリングを挟みつつ,頭の中で1周の纏め方を固めて,いざアタック!
42.033 (S1:09.796 S2:18.367 S3:13.870)
おおっ! 42秒フラットまで来た.
3本目
こうなったら,コース攻略は一旦横に置いておいて,何とか41秒に入れる算段を練ります.インターバルの間にセクタータイムを眺めながら,縮め代を探してみるも,ほぼベストが揃っていて縮め代は残ってなさそう・・・.
そして,作戦が纏まらないまま時間が来てしまい,コースインすると目の前に
再び登場のFK8が!
こうなったら,引っ張ってもらうしかない!
バックストレートで引き離されないために,高速の8・9コーナーでアクセルを踏み抜きます.これでほんの少しだけ詰め代を見つけたので,クーリングラップを挟んで,再度アタック! 結果は・・・.
41.880 (S1:09.792 S2:18.290 S3:13.798)
各コーナーでちょっとずつ拾い集めて,自己ベストを更新!
コース改修により自己ベストは出て当然とはいえ,やっぱり出れば嬉しいものです~♪
4~6本目
さてさて,タイムに満足したところで本題の攻略データ収集用にタイヤを交換.結果は以下でした.
42.153 (S1:09.915 S2:18.401 S3:13.837)
ちなみに昨年のタイムは,同じ銘柄/サイズのタイヤで,ほぼ1秒落ちでした.
43.122 (S1:10.000 S2:18.670 S3:14.452)
LAP+で両者を比較してみます(青:昨年 緑:今年).
1コーナーの進入速度(1つ目の赤丸)は昨年(青)の方が高いので,気温によるパワー差は,ほぼない事が分かります.4~6コーナーにかけて(2つ目の赤丸)は,足回りとデフの仕様が違う分で,やはり今年(緑)の仕様の方が速いです.この差が約0.4秒なので,この分はコース改修に無関係ですね.
8コーナー(3つ目の赤丸)のボトムも同じく足回りの違いの効果で約0.1秒程度稼いでいます.一方,バックストレートエンドのブレーキング(4つ目の赤丸)では,ほぼ同じ速度に達してるので,やはりパワー差は"なし"と考えて良いでしょう.
そして,問題の10コーナー(5つ目の赤丸).やはり大きく波形が違いますね.昨年(青)は一旦56km/hまで落してから再加速して73km/hまで上げ直していますが,今年(緑)は80km/hを切った辺りでブレーキを緩めて73km/hに軟着陸するような形です.その後の11コーナーのブレーキングは昨年(青)よりも今年(緑)の方が早く40km/h台に落ちていますが,これがコースの全長が短くなった事を表している証でしょうね.これらトータルで約0.45秒の差がつく事になります.
以上を纏めると,新コースのゲインは0.5秒といったところではないでしょうか.諸々状況が違うので推測の域を出ませんが,冬に走って41秒台前半(40秒には入らない)な気がします.
新10コーナーの攻略法としては,ブレーキング開始のポイントは以前と変わらず不変.但し,ブレーキの強さはかなり弱め.浅いブレーキを奥まで残すようなイメージで,3→2速にシフトダウンするポイントもかなり奥になりました.
また,ステアリングを右に切ったまま緩いブレーキを残し続けるため,フロントが沈み込み かつ ロールした状態のまま,11コーナーで大きくステアリングを切るため,非常にリアが出易いです.なので,そのリアが出る動きを利用して向きを素早く変えてあげるとタイムも縮まる気がします.ただ,このリアを出す動き(ヨーのコントロール)は結構難しく,タイミングが遅れるとフロントに荷重を掛け過ぎてアンダーを誘発してしまいますし,逆に早過ぎるとオーバーが出て11コーナー内側の黄色いカマボコ目掛けて突っ込む形となってしまいます・・・.
10~11コーナーの距離が短い事もあり,目線の移動が間に合わないとアウトに膨らんだまま戻って来れず,"そのまま強制ピットイン!"なんて事になりかねないので,慣れるまでは10コーナーの緩さに騙されず,しっかりと減速してから進入した方が良いと思います.
ちなみに,この11コーナーの難しさは,言い方を変えれば格好の"ヨーコントロールの鍛錬場"にもなりますので,繰返し反復練習する事でスキルアップにもつながるんじゃないかと思います.