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2018年06月23日 イイね!

0.7秒差を埋める出力特性

0.7秒差を埋める出力特性年明けから更なる詰め代を見つけようと,足回りとタイヤをテストしてきましたが,バネレートは上限に達してレートを下げる事になりましたし,タイヤも幅より外径を重視した方がタイムが安定するようになりました.

つまりは,両者とも行き着くところまで行き着いてしまい,これ以上の伸び代は"ない"という事です.

・・・となると,現状のバランスを維持したまま他に出来る事はドライビングの改善しかない訳ですが,プロが乗って出したタイムとそれ程大きな開きがない以上,詰め代はせいぜいコンマ1,2程度.こちらもほぼ出し尽くしています.

一方で,今月復活したEF8の先輩とは,相変わらず0.7秒も引き離されており,残る最後の手立ては出力向上しかないという状況です.


じゃあ,0.7秒差を詰めるには,一体どれくらい出力を上げれば良いのだろうか・・・?という事で,GPSロガーのデータからシミュレーションしてみようと思います.

まず,馬力の単位を分解していくと,

 1 [PS] = 735.499 [W]
      = 735.499 × [J] / [s]
      = 735.499 × ([N] × [m]) / [s]
      = 735.499 × ([kg] × [m/s^2]) × [m/s]
      = 735.499 × ([kg] × [m/s] / [s]) × [m/s]
      = 735.499 × [kg] × [m/s]^2 / [s]
      = 735.499 × [kg] × [m])^2 / [s]^3

これに私が使っているGPSロガーの計測周期 10 [Hz]= 0.1 [s] を加えて,

 1 [PS] = 735.499 × [kg] × [m]^2 / 0.1^3
      = 735.499 × [kg] × [m]^2 / 0.001
      = 735499 × [kg] × [m]^2

更に,質量=車重(981 [kg])+体重(56 [kg])=1037[kg]を加えれば,

 1 [PS] = 735499 × 1037 × [m]^2
      = 762712463 × [m]^2

となり,GPSロガーで計測した移動距離[m]から割り出せる事になります.
お馴染みLAP+には,これを自動的に計算してくれる機能がありますので,今回はそちらの結果を流用します.


続けて,馬力を比較するポイントですが,今回は事象を単純化するためにTC1000の1ヘア~2ヘアの間の2速全開加速のポイントを用います.今回の推定手法が車両の移動距離から試算しているため,空気抵抗等の全ての走行抵抗が含まれた値となります.当然カタログスペックの値なんて出るはずがないのですが,抵抗が少ない低速・低回転の方が比較的精度が高いため,このポイントを選びました.

では,LAP+で結果を見てみましょう.用いたデータは昨年同時期のものです(青:私 緑:先輩).



先輩の方は,きれいな放物線状に出力が出ているのに対し,私の方は苦しみながら搾り出している感じですね・・・.


これを更に分かり易くするために,車速から回転数を割り出してみます.

 1 [km/h] = 1000/60 [m/min]

当時のタイヤは205/50R15(外径:587mm)なので,

 1 [km/h] = 1000/60 × 2π × 0.587 / 2 [rev/min] = 587π/60 [rpm]

これに2速のギア比(2.105)とファイナル(4.400)を掛けて,

 1 [km/h] = 587π/60 [rpm] × 2.105 × 4.400
 1 [km/h] = 284.669 [rpm]

時系列を合わせて,LAP+の出力とプロットすると以下となりました(青:私 緑:先輩).



ローカム→ハイカムに切り替わった直後の4800~5200rpmの辺りは互角ですが,そこから先の伸びが私の方はないですね.5700rpmと6600rpmに谷があり,これが大きな差を産んでいます.また,先輩の方は8000rpmまでタレる事なく一直線に出力が上がり続けていますが,私の方は7500rpmで息切れして,それ以上の高回転域ではタレています.

この間,距離にして僅か70mなのですが,結果的にこれで0.25秒引き離されているので,5600rpmと6600rpmの谷は結構大きなダメージと思われます.この谷を埋めない場合は10PS以上の出力向上が必要となりますが,谷がなくなり,息継ぎのない滑らかなパワーカーブを描ければ5PS程度の向上でも十分戦えそうな雰囲気です.

NAで5PS上げるとなると結構大変ですが,一方で不可能と言える程の大きな値でもないので,まずはこの値を目指して色々策を練っていきたいと思います.
2018年06月08日 イイね!

ロールセンターとトレッド

ロールセンターとトレッド車高(90mm)を維持したままロールを抑制するため,スプリングの銘柄変更やバネレートアップを行ってきましたが,先月のテスト結果から,やり過ぎの領域まで踏み込んでしまったようで,結局,元に戻す羽目になりました・・・.

残る調整代はタイヤの剛性のみという事で,先月,205/45R16のテストを行いましたが,こちらも狙い通りの結果が得られて終了.いよいよセットアップは煮詰まってしまいました.

残る可能性としては「15インチ×7.0」の選択肢くらいで,色々と物色していたところ,インセットの数値に目が止まりました.

「そういえば,インセットの数値を変えるとトレッドが変わるよなぁ~」
  ↓
「トレッドが広がると,限界は上がるけど,ステアリングレスポンスは鈍くなるって言うなぁ~」
  ↓
「ん? ちょっと待て.限界が上がるってコトはロール量も変わるんじゃないのか?」


・・・って,事で早速お絵かきしながらメカニズムを検証.



トレッドが広がるという事は,タイヤが外側に移動する訳ですが,キャンバーがついている場合,そのまま外に出すと宙に浮いてしまいます.このため,タイヤが接地するようにスライドさせると,結果的にアームの角度が小さくなり,ロールセンター(クルマがロールする際の中心点)が上がる形になります.

つまり,トレッドを広げる事で擬似的にサスペンションジオメトリーを変更させる事ができ,ロール量を抑制出来る!という事です.

「これは,ひょっとして・・・」と思い,眠っていた5mmのスペーサーを引っ張り出して,TC1000へ向かいました.


まずは,日光のテスト結果と同様の傾向がTC1000のコースレイアウトでも見られるか?を確認.50扁平(15インチ)と45扁平(16インチ)を履き替えながら走ってみたところ,同じ傾向である事が確認出来ました.

当日ベストは16インチを履いて出した 42.530.



15インチは溝は残っているものの全くグリップせず,摩耗と劣化が進み過ぎたようなので,これ以上は比較材料として不適切.今回で破棄する事にしました.


さて,走行会は午前中のみのため,そのままコースに居残り,午後のファミリー走行でスペーサーを入れてテスト.

タイム自体は 42.743 で0.2秒落ちでしたが,フィーリングは大きく異なりました.
LAP+で比較してみます(青:スペーサーあり 緑:スペーサーなし).



1コーナー(1つ目の赤丸)
ブレーキングしたまま旋回を開始し,リアのテールスライドを誘発して曲げる部分なのですが,スペーサーあり(青)だと,スライド量が小さく・収束も早かったです.感覚的には思いの外スライドしないので,ブレーキを残す時間が長くなります(ボトムが下がる)が,挙動が安定しているので,アクセルONをワンテンポ早める事が出来ます.

2ヘア(2つ目の赤丸)
ここは明らかにロールが小さくなった印象で,スペーサーなし(緑)ではタイトに小回りするラインでないとアンダーを消し切れませんでしたが,スペーサーあり(青)の方では,外から大きく回り込むライン(ボトムを上げる走り方)でもプッシュアンダーが小さく,「よく曲がる~♪」という感触でした.

最終コーナー(3つ目の赤丸)
ここもロールが小さいので,全体的にボトムを高くキープした走りが出来ます.但し,ステアリングレスポンスが良いため,曲がり過ぎる傾向があり,早めにインに寄り過ぎてクルマの向きが悪くなってしまいました.
(0.2秒遅かったのは,これが原因)

総じて見ると,ロールする感じは確実に弱まっており,ステアリングレスポンスも悪化するどころか,むしろ良くなった印象で,アクセルを踏みながら曲げていける仕様になりました.ただ,ワイドトレッド化によってフロントのロール剛性が上がり,これに引きづられてリアのロール剛性も上がったため,テールスライドを誘発しにくくなりました.この結果,1ヘアでブレーキリリースが若干遅れ,0.1秒程度のロスにつながったりもしています.


最後にタイヤの表面温度の比較です.サンプルは最も負荷が掛かる左フロント(205/45R16)です.

 スペーサーなし ・・・ OUT:72℃  IN:72℃
 スペーサーあり ・・・ OUT:68℃  IN:74℃

おおっ! 遂にOUT側の温度を下げる事が出来ました.ここまで来ればキャンバーを少し起こす事が出来るかもしれません.


以上,左右合わせて+10mmのトレッド拡大のテストでした.走行前はステアリングレスポンスの悪化を心配していましたが,結果は予想に反して好感触.また,トレッド(=ホイールインセット)でタイヤの表面温度をコントロール出来る事も分かり,セッティングの幅が少し広がりました.

耐久性を考慮すると,出来ればスペーサーは常用したくないので,16インチであれば+40前後のインセットのホイールを,15インチであれば+35くらいのインセットのホイールを狙いたいところです.7.0のリム幅で+35のインセットとなれば,選択肢が結構広がるので,これはこれで楽しくなってきました.
2018年06月07日 イイね!

FD2 vs EF8 ~意地の張り合い編~

FD2 vs EF8 ~意地の張り合い編~昨年末のTC1000でトラブルが発生し,その後,走る事が出来なかった先輩のEF8が,6ヶ月の長き入院生活を経て,ようやく復活!

そして,退院から僅か1週間という時間を経て,再びTC1000の走行会に現れました.

サーキットに到着した直後は,「今日は半年振りのリハビリだから,街乗りタイヤで走るよ」なんて仰っていましたが,私が続々と到着する他の参加者と挨拶を交わしてる隙に,ちゃっかりアタック用タイヤに履き替え,走行1本目から奇襲攻撃を仕掛ける気満々.この油断も隙もない感じを久し振りに味わいました(苦笑).




1本目
久方振りの先輩の参戦なので,絡んで一緒に走りたいところなのですが,私の方は本格的な夏になる前にやっておきたい事が幾つかあったので,今回はそちらの消化を優先して,あまり周囲に注意を払わず走っていました.

このため,先輩が密かに追尾している事に気付いていませんでした・・・.
(ちゃっかり,当日ベストも叩き出しているし)




2本目
今度は1本目のお返しとばかり,私の方が先輩を追尾してみますが.



6ヶ月前と状況変わらず,差が縮まらない・・・.

一方,先輩の方は,こんな事(↓)や



あんな事(↓)を



やりつつ,退院後のクルマの状況を探っているようでした.
(それにしても,相変わらずカウンターのキレが鋭いですね!)


3本目
そして,先輩がなぜクルマの状況を探っていたのか?というと,こんな事(↓)をやって遊んでいるFD2と,



バトルするためでした!



いやぁ~.この意地の張り合いが凄い!

連続周回でタイヤもタレてズルズルになっているのに,お互い一歩も引かず,必死にクルマをコントロールしながら,「引き離そう!」「食らいつこう!」としている意思が手に取るように分かります.これだけハイペースで周回されると,途中何度か私も追いつかれるのですが,あまりの鬼気迫った鍔迫り合い(どつきあい?)に,とても絡む気にはなれませんでした・・・.


いやはや,6ヶ月間サーキットを走っていない人の戦いっぷりとは思えませんね.ドライバーもクルマも全くキレは落ちていないようですし,私も研鑽を怠らず,クルマも仕上げて,今年も各所で挑んでいきたいと思います.
Posted at 2018/06/08 00:51:46 | コメント(2) | トラックバック(0) | XXX vs EF8 | 日記

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「[整備] #CR-X フロントスプリング交換 https://minkara.carview.co.jp/userid/1684331/car/1250119/7767117/note.aspx
何シテル?   04/26 23:09
EF8乗りの先輩にタイムアタックで挑んでいます.現在までの通算成績は9勝20敗.GPSロガーを使ってマシンとドライビングの問題点を洗い出し,アップデートさせなが...
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