再び40秒台に入れるべく,新品のA052を携えてTC1000に行って来ました.
新品投入に合わせて行った
リアスプリングの変更は,目論見があるとはいえ,ぶっつけ本番.少々気がかりではありますが,
先月の感触から新品を投入すれば,40秒台に入るのは確実だと思っていたので,焦点はそちらではなく,「40秒台中盤に向けて,どれだけタイムを削り取れるかだ!」と気合を入れて向かいました.
今回の冬の陣からZC33SがFWDクラスに移動となり,これに合わせてorangeEPさんもクラス変更してきたため,現状維持のままでは下位低迷が必至.最終目標は
はやぶさんの39秒台だとしても,今季中にこのレベルに到達するのは難しいので,今回の新品投入によって,何とかそこに向けた足掛かりを得たいと思い臨みました.
この日は8時枠がある日なので,ピットは早々に諦めて,どの枠で走るか思案.基準タイム的にはA00枠で走らないと本来はダメなのですが,目を吊り上げて走っている39秒台の猛者達と一緒に走る気にはなれないので,選択肢は最初からB15枠以降.次点であればB15枠となるのですが,みんな考える事は一緒でA00枠をパスした人達がB15枠に集中するため,ここも結構なハイペースになりがち.
路面温度が氷点下の状態ではウォームアップに苦しむ事が分かっているので,通常より5分短い枠でウォームアップに専念出来ないのは辛い.という事で,B15枠もパスしてC30枠で出走する事にしました.
そして,コースイン.
目論み通り,走行台数は5台と少な目.これなら周囲に迷惑を掛ける事なくウォームアップに専念出来そうです.ところが,これだけ恵まれた環境でも,やっぱりリアタイヤが温まらない・・・.サーキットアドバイザーが朝一に仰っていた通り,特に右リアが辛い.既に5周が経過し,こんなに抑えて走ってるのに(↓),それでも氷の上を走っているかのようにスピンします.
「温まんないなぁ~(泣)」
と思いつつ,繰返しインフィールドで故意にリアタイヤを滑らせてウォームアップを試みるものの,全くグリップしている手応えがない.泣きたくなる気持ちを抑えつつ,辛抱強く繰返し,フロントタイヤを温め過ぎないようにペース配分にも気を遣いながら走り続ける事,実に8周(!).既に15分枠の9分が経過し,
「ヤバイ!このままだとアタックせずに終わってしまう~」
と焦り始めたところで,ようやく右リアに手応えが!
「おしっ! いくぞ!!」とアタックラインからアクセルを一気に踏み込みます.
しかし,右リアのウォームアップに傾注している間に,左リアが冷えてしまい,1コーナーであえなくスピン・・・.
「もう,どうしたらいいの~( TДT)」
と帰りたくなりましたが,次の瞬間には思い直し,「これだけ派手にスピンすれば,強制的に温まったでしょ!」「うん,そう,温まった.温まった.もう温まった事にする!」「リアタイヤの状態なぞ知らん.行くぞ!!」と気合だけでアタックに突入.
既に11分が過ぎ,残り時間は4分.追い込まれて気合だけで突入したアタックは,
「うわぁ~,やっぱり新品のタイヤはよく食うわ・・・」
とグリップの違いに合わせ切れず,41.166.そこから1周のクーリングラップに突入し,時計を見ると残り時間はあと2分.次が最後のアタック.先程の周回の感触を思い出しつつ,修正ポイントのイメージを頭の中で描いて,最終の複合へ!
タイムは
40.955.
何とかギリギリで40秒台に届きました・・・.ただ,私の腕では,たったの2周で新品のグリップに合わせ込むのは難しく,正直「もう1周欲しかった」というのが率直な感想なのですが,タイムアタックは結果が全て.タラレバで話をしてもしょうがないので,次に目を向けて考えます.
問題は,やっぱりリアタイヤのウォームアップ.
これに苦しまなければアタックの機会はもっと得られたはずで,もう少し周回していれば自己ベストを出せたかもしれません.ただ,左リアのウォームアップはともかく,右リアに関してはこれ以上のやり方が思いつかない・・・.こういう時は,TC1000で困った時は,この方に相談するしかない!
(写真は筑波公式よりお借りしました)
・・・という事で,蘇武喜和サーキットアドバイザーの元に行き,「右リアをどうすれば早く温められますか?」と質問.
返ってきた答えが,「
プロセスレーシングというところがですね,筑波のジムカーナ場に水撒いてスライドさせる練習をするので,そこで練習をすれば・・・って,え? 違う??」と,眉間にしわを寄せていた私の緊張をほぐしつつ(笑),色々教えてくれました.
「タイヤを温めるのに一番の手段は,タイヤを滑らせる事.その時にポイントとなるのが,滑らせる量よりも時間」と以下(↓)のような概念を教えて頂きました.
その話を聞いて,「ああ,そういえば,以前調べたイギリスのドライビングコーチが,
似たような話をしていたなぁ~」とコレ(↓)を思い出しました.
「例えるなら,熱々のオーブンへの触れ方の違いみたいなものだ.エイペックスの一瞬だけ,極短時間だけ,高温のオーブンに触れる走らせ方だね.コーナーに対してU字型のラインを描くオーソドックスなドライバーの場合は,確かに温度の絶対値は低いかもしれない.しかし,タイヤをオーブンに長時間触れる走らせ方となってしまう.1000℃のオーブンに長時間触れるよりも2000℃のオーブンに一瞬だけ触れる方がダメージは少ないんだよ.だからタイヤに優しいし,タイヤがもつんだ」
「そうか! あの時は『タイヤのもたせ方』として話を聞いていたけど,『タイヤを温める』という意味では,逆をやれば良いのか! なるほど・・・」と思いました.
その後も蘇武アドバイザーの説明は続き,「それをやるためには〇〇の時に△△をするのではなく,××という操作をして~」と実践的なドライビングの話となり,実際のタイヤを見つつ「ポイントはココ! ココがどうなっているかが重要」と身振り手振りを交えて教えて頂きました.いやぁ~,相変わらず中身が濃い!
その後,「4輪を均等に温める方法」として,
①日の光に当てる.
(ジムカーナ等,タイヤウォーマーが使えない時に見るアレ)
②タイヤを断熱材の上に乗せる.
(某スイフトマイスターで見るアレ)
③リアにソフトコンパウンドのタイヤを履く.
(FFなのに,フロントにMコン,リアにGSコンを履くというアレ)
④フロントで使ったタイヤをリアに回す.
(タイヤウォーマーが使えないレースで見るアレ)
・・・等を教えて頂いた後,「色々あるけど,タイヤウォーマーを買うのが一番だよ」と仰られていました.
う~ん・・・そうか.こういう人達(↓)がやっている事に,いよいよ私も片足突っ込み始めてしまったのか(苦笑).
その後,逆に蘇武アドバイザーから,「8時枠」の考え方に関して参加者目線の意見を聞かれたので,常連さん達の暗黙知や最近のタイヤの状況を具体的な数字を交えつつ意見交換し,その後,運営側・参加者側両者の立場を踏まえつつ1つ提案をしてみたりもしました.提案したものが取り入れられるかどうかはともかく,こうして参加者の意見に耳を傾けて頂けるのは,非常に有難い事ですね.
さて,その後は,おだてのまつさん,いつさん,こもりん.さんと食堂で反省会.
タイヤをちゃんと温められる人(〇)と,温められない人(×)の間に,微妙なソーシャルディスタンスを感じつつ(笑),ハンデ戦の結果を突き合わせ.
勝つ気マンマンで挑んだ,こもりん.さんとの2秒ハンデ戦は,まさかのこもりん.さん自己ベスト更新により敗戦・・・.
(食堂前でアイスを献上し,そのアイスを撮る人を撮る人)
そして,おだてのまつさんとの1.5秒ハンデ戦は,僅か0.016秒届かず,こちらも敗戦・・・.
(食堂前でアイスを献上し,そのアイスを撮る人を撮る人)
まさしく踏んだり蹴ったりでした(泣).
そして,秋ノ陣4位だったのに,なぜか課されていた「+1.0秒」のハンデも無事消え,異例の当日更新となった冬ノ陣の途中結果がご覧の通り.
2~7位の間が激戦ですね.「ここに加わるには,最低でも,あと0.7秒縮めないとダメか・・・」と思いつつ,2位の方のお名前を見ると,アレッ? この方,S2000の名手じゃないか? いつの間にZC33Sに乗り替えたんだ?と思って,
ブログを覗いてみたら,うわっ! ZⅢでこのタイム出したんですか?? さすがの腕前ですね.
こりゃ,A052に履き替えられたら,まつさんも安泰ではない!?なんて思いつつ,今回のお話はここまで.
当日お会いした皆様,お疲れ様でした.来年も引続き宜しくお願い致します!<(_ _)>