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OX3832のブログ一覧

2023年05月04日 イイね!

BB6サスペンションのお勉強

BB6サスペンションのお勉強AT使いが乗ってるBB6がダンパーのオーバーホールをするのだそうで,多分A052に合わせて仕様変更するんだろうなーと思っていたら,レートをいくつにすべきか? 意見が欲しいとの事.

「BB6の足回りなんて知らんぞ・・・」という事で,いい加減な事も言えないので急追お勉強する事にしました.ただ,B型車両と違ってBB6の情報が全然出て来ない(苦笑).仕方ないので搔き集めた断片から組み立てて読み解いてみます.

まずは既存の車高調を調べてみます.最初はLARGUS.



  フロント ・・・ 7インチ 12キロ
  リア   ・・・ 8インチ  6キロ

ふえぇ,リアは8インチ(200mm)が入るんですか! さすがはデートカーって感じですね.
リアのレートはフロントの半分かーと思いつつ,次はAragosta.



  フロント ・・・  8インチ 11キロ
  リア   ・・・ 10インチ  6キロ

大体似たようなレートですが,リアは10インチ! こんなの見た事ねぇっス.
フロントも8インチだし,サスペンションストロークがこんなに長いとは!と驚きつつ,最後はTEIN.



  フロント ・・・ 7インチ 10キロ
  リア   ・・・ 8インチ  6キロ

ふ~む.やっぱりリアは6キロくらいが相場なんだなぁ~と思っていると,ストリート用はこんなレートでした(↓).

  フロント ・・・ 321mm 6.1キロ
  リア   ・・・ 361mm 5.2キロ

  フロント ・・・ 320mm 4.3キロ
  リア   ・・・ 365mm 3.7キロ

恐らくこれが純正相当値でしょうから,この値でホイールレートが前後同等になるのかな?とBB6のレバー比を調べようと思ったのですが・・・,



情報が見つからん! orz

B型車両でも見つけるの大変なのに,プレリュードなんて数値が出てる訳ないわなぁ~という事で困り果てたところで,「FLEX Z」ではなく,「TYPE HR/HA」用にこんな数値(↓)が載ってました.



おっ! これでレートと車高の関係性が分かるじゃーん♪

加えて,前後重量配分もフロント:864キロ,リア:462キロという実測値も手に入りました.合算すると1326キロですから65:35ですね.ロングノーズなデザインからフロントヘビーかと思いましたが,EF8(66:34)よりもバランス良いんですね.

ちなみに上記の1326キロはBB6のTYPE S=MTですから,AT=SiRだとカタログスペックで1290キロ.前後重量配分が同等だとして,ざっくり計算するとフロント:840キロ,リア:450キロといった感じでしょうか.


大体の数値が押さえられたところで,先述のバネレート⇔車高の数値からレバー比を計算.


(AutoExe 貴島ゼミナール :チューニングを楽しむための動的感性工学概論§15より)

フロントは,バネレートが9キロの時にロアシートが45mm,16キロの時に19mmなので,26mmアップ.
ここからレバー比を求めると「1.26」.

リアは,同じく6キロで41mm,10キロで23mmなので,18mmアップ.
ここからレバー比を求めると「1.20」.

同世代のEK9やDC2なんかと比べるとフロントのレバー比が小さい気もしますが,そもそもサスペンションストロークがとんでもないからなぁ~.こんなもんですかね?


試しに,「FLEX Z」のストリート仕様でホイールレートを算出してみると,

 フロント ・・・ 6.1 / (1.26×1.26) = 3.8キロ
 リア   ・・・ 5.2 / (1.20×1.20) = 3.6キロ (-0.2キロ)

 フロント ・・・ 4.3 / (1.26×1.26) = 2.7キロ
 リア   ・・・ 3.7 / (1.20×1.20) = 2.5キロ (-0.2キロ)

あ~,こんなもんかも.


これでBB6の足回りの数値が大体掴めたので,車載を見つつ今のレートをチェック.



 フロント ・・・ HYPERCO 7インチ 9.8キロ
 リア   ・・・ HYPERCO 8インチ 8.0キロ

なるほど.リアは一般的な6キロ→8キロにレート上げてるのか.おまけに車高調メーカーが前後のレート差を4~6キロくらいつけているのに,AT使いの仕様はたった1.8キロしかない.だからこんなにオーバー挙動になるんですね(こんな攻めた仕様だったとは知らなかった・・・).

そうすると,まずはリアから決めるべきか.車重を考えると10キロ以上にはして良い気がするけど,使っている人がいないかなー?とYouTubeで漁ってみたところ,フロント:16キロ,リア:14キロって方がいました.縁石の走破性なんかを見るとフロントの16キロは高反発なスプリングなので少し跳ねてましたが,リアの14キロは中反発なスプリングなので全く問題なしですね.

スプリングの銘柄がHYPERCO維持前提だと,低反発な特性から14キロでも全然イケる気がしますが,AT使いの性格を考えると少し抑えて12キロくらいが無難ですかねぇ~.前後バランスは変える必要はないでしょうから,フロントはこれに2キロ加えて14キロくらいかな?

HYPERCOだとポンド計算なので微妙に数字がズレる事も加味すると,これくらい(↓)が良さげな気がします.

 フロント ・・・ 14.3キロ (800ポンド)
 リア   ・・・ 12.5キロ (700ポンド)


一応これでホイールレートを計算してみると,

 フロント ・・・ 14.3 / (1.26×1.26) = 9.0キロ
 リア   ・・・ 12.5 / (1.20×1.20) = 8.6キロ (-0.4キロ)

ふむ.やはり前後バランス的にもこれで悪くない気がしますね.


以上,BB6サスペンションのお勉強でした.

無難にいくならこんな数値な気がしますが,車載を見ていて気になるフロントのトラクション不足の対策として,もう一捻り足回りで工夫をしたい気もするのですが,さてどうすれば良いのかなー? デフなしのセッティングのノウハウがないので,ここはもうちょっと勉強しないと分かりませんね.
Posted at 2023/05/05 15:41:06 | コメント(0) | トラックバック(0) | AT使いのBB6 | 日記
2023年04月15日 イイね!

高速コーナーは左足ブレーキ?

高速コーナーは左足ブレーキ?日光の走行会が終わった週末,AT使いのBB6とショップで落ち合い,オレさまも交えて反省会をしていたのですが,その中で私がカメラカーをやったラップのBB6の動きがどうにもおかしかったので,同乗していたAT使いに色々話を聞きました.

AT使いが一番驚いたのは,高速の8~9コーナーでステアリング→アクセルOFFの順で操作していた点だそうで,「この操作の仕方が理解出来ない!」とまで言っていました.

まぁ,確かに私もプロの横に乗るまで,そんな操作の仕方は考えもしなかったので,最初に見た時のカルチャーショックが大きいのも理解出来ます.ただ,あの動きは,単に操作の順番を入替えただけで本当に出来るものか・・・?という疑問がどうにも頭にこびりつき,何度も何度もAT使いが持ってきた車載映像を食い入るように見てました.



オレさまは「(ステアリングできっかけを作った)慣性ドリフトだろ」というので,エンジン音に耳を澄ませて聞いてみると,確かにずっとアクセルを踏みっ放しにも聞こえます.BB6は見かけによらず,よく曲がるクルマだそうなのですが,それにしたってLSDの入っていないAT車で,こんな急激にクルマの向きって変えられるものか・・・?と私は首を傾げます.


AT使いが同乗中に「今のラップはアクセルOFFでしたよね?」とプロに確認したラップと見比べても,やっぱりカメラカーをやったラップの景色の変わり方がおかしい.自分の記憶を呼び起こすと,確か9コーナーは角度がつき過ぎたのか? ブレーキランプが点灯していたのを覚えています.



ただ,8コーナー側でブレーキランプが点いていたかどうか?は記憶が曖昧で,自分の車載を見返してみても,ちょっと判別は難しかったです・・・.そして,何度も何度も繰返しBB6の車載を見返しているうちに,

「ん? 今(8コーナー),左足が少しだけ動かなかったか??」

と私がつぶやき,3人でコマ送りしながらよーく見てみると・・・,



「あっ! ほんのチョットだけ,左足の膝頭が動いてる!!」

「コレ,左足ブレーキだ!」

「そうか,アクセルを開けたまま左足ブレーキを使っているから,エンジン音がこうなんだ!」
「それなら,この角度の急変も納得がいく」

・・・と,オレさまと私は意見が一致したのですが,AT使いは「そうかなぁ~? 隣で見ていた時はアクセルOFFだけだった気がするんだけどなぁ~」と納得いかない様子.確かに「動いた!」と言っても微妙な感じで,9コーナーの方は明らかに左足が上下動しているので踏んで→放してが分かるのですが,それと比べると8コーナーの方は動きはほんの僅か.これで断言するのは確かに難しい.でも,そう考えないとこの動きの説明がつかないんですよねぇ・・・(アクセルOFFだけの時のクルマの動きは緩やかだし).


そこから左足ブレーキの話になり,2ペダルのAT車ならではのテクニック(実際AT使いもやってる)で「MT車だと難しい」という話も出たのですが,ダートラなんかだと,MT車でも当たり前に左足ブレーキを使っているんですよね(↓).



ヒール&トゥ→左足ブレーキ,左足ブレーキ→ヒール&トゥとか,よくこんな足捌きが出来るなーと毎回見てて思うのですが,そろそろ私も身につけた方が良いかな?

カートでは当たり前のように左足ブレーキを使うので,左足でもそれなりに踏力コントロールは出来るとは思うのですが,ヒール&トゥが混ざったペダルの踏み替えとなると自信がない・・・.どんな練習をしたら良い?とAT使いに教えを請いてみたら,「山行け!」「走り込め!」「時間は掛かるぞ!」と言われました(笑).


以上,BB6挙動の謎解き(?)でした.
Posted at 2023/04/18 22:32:25 | コメント(2) | トラックバック(0) | AT使いのBB6 | 日記
2021年10月23日 イイね!

雨のBB6

雨のBB6日光の走行会後にオイル交換したら,またエンジンの調子が悪くなったので,診断してもらおうとショップに行ったら,オレさまFD2に「さっきAT使いのBB6が,先日の日光の車載を持ってきたんだが,そこの(ショップ置いてある)DVDプレーヤーで再生出来ねーんだよ!(何とかしろ!)」と言われました.

そんなん知らんがな・・・と思いつつ(苦笑),「ファイル形式が合ってないんじゃないの?」と聞くと,MP4だ!と言います.

「いや,だから,MP4じゃダメでしょ?」と言うと,「あん? MP4は動画ファイルだろ?」と返してきた後に「あー,Blu-rayならいいのか?(このプレイヤーが古いのがわりぃーのか!?)」と暴走し始めたので,「いや,だから,そうじゃなくて・・・」と説明しようとしたら,

「あー,もう何言ってんだか,わかんねー」
┐( ̄ヘ ̄)┌ メンドクセー


という顔をされてしまいました・・・.


お前から聞いてきたんだろ! (# ゚Д゚) ムッカー

と思いつつ,それを言っても仕方がないので,「はいはい.分かりましたよ.DVDの中身を取り出してYouTubeに上げておいてあげますよ.そうすれば見れるでしょ・・・」(´Д`)ハァ… と伝えると,

「おっ! じゃ,よろしく~」 (^-^)/~~

と話が終わり,やれやれ・・・と席に腰を下ろそうとしたら,

「ちなみに,明日までな!」
|ω・`)✧キラン


という声が聞こえた後,ブチッ!という音がしたような・・・しなかったような・・・.なぜか記憶が曖昧なので,その後何が起きたのかよく思い出せません(笑).

アクションカメラ等で撮影した車載を市販のDVDプレーヤーで見たい場合は,MP4ファイルをそのままDVDディスクに焼くのではなく,ちゃんと「DVD-Video」形式に変換してから焼きましょう!
(変換に使うソフトは「DVD Flick」とかが簡単で使い易くてオススメです)


・・・という事で,BB6の車載動画が 押しつけられて 手に入ってしまったので,興味深いシーンを切り出して見てみたいと思います.

まず,AT使いのBB6は先月のTC1000でタイヤ幅を205→215に戻していました.



これでタイム的にはまずまずだったものの,A052のフィーリングがイマイチしっくりこなかったそうです.その時の車載を後で見させてもらったところ,確かに215幅でもまだ耐荷重が足りていないようでした(内圧を250kPaまで上げた時の方がインフィールドでオーバーステアが出ていた).そうすると,タイヤサイズをもっと上げるか(235幅とか),ホイールのリム幅を広げて(標準+1.0J)タイヤを引っ張るかした方が良い気がするのですが,いずれもホイールを新調しないといけないので,安い買い物ではありませんね・・・.

AT使いは,TC1000よりもハンドリングが重要となる日光で再確認して,今後もA052で行くか? RE-71RSに戻すか?を考えていたようですが,生憎の雨でその確認が出来なかったようです.

個人的には,コチラの方(↓)と,



CVT vs ATの2ペダル対決を見たかったのですが,残念ながら別のクラスになってしまったので,目まぐるしく変わるウェットコンディションの条件下では性能差がよく分かりませんでした.数少ないチャンスだったのに,ホント雨がうらめしい・・・.


その雨ですが,日光の高速コーナー×雨という魔の手にBB6もハマったようです.



前を走っていたS2000がコースアウトしたので,8コーナーの進入で少し強めのブレーキングをしてしまったせいだと思いますが,クルン!とイン巻き気味にスピン.コース上で回ってどこにもブツからず,後続車との距離もあったのは良かったです.それにしても,スピンした後にUターンする際,ソォ~っと縁石から下りている辺りに冷静さが感じ取れますね.


さて,BB6が走っていたのは全体の真ん中Cクラスだったのですが,今回のウェットコンディションではS660(JW5)がピタリとハマったようで,クラスの上位を独占していました.ローパワーなので滑り易い路面でも踏み切れ,軽量なのでコントロール性も良く,MRなのにVSA(車両挙動安定化制御システム)のおかげで安定性もバッチリ!と,羨ましいくらい伸び伸びと走っていました.

そのJW5勢に切り込んで行くBB6の模様をここからはご覧頂きたいと思います.
ハイライトは,雨量が最も少なかった3本目です.

まずは,この時クラス総合2位につけていた23号車をロックオン!



この雨量であればBB6の方が有利なようで,クラストップに躍り出ます.

 1位 ・・・ BB6(24号車) 47.049
 2位 ・・・ JW5(25号車) 47.082 (+0.033)
 3位 ・・・ JW5(23号車) 47.898 (+0.849)


とはいえ僅差.湿気によるフロントガラスの曇りに悩まされ,一時スローダウンし,連続アタックとはいかなかったようですが,次はクラス総合1位の25号車の背後へ.



追っ掛けによりペースが一気に上がり,上位2台は46秒台の攻防へ.

 1位 ・・・ BB6(24号車) 46.375
 2位 ・・・ JW5(25号車) 46.525 (+0.150)


25号車が終盤ギブアップしたところで,最後にトドメの一撃.



このセッションはトップタイム(↓)で終えました!


(1位のFD2はプロの同乗走行なので,クラス外です)


12コーナーの脱出速度なんかを見ると,このJW5もかなり速かったように思えますが,9コーナー出口のBB6の踏みっぷりを見ると高速区間は圧倒していたようですね.残念ながらクラス別では25号車が1本目に45秒台を出していたため,BB6は最終的にはクラス2位に終わったようですが,それでも出走42台中9番手のタイムですし,ウェットコンディションの中で,かなり速かったのではないでしょうか.


以上,雨のBB6でした.

ウェットコンディションでは,タイヤのグリップを繊細に感じ取る能力が求められますし,BB6乗りの丁寧なドライビングが際立った日だったのではないかと思います.もうちょっとタイヤのキャパシティが増えればドライでも更に速くなりそうなので,今後が楽しみですね.
Posted at 2021/10/24 21:37:26 | コメント(0) | トラックバック(0) | AT使いのBB6 | 日記
2021年05月16日 イイね!

タイヤの負荷能力

タイヤの負荷能力先日のTC2000の走行会では,よく会うAT使いのBB6乗りがいたのですが,「RE-71RS→A052にスイッチしてからフィーリングが良くない」というので,話を聞きました.

A052はサイズ規定の許容誤差目一杯まで実幅を広げているので,ホイールが適正サイズのままだと剛性がが足りず,グニャグニャしたフィーリングになる事で有名です.周囲の人に聞くと「A052を使う場合は,適正リム幅に+1.0」というのが通説となっており,私自身もテストして同様の見解に達しました.

・・・で,BB6乗りにリム幅の件を聞いてみたところ,「ホイールは買い換えていない(現在7.5)」「17インチで最小のリム幅である7.0のタイヤを選んだ」というので,「ああ,215/45R17を選んだんですね?」と聞いたら,

「いや,205/45R17にした」

「なぜ,そこでサイズダウンをするー!(今までBB6は215/45R17を使っていた)」( *・ω・)っっ

と突っ込みを入れたところ,オレさまFD2から「同じ7.0を選ぶんだったら,タイヤの外径が小さい方がいいだろ?」とアドバイスされたからだそうです.そこで今度はオレさまFD2のところに行き,

「BB6の車重に205/45R17は,タイヤが負荷に耐えられないだろー!」(  '-' )ノ)`-' )ペシ

と突っ込みを入れたら,「BB6の純正タイヤは205幅だし,問題ねぇだろ!」と返してきました.ホントかなぁ~?と思ったので,ロードインデックスから205/45R17の負荷能力を求めてみる事にしました.


「ロードインデックス」とは,日本語で「荷重指数」と呼ばれるもので,タイヤサイズの横に書かれているものです(↓).


(ヨコハマタイヤ:表示の見方より)

この数値は,規定の条件下でそのタイヤが支えることができる最大負荷能力を示しています.


まず,BB6乗りに「どこで一番フィーリングが悪くなるのか?」と聞くと,「日光の6コーナー」との事.日光の6コーナーって,確かBB6でも右リアが浮いていたような・・・と思って写真で確認してみると,



やっぱり!

右リアが完全に浮いているという事は,右リアに掛かっている荷重が,対角線上の左フロントへ移動しちゃってるという事を意味します.やっぱり左フロントが負荷に耐えられていないんじゃないか?と思いつつ,このコーナーにおける左フロントの荷重を計算してみます.


BB6の車検証から,軸重を確認してみると,

 フロント:830kg   リア:460kg   トータル:1290kg

でした.軸重は2輪分なので,÷2して1輪分を求めると,

 フロント:415kg   リア:230kg

となります.続けて,BB6のフルブレーキング時の減速度をデータロガーで調べてみると「0.6G」でしたので,下記の式より


(VD講座:第1回 スプリングで荷重移動は変わるか?より)

ドライバーの体重を60kg,重心高を全高の1/3と仮定して荷重移動量を求めてみると,

 { 車重(1290kg) + ドライバー(60kg)} × 減速度(0.6) × 重心高(1315mm / 3) / ホイールベース(2585mm)
  = 137kg

これは2輪分なので,先程と同様に÷2して左フロント1輪に掛かる荷重を求めると,

 415 + (137 ÷ 2) ≒ 485kg

である事が分かりました.


次に,A052のサイズ表から205/45R17のロードインデックスを調べてみると,



「88W」だったので,JATMA規格に従ってロードインデックスを調べみ・・・ん? いや,ちょっと待て.
この☆マーク(↓)はまさか・・・.





エクストラロードじゃねぇか!


「エクストラロード(XL)」というのは,日本のJATMA規格ではなく,欧州のEXTRO規格に従ったタイヤになります.この「XL」の場合,通常よりも空気圧を高めに設定しないと許容負荷が下がる傾向にあるはずなので,BB6乗りに「内圧はいくつに設定していたのか?」と聞くと,

「フィーリングが悪かった時は220kPa.その後,250kPaまで上げたら改善した」

との事.それを頭に入れつつEXTRO規格でロードインデックスを調べてみると,


(ブリヂストン:空気圧別負荷能力対応表より)

220kPaの時は「450kg」,先程,求めた日光の6コーナーにおける左フロントの荷重は「485kg」と推定されますから・・・,

やっぱり,205/45R17じゃ負荷に耐えられねぇじゃねえか!(  '-' )ノ)`-' )ペシ

と突っ込みを入れておきました(ちなみに,250kPaなら「495kg」になるので耐えられますね).


続けて,オレさまFD2が主張する「BB6の純正サイズは205」に関しても調べてみます.

BB6の純正サイズは,正確には「205/50R16 87V」であり,こちらのロードインデックスは恐らくJATMA規格と思われるので,同様に220kPa時のJATMAロードインデックスを調べてみると,



「520kg」でした.これなら確かに耐えられますね.

・・・という事で,XL規格には注意しましょう!というお話です.


最後に,「じゃあ,次のタイヤはどうすれば良いか?」とBB6乗りに聞かれたので,とにかくロードインデックスを上げる事が必要.A052のリム幅の法則を考慮すると,なるべくリム幅が狭いものが良いでしょうから,選択肢として残っているのは・・・,

215/45R17 91W

ですね.ロードインデックスが「91W」なら,内圧220kPa時でも「495kg」まで耐えられますし,問題ないでしょう(BB6乗り曰く「250kPaはタイヤの熱ダレが大きいので嫌」との事).是非とも,次,日光を走るまでにコレを試して欲しいですね.

Posted at 2021/05/21 22:24:20 | コメント(3) | トラックバック(0) | AT使いのBB6 | 日記
2021年03月18日 イイね!

AT使いから学ぶRE-71RSの走らせ方

AT使いから学ぶRE-71RSの走らせ方AT使いのBB6が,今回を最後にRE-71RS→A052にスイッチするというので,先日のTC1000では,半年間RE-71RSに合わせて調整した最後の走行データを取らせてもらいました.

RE-71RSの特性に合わせて,どうドライビングを変えてきたのかを見るのにちょうど良いので,初めてRE-71RSを履いた時と最後にRE-71RSを履いた時(今回)の比較をしてみます.

サンプルにしたのは,以下のラップです.

【始めてRE-71RSを使った時】


【最後にRE-71RSを使った時】



なお,BB6は今回ブレーキパッドの銘柄を変更したそうで,



 (旧)EVO   ・・・ 摩擦係数:0.45 使用温度域:100~700℃
  ↓
 (新)Racing ・・・ 摩擦係数:0.48 使用温度域:100~850℃

ブレーキングの合わせ込みが必要だったと思いますが,データは3本目のものなので,ここでは合わせ込みは十分出来ていると判断して見てみます.


では,細かく見ていきます(赤:今回 青:前回).

ホームストレートエンド





今回の方がブレーキングの開始ポイントが19m手前のようです.ブレーキの制動力が上がっているのに開始ポイントが手前なのは,進入速度の差(赤:124km/h 青:120km/h)だと思われますが,次の1コーナーを見ると走らせ方を変えている可能性がありますね.


1コーナー





今回(赤)の方が途中(91km/h付近)でブレーキの踏力を弱めているにも関わらず,立ち上がりでは外側にそれほど膨らんでいません.加速するタイミングも前回(青)とそれほど変わらず,全体的に旋回速度(ボトム)を引き上げられているようです.奥まで突っ込んで,1発のブレーキで止めて,フロント荷重を最大限引き出して強引に向きを変えるより,進入速度を抑えてでも,手前・手前から向きを変えて行って,フロント荷重を弱く・長く維持する方が良いという事なんでしょうね.このセクションだけで0.2秒のゲインを得ています.


2コーナー出口





1コーナーの出口できちんと向きを変えられているおかげで,2コーナーは全開.これによりスピードが伸びて,今回(赤)の方が進入速度は4km/hほど高いようです.2コーナーでは若干タイヤがゴリゴリ言っているようですが,クルマは前に進んでいますし,縁石にも寄れていますし,やはり1コーナーのアプローチはアレで正解なんでしょうね.


1ヘア





1ヘアのブレーキング開始ポイントは,今回(赤)の方が10mほど手前ですが,これは進入速度の差でしょうね.個人的に車載を見ていて気になったのが,1ヘア立ち上がりのタイヤのスキール音だったのですが,ロガーデータで見るとタイヤは滑っていないようですね.この辺りは17インチと15インチの差という事なんでしょうか(ヨレが少ない).

なお,タイヤのスキール音が気になったので,ブレーキリリースのタイミングを見てみたのですが,今回(赤)の方が前回(青)よりも5mほど手前でした.これだとフロント荷重が早く抜けちゃいますし,結果,立ち上がりで外側に膨らんでしまっている点を踏まえても,若干ブレーキのコントロール性は下がっているのかなぁ~?と思いました(パッドの効きが強過ぎる).1ヘアは短く・強く止める部分とフロント荷重を長くキープする部分を両立させないといけないので,やっぱり難しいですね(だからこそ,腕の見せ所でもあるのですが).


インフィールド





ここは走らせ方を大きく変えてきましたね.前回(青)は比較的大きなRを描いた旋回速度重視.今回(赤)はイン-イン-インの距離重視の走らせ方です.結果を見ると,今回の方が0.2秒遅いので,BB6の場合は旋回速度重視の方が合っているようですね・・・.


バックストレッチ上げの左コーナー





今回(赤)の方が旋回速度が4km/hほど高いですが,これはエンジンパワー(外気温)の差かな?と思います.気になるのは今回(赤)の103km/h付近の失速ですが,どうやらこれはシフトアップした瞬間のようですね.コーナリングしながらシフトアップが出来るのがATのメリットだと思いますが,この失速はちょっと勿体ない感じ.2速キープだと洗濯板まで届かないので仕方がないですが,左コーナーに入る前にシフトアップするのと,入った後にシフトアップするのとで,どちらがロスが少ないか? 比較してみたいところです.


最終複合





ここも大きく走らせ方が違いますね.今回(赤)は大きなRをとって旋回速度重視の走らせ方に変えた・・・ようにも見えるのですが,実際は「変えた」ではなく,「変わってしまった」なのかな??

洗濯板進入のブレーキングを見ると,90km/h付近で踏力を弱めているんですよね.これによって洗濯板を下りた後の速度が高く,姿勢制御用に少しアクセルを入れているのだと思いますが,ボトムが高いところにアクセルを入れてしまったので,アンダーを引き起こしただけなのかな・・・?とも思えます.アクセルをチョンと入れた後,向きが変わるまでの"待ち"の時間も大分長いですし,タイム的にはゲインは得られていないですね(厳密には前回よりも僅かに遅い).


最終コーナー





前述の複合部分ではゲインが得られていませんでしたが,最終コーナーに限っていえば,先程の大回りは功を奏していますね.最終コーナーに対して,今回(赤)の方が浅い角度で進入出来るので,途中でタイヤのグリップを使い切って失速する事もなく,スムースに立ち上がっています.これがホームストレートスピードの伸びに繋がって,ゴールラインまでに0.18秒のゲインを得られていますから,最終の複合を大回りで走る事も,あながち間違いとは言えないのでしょう.


以上を纏めると,RE-71RSの特性を活かすには「高い旋回速度を維持する」走らせ方が良さそうですね.ここ数年「ボトムを落としてでもしっかり曲げる」走らせ方が流行っていましたが,それとはちょっと違うようですね.個人的には「RE-71Rと同じだと思って,RE-71RSを使うとハマる」と思っているのですが,その裏付けが取れたようで納得です.

ちなみに,走行後のタイヤカスは,こんな感じ(↓).



帰りの高速走っても,ほとんど取れてないんですから,このピックアップの酷さを踏まえると,A052の方が使い易いんじゃないかなぁ~と思います.



AT使いが選んだA052のタイヤサイズは,随分と思い切ったチョイスのようですが,さてこの選択がどう転ぶか,今後の走行が楽しみですね.
Posted at 2021/03/22 22:16:04 | コメント(0) | トラックバック(0) | AT使いのBB6 | 日記

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「[整備] #CR-X フロントスプリング交換 https://minkara.carview.co.jp/userid/1684331/car/1250119/7767117/note.aspx
何シテル?   04/26 23:09
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