またも
ハンデ戦で敗北を喫したTC1000ですが,この日の主目的は新しいダンパーのテスト.まだまだ美味しいポイントを掴み切れていないので,減衰設定を色々振って探ってみました.
前回は,減衰設定を13段戻し←10段戻し→7段戻し→4段戻しにして試してみたところ,13段戻しは姿勢変化が大き過ぎてNG.4段戻しはリアのリバウンド(伸び)スピードが足りずNGとなりました.このため,美味しいポイントは4~7段戻しの辺り・・・というところまで掴めました.
そこで,今回は前後共に「6段戻し」の状態からスタート.前回の「7段戻し」との違いを探ってみました.
結果は,1コーナーでオーバーステアが発生.
(エイペックスに向かっているのに,ステアリング位置がニュートラル・・・)
こもりん.さんに撮影して頂いた後方からの映像を,目を皿にして見てみると,
左リアが沈み込んでしまっており,右フロントも完全に伸び切っている様子が窺えます.残念ながら肝心の右リアの状況はこの映像では判別がつきませんが,今回の車高調はフロントよりもリアの方がストロークが短いので,恐らく浮いてしまっているのでしょうね・・・.
「これじゃ,タイムは出ないなー」という事でピットに戻り,リアの減衰を1段階更に弱めました(7段戻し).
これでリアは前回と同じ減衰なので「今度は大丈夫でしょー」と走ってみると,
まだ若干オーバーステア傾向な気が・・・.
そこで,いつさんに撮って頂いた外撮りの映像で確認してみると,
ああ,やっぱり! フロントの切込みよりリアの流れ出しの方が僅かに早いですね・・・.「前回はこれで大丈夫だったのに,今回はダメかぁ~」と思いつつ,これがフロントの減衰設定1段分の影響だとすると,
「このダンパー,フロントの減衰力がかなり強い設計だな・・・」 ( ̄‐ ̄)ウ-ム
と思いました.
これで1本目が終了し,続けて2本目.
リアのバランスを取るために,更にもう1段階減衰を弱めて試してみます(8段戻し).
これでようやくバッチリ! リアのリバウンド(伸び)スピードを踏まえるとリアは「8段戻し」が限界(これ以上固く出来ない)のようですね・・・.すなわち,12/20段以上(上1/3)は使えないという事ですから,
「リアも相当減衰力が強いぞ・・・」
(´⌒`;) ウ-ム
と思いました.
一先ず,リアの限界点は見いだせたので今度はフロント.
一旦ピットに戻って,更に減衰を3段階強めてみます(3段戻し).
結果,こういう動きになりました(↓).
フロントの減衰が強過ぎて,一度フロントを沈めるとブレーキを完全にリリースしてもダイブした状態(フロントが沈み切った状態)から戻って来なくなりました.
この結果,ブレーキを完全にリリースし,ターンインを始めてもフロントの荷重が抜けないため,フロントが勝手にグイグイ切り込んでいきます.これにリアがついて来れれば恐ろしく曲がるクルマになるのですが,まだちょっとバランスが取れてないですね・・・.また,ステアリングレスポンスも良く,トラクションもしっかり掛かりますが,コーナリング中に外輪のフロントタイヤに掛かる負担がかなり大きいようで,走行後にタイヤの表面温度を測ってみると完全にオーバーヒートしていました.このセッティングのままだと,もしかしたら205幅ではキャパシティが足りなくなるかもしれません.
ただ,フロントの切込みにリアがちゃんとついてきさえすれば,FFなのにアクセルを踏みながら曲げる事も出来るようになるため,これを応用して,こんな事(↓)も出来たりします.
こんな感じでアクセルを開けながら曲がるシチュエーションであれば,コントロールの幅が広がるのでメリットは大きいですが,アクセルを開けられない,ブレーキング~ターンインのシチュエーションでは,かなりのオーバーステア傾向になるため,慣れないと扱いづらいですね.それと,メカニズムがまだ良く分かってないのですが,この減衰設定だと1ヘアのブレーキの効きも良くなる副次効果もありました.最初,2本目でエンジンがパワーダウンしたせい(進入速度が落ちたせい)かな?とも思ったのですが,ロガーで見ると0.6km/hくらいしか違わないので,フロントの減衰を強めた事が影響しているようです.これに関しては別途調査します.
ともかく,このダンパーは,
アクセルを開けながらターンする事
を前提にしたバランスで設計されているような気がしますね.
( ´゚д゚)ン?
フロントの減衰を強めると沈んで返って来ない・・・?
リアの減衰を強めると浮いて返って来ない・・・??
アクセル踏みながらターンしろ・・・???
ハツ!Σ(゚∇゚;)!!
コレ,ジムカーナのパイロンターンの考え方じゃないのか!?
そう思って,ジムカーナの足の特徴を調べてみると(↓),
(Motorz:
何がどう違うの?ラリーやレースの足回りセッティングについてより)
ああ,やっぱり.ジムカーナでは,すぐ縮んで・なかなか伸びない足が好まれているみたいですね.
(=ダンパーはそれに合うように設計される事が多い,という事)
そうだよなぁ~,今時,EF8用の車高調をこんな低いバネレートでオーダーしたらジムカーナ仕様になるよなぁ~.
さてさて,ここからどうやってサーキット仕様に寄せていくか? このままだとTC2000の最終なんて,おっかなくて走れない気がするので,外撮りして頂いた画像を眺めつつ,対策を考えていきたいと思います.
Posted at 2021/08/29 17:51:26 | |
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セッティング(ダンパー編) | 日記