約3ヶ月の作業期間を経て、ついに完成しました。
まずは
前回ブログから完成までの作業について少し触れます。
前回の宿題となっていたスクリーンタープ。
目標はナイロン製の屋根などに自然なシワを表現することです。
試作第1弾は、パテで型を作り、その上にティッシュを被せ、水溶き木工ボンドで固めてから型を外すという方法でしたが、見事失敗。
次に第2弾では、極細針金で枠を作り、その上にティッシュを被せ、水溶き木工ボンドを霧吹きで吹いて形を整えるという方法です。
発泡スチロールの上で組むことにより、形を安定させるようにしました。
さらに側面のメッシュ部分は、ガーゼマスクのガーゼを墨汁で黒くして使います。
こうしてできたのがこちら↓
全体の形状は悪くありませんが、シワの表現が…
ということで第3弾は、霧吹きをやめて、骨とティッシュをタミヤクラフトボンドで留め、そのまま塗装するという方法。
これはまずまず成功しました。
画像は後ほど。
次にフィギュア。
今回はベースにハセガワの「1/72アメリカ空軍パイロット&グランドクルーセット」を使います。
座った状態にするか立った状態にするか悩みましたが、ジオラマ全体の立体感を出すためには立った状態のほうがよいだろうと考えました。
まずはキットの状態から衣服に付いている装備品を削り、服のシワを彫り直し、その上からシャツの襟やボタン、ズボンのポケットを紙で作り、腕時計を装着し、髪型をパテで整えました。
こうしてできたのがこちら↓
座った状態は試作品です。兄弟ではありません(笑)
完成品には眼鏡をかけさせ、左手にビールを持ち、首を斜め上に向けるよう角度を変えてあります。
ちなみに眼鏡のレンズは、納豆3個パックの包装PETの透明部分を使っています。
プラバンと違って、切断時に白化しないので便利ですね♪
あとは小物類をちまちまと…
そしてようやく完成です。
ではご覧頂きましょう!
舞台は岐阜県郡上市にある和良川公園オートキャンプ場18番サイト。
季節は晩夏。
時間帯は夜。
昼間をキャンプ場でまったりと過ごし、夕方辺りからビールを片手に夕飯を食べ、夜になって焚き火を楽しみ、月が没した頃を見計らって星空の撮影をしようとしている。
そんな場面を考えて作りました。
情景からゆっくりとした時間の流れを感じてもらえたら嬉しいです。
細部を見ていきましょう。
シャトル周辺には18番サイト脇にある石畳を配してあります。
石畳には現地同様、オオサンショウウオの模様が施してあります。
その周辺には岩のオブジェ、さらにその向こうに小さく立っている電源ボックスも、それぞれの配置場所も含めて現地取材どおりに作ってあります。
電源ボックスは裏面も実物に忠実に作って軽くウェザリングし、周囲の色合いとマッチングさせました。
人物はザク違本人です(笑)
晩夏なのでシャツは腕まくりをしていて、腕時計が見えるようになっていますし、普段使いの眼鏡も再現し、あごひげも塗装で表現しました。
左利きなので缶ビールは左手に持っています。
置いてある薪は爪楊枝から作り、炎はテーブルの角につけるコーナーガードの透明なものから削り出し、クリアレッドを塗りました。
フィギュア後ろのデジイチ+三脚は、このジオラマの隠れた主役ですね。
スクリーンタープは三度目の正直で作ったものを使っています。
画像では分かりませんが、屋根のシワが自然に表現できたので、試作を重ねた甲斐があったと思っています。
たくし上げたメッシュ部の垂れ下がりは、1mmアルミワイヤーを芯にしてメッシュを巻き付けてから曲げることで表現しました。
タープ内部にはキャンプグッズを多数配置してあります。
折りたたみテーブル上には、LEDランタン、シングルバーナーとその箱、包丁まな板、コッフェル(ナベ)、そして缶ビール(サッポロ黒ラベルw)。銀マット2枚の上にはグッズを入れるカバン、レシピ本2冊、ゴミ袋、クーラーボックス、新聞紙、コッフェルの箱。
タープを支えるロープはミシン糸で、ペグは0.28mmステンレスワイヤーで作ってあります。ポール側にロープを接着し、その反対側にペグを接着してからペグを地面に突き刺すと、ご覧のようにピンと張ったロープが再現できます。
タープにかぶさるように生えているのは栗の木。樹形は現地のものに似せてあります。
木の根本は石で囲んであり、その内側に砂をばら撒いてあります。
タープのメッシュ裾のランダムなシワが、うまく表現できたと思っていて、かなり気に入ってます。
このあたりも実物に忠実に(ry
なおジオラマのバックボードは両面に写真が貼ってあります。
星空ともう一方は現地近くの風景です。
差し替えることで、一つのジオラマで昼と夜の両方を再現できます。
ちなみに星空、風景とも私が現地で撮影したものを使っています。
そして売りの一つである電飾。
焚き火の日を灯すと…
いかがでしょう。
焚き火はキャンプの醍醐味の一つ。
赤く燃え盛る炎を見ていると、都会の喧騒など忘れてしまう…
そんな情感が伝われば、このジオラマは大成功です。
【製作の感想】
一言で言えば「満足度はかなり高い」です。
ディーラーでもらったミニカーをどう活用するか?から始まった製作ですが、場所を和良川公園オートキャンプ場としたことで、一気にイマジネーションが膨らみました。
同キャンプ場は子供たちの小さい頃から毎年必ず行っている思い出深い場所。そしてキャンプと星空撮影と流れ星観測は、今の私には模型工作と並ぶライフワークのような存在。
その場面をジオラマで再現する行程は、現地取材旅行も含めて本当に楽しめました。
思えば今年前半に作った浜岡砂丘のジオラマも似たような経過を辿っています。
こうした視点からのジオラマ制作もいいものだなと思いました。
もう1つ。今回のダブルヘッダーから「試作を行い、なるべく妥協しない」ことをテーマにもしています。
これまではある程度の出来になると「ま、いいか」で完成させていましたが、いわゆるザク違クオリティ=低レベルは妥協の結果の必然だったとも思います。
粗製濫造も否定はしませんが、自分の中での完成時に対する満足度を考えると、やはり妥協は最小限にしてじっくり構えるのが吉だと、改めて思いました。
実はこのジオラマ、ある野望を秘めています。
満足のいく作品を手元に置いておきたい気持ちもありますが、せっかくなら多くの人に見てもらいたい。
そのため、来年夏前に同キャンプ場に行って、受付カウンターに置いてもらえないか、交渉するつもりです。
さて、受けてもらえるかな…
蛇足ですが、これまでの経過をまとめました↓
・
ジオラマ・ダブルヘッダー
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ジオラマ・ダブルヘッダー (シャトル編)
・
ジオラマ・ダブルヘッダー (シャトル編その後)
・
ジオラマ・ダブルヘッダー (シャトル編その4)
また、↑のブログに載せていない画像や追加の説明は、↓のフォトアルバムに載せました。
・
シャトルキャンプジオラマ(制作編その5&完成編)
Posted at 2018/12/26 22:20:26 | |
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