重たい話ばかりの続いたダークツーリズム編でしたが、今度はポジティブな話を。
今回の主目的地の1つが茨城県のつくば宇宙センターです。
2016年2月にJAXA相模原キャンパスは行っており、5年前のWロケット発射場ツアーでは、鹿児島県内之浦と種子島の発射場を見学しました。国内最大のパラボラアンテナ(臼田、美笹)も行きました。しかし国内ではやはり筑波が中心。以前からいつかは行きたいとずっと思ってきました。
我が家から現地までは片道400km。しかもその途中に複雑極まりない迷路・首都高速があります。実は私、この歳になるまで首都高バージン。途中のSAで長めの休憩をとって、深夜0時過ぎに首都高突入!
この時間でもこんなに混んでるの!?と思うほど車の数が多く、しかも短距離の間に次々と分岐が来ます。その都度車線を適切に選択しながら、ナビを確認しながらの深夜ドライブは滅茶苦茶神経を使いましたorz
しかし苦労した分、筑波では気合い爆裂!
決して派手ではない入口を入っていくと正面にJAXAと大書された高層ビルが!
そしてその手前にはH2型ロケット(本物)が!
このショットは映えますね~。
「宇宙兄弟」でも六太たちがこの角度で集合写真を撮ってました。
せっかくここまで苦労してきたなら、やはり場内案内ツアーを申し込むべし!
種子島でもそうしており、実際JAXA職員を質問攻めにした履歴があります(笑)
そして受付へ。
ガーン(꒪⌓꒪)
事前リサーチが不足していましたorz
仕方ない、展示館を眺めて帰るか。また機会があれば来ればいいし。ということで次に訪れたのがプラネットキューブ。
中に入ると…
おーっ、相模原より規模が大きい!展示の数が多い!来客数がたくさん!
興奮を抑えながら順路最初の方の人工衛星を見ていると、すぐ向こうに人だかりが。よく見ると場内案内ツアー(無料)でした。
こりゃ好都合ということで、早速輪の中に入って拝聴します。
そこで聞けたことの一部を紹介しましょう。
・人工衛星表面に貼り付けられた金色の素材はサーマルブランケットと言うが、断熱素材を20枚くらい重ねたもの。これは衛星本体とマジックテープで留めてある。宇宙には空気抵抗がないのでその程度の接続力でも外れない
・3.11の東日本大震災時には携帯電話での通信が必要だったが、地上携帯基地局が壊滅状態だったので、衛星経由で電波を伝えた。ただ携帯の電波は微弱なので、衛生の受信アンテナを半球状に大きく広げた
・ISS(国際宇宙ステーション)でのコップ1杯の水の価格は30~40万円。現在ではおしっこも濾過して飲水に再利用している。それまでは宇宙に放出していたが、放出直後に氷になって飛散するのでキラキラ光っていた。当時これが何か分からず、「宇宙ホタル」と呼んでいた。なお大は放出するとデブリとなって衛星を破壊するので地上に持ち帰るか、他のゴミとともに大気圏に突入させて燃やす
・HTV(こうのとり)のペイロードのうち与圧部は、現在は全体の一部のみだが、ロシアISS撤退により輸送機が無くなるので、HTV与圧部を拡大する計画あり
・世界のロケット発射場は出来るだけ赤道近くに作っている。これは地球の遠心力も利用して打ち上げるから。日本の発射場が沖縄に無いのは、沖縄返還前に建設したから
・展示している衛星は全てフライトモデル。即ち打上げ用衛星がトラブルで使えなかった際の予備機。本機打上後の予備機は本機のシミュレーターとして活用される
・当初に開発した衛星は、機体を回転させることで姿勢制御していた。現在はスラスターやリアクションホイールを利用
・どの衛星も実験的な要素が盛り込まれている。きく5号の場合は機体の分離と再合体の試験。この成果をHTVへ活用した
・折り畳んで格納されていた太陽電池パドルが何らかの理由で開かない時は、衛星をスピンさせて遠心力で引っ掛かりを取る方法もある
・N型ロケットは元はアメリカのICBMなので図面を見るななどの制限が非常に多くてうるさかった
・ドラマ「下町ロケット」の帝国重工のラボの撮影のため、展示してあるロケットエンジン・LE7を持っていった。その間、そこには写真パネルを置いた
・H3ロケットのLE9(新型ロケットエンジン)はなんとか年度内に打上げたい!
他にもたくさんの話を聞きました。あまりにも楽しかったので、一通り聞いたあと、次の回にも参加しました(笑)
この手の説明は説明者によって力点の置き方や切り口が変わるので、説明者の数だけ参加出来れば完璧です。
今回は1人目の方は地球温暖化について熱弁されていましたし、2人目の方はISSを多めに解説してくれました。説明中、参加者からは「へー」「そうだったんだー」などの声が聞こえてきます。そして説明が終わると参加者全員から万雷の拍手。
そしてその後も参加者から説明者への質問攻撃。見ると、どの参加者もすごく楽しそうで、目がキラキラ輝いているんですよね。
宇宙はロマンだ、などと言いますが、こうした光景を見るとそうなんだろうなーという気もします。
ただ一方で地球温暖化対策、自然災害への対応、無重力空間の活用検討など、様々な現実的な課題への解も具体的な成果として求められます。NASAに比べると遥かに少ない予算で、数少ないプロジェクトにできる限りの実験要素を盛り込んで少しずつ前進し、JAPANスペーステクノロジーと言えるような独自のノウハウを今後も蓄積していってほしいものです。
なんてことを考えながら展示館を後にして、物販コーナーへ。いろいろ目移りしましたが、JAXAのロゴが入ったTシャツとポロシャツを買いました!
ここまででつくば宇宙センター見学は終了ですが、宇宙ネタをもうひとつ。
旅程はこの翌日に東京、その次の日に静岡へ行く予定でしたが、台風15号により静岡県内の高速が通行止めになってしまいました。やむなく中央道経由で帰ることにしましたが、せっかくならどこかに立ち寄りたい。
実はつくぱの展示の中に長野県佐久郡美笹にある54mパラボラアンテナの説明がありました。既に全ての工事が終わったとのこと。こうした施設でよくあるのは小規模な展示施設の併設です。同じ佐久郡の臼田宇宙線観測所(64mパラボラ)などでは写真入りのカードを配っていたりします。ということで現地へ。
途中、渋滞に巻き込まれながらもお昼頃に到着。些か曇りがちではありましたが、愛車イフリートカスタムとのツーショットが撮れました♪
しかし残念ながら展示施設は無しorz
時間があればコーヒーを沸かしてパラボラを見ながら飲むというのもやってみたかったのですが…。
その夜は最近お気に入りの大博士キャンプ場で1泊。夜半までは雲で星空は望めませんでしたが、夜中にトイレに起きた時には冬の代表的星座・オリオン座がキレイに見えました♪
ということで宇宙編おしまい。
国内のメジャーな宇宙関係施設は粗方見学できました。残るは北海道大樹町のスペースポート(宇宙港)かな(爆)
Posted at 2022/10/08 19:10:22 | |
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