• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

ザクとは違うのブログ一覧

2020年07月26日 イイね!

1/144旧キットズゴック、製作再開

楽しかった艦船製作ですが、いったん一休みしてガンプラ製作に戻ります。
キットは長らく積んであったズゴック。
ご記憶の方もいらっしゃるかもしれませんが、約7年前に途中まで作った後ずっと放置していたものです(前回↓)
1/144旧キットズゴック製作中 だけど・・・

この時は関節にアルミワイヤーを仕込んで可動させるという計画でしたが、楽しくて何度も動かしているうちにポッキリ。
一緒に心も折れました(笑)
しかしいつまでも積んだままというのもアレですし、ジオラマのネタも思い付いたので、満を持して(?)製作再開です。

前回までの進捗状況↓

ここまで来るのに2ヶ月ちょっとかかっていたようです。

まずは足から工作します。
足首稼働のためポリキャップが仕込んでありますが、経年により固定が外れたりしたのでエポパテで補強↓

こういう作業をマメにしておかないとドズル中将に「ふんっ、7年前と同じだ。何の補強工事もしておらん」と怒られますからね(笑)

ザク違クオリティゆえ表面処理も非常にいい加減なので、とりあえず傷や隙間をパテ埋め&ヤスリがけ後、さらにサフ吹き&やすりんぐ(ヘタレモデラーなので800番まで!)。
このまま塗装に移ってもいいのですが、ちょっと寂しい…。
ということで、膝アーマーの角度を変えます。
キットでは先端が少し前に出ていますが、それだと水の抵抗が発生するので、足のラインと平行になるよう後ろに引っ込めます。
その際の形状を以下の2パターン考え、石粉粘土で試作しました。

右足版だと左足版より少し高くなって若干大げさかなと感じたので、左足版を採用。エポパテで形状を整えます。


とりあえず今回はここまで。
ガンプラ製作はムサイベース輸送艦以来約7ヶ月ぶり、MSは昨年のゴックの日(5/9)以来の約1年2ヶ月ぶりです(笑)
久々のMS製作の感想は
「艦船に比べてパーツがでかい!」
ですね(笑)
自由度の高いガンプラと実物のある艦船ではそれぞれ全く別の技術を必要とされるので、ちょっと新鮮な気分で制作することが出来ています♪

ただ、その裏で「艦船作りたい病」が疼いてたりして…(汗)
いやいや、まずはズゴックを完成させます!
Posted at 2020/07/26 21:28:12 | コメント(5) | ガンプラなど | 趣味
2020年07月23日 イイね!

竹ジオラマの微調整

先日完成した駆逐艦竹のジオラマ。
自分の全力を出し尽くして作ったのですが、大きな心残りが一つ。
水柱です。

艦船は可動部分が少ないことなどから、ジオラマ化しても動きを感じる場面設定はなかなか難しいです。
そこで考えたのが「弾着水柱のLED点滅」。
しかしこれは賭けでした。
というのは水柱をリアルに作る自信がなかったので、無理に作るとジオラマ全体をぶち壊してしまうのではないか、と。

残念ながらその通りになってしまったと感じています。

点滅システム自体は物珍しいことも含めて目を引いたようですが、むしろそちらにばかり目が行って肝心の竹が霞んでしまったような…。
しかもその形状もイマイチリアルさを欠いています。

全体の形状が不整形であるとともに、水面から突然立ち上がっている印象を受けます。
ということでちょっとだけ手を入れました。

根本あたりに綿を追加し、全体の形状を整えました。
修正前より多少は良くなったかな。

作品の撮影も再度やり直しました↓

前回撮影時に比べ0.7EV減感させたので、グレーがより濃く表現されました。
さらに工作箇所のキャプション入れ↓



キャプションを入れながら思ったのは「そうそう、ここは調べまくって作ったよなぁ」とか「ここは工作に苦労したんだよね」とか「この工作は大変だったけど、やっただけの効果があったなぁ」とか。
改めて自分の作品を振り返ると工作中のことがいっぱい思い出されて、ますますこの作品への思いが深まりました(笑)

実はこの作品の密かなお気に入りポイントがこちら↓

船によってかき乱された海水が緑色になった部分は海の深みを感じられ、また海水の断面を白で塗った部分も、海の深みを表現できた気がしています。

さすがに水柱撤去はできませんが、できることはやったという感覚を改めて持つことができ、キャンプジオラマとともにお気に入り作品の仲間入りをさせることができました♪


この作品についてはもう一つエピソードが。
今回の作品はとある模型サイトにも発表したのですが、そこで出会った方が艦船模型の達人で、その方からこの作品を高く評価してもらうことが出来ました。
調子に乗ったザクとは違うは、その方に艦船に関する疑問をいくつかぶつけたところ、一気に意気投合。コロナ収束後にはオフりましょうという話まで出ました。
これまで私の周りに艦船のことを深く語り合える仲間は極めて少数でしたが、この方との出会いは大きいかもしれないと感じています。

いろんな意味で思い出深い作品のひとつとなりました(^^)
Posted at 2020/07/23 16:12:57 | コメント(7) | 艦船模型 | 趣味
2020年07月18日 イイね!

駆逐艦竹、完成しました

約5ヶ月半という長い時間をかけ、ようやく完成しました。
完成画像をご覧頂く前にジオラマの場面設定について少し触れたいと思います。

1944年12月2日、太平洋戦争の主戦場はフィリピンに移っており、島で戦う陸軍へ海軍の船が物資を輸送することが繰り返されていました。名付けて「多号作戦」。
同作戦は第10次まで続き、竹は第3次、第5次、第7次に参陣しましたが、ジオラマは第7次作戦のいち場面を再現したものです。
7次部隊は駆逐艦桑と竹、そして第9号、第140号、第159号輸送艦の計5隻編成でした。道中の空襲をくぐり抜け、夜間にオルモック湾に到着し物資陸揚げを開始。その時米新鋭駆逐艦3隻が接近してきました。

まず護衛の桑が戦闘を開始しましたが、戦時急造型の桑では装備の整ったアメリカの大型駆逐艦3隻に太刀打ちできず僅か9分で撃沈されます。
残った竹は輸送艦を守るため駆逐艦群に向かい、右回頭中に93式酸素魚雷を2本発射、そのうち1本が駆逐艦クーパーに命中し轟沈させました。
これに驚いた米軍は戦場を離脱、竹と輸送艦3隻は無事マニラ湾まで帰投することができました。
これが日本海軍自慢の93式酸素魚雷による最後の敵艦撃沈です。

という戦いの魚雷発射の瞬間をジオラマ化するというテーマです。
それではいよいよご覧頂きましょう↓









魚雷は「腹打ち」を避けるため回頭中に傾いた状態から発射するとのことだったので、右回頭中で左舷に5°傾けてあります。
その日は北(艦尾)からの風を受けながらの戦いだったようなので、波を作る際に意識しました。
また当日(12/2)は満月でした。

ジオラマ背景に天の川が写っていますが、あくまでも雰囲気重視の場面設定です。ただ背景があると「夜戦感」は増す気がしますね(^^)
構図の基本の一つに「三角形を作る」というものがあるので、ジオラマでは竹を斜めに配置するとともに、ウェーキ、後楼、前楼、水柱の順に高くなるようにしました(12.7cm砲弾では実際の水柱はもっと小さかったと思われます)。なお水柱は点滅LEDを仕込みました。


竹各部ごとの細かい説明はこれまでの製作記で触れてきたので、再び触れません。ここではこの作品を作った感想を記しておこうと思います。

近年、艦船モデルは精密化の一途を辿り、とても1/700とは思えない詳細な表現も多く見られます。私の作品はそうした作品群には遠く遠く及びませんが、唯一自信を持てそうなのが「考証の正確さ」。
入手できるありとあらゆる資料を漁り、コピーした図面には無数の書込みを入れ、様々な写真を繰り返し何度も観察し、それでも足りない部分は極力合理的と考えられる推測で補いました。創作はドラム缶のみです(笑)

完成の瞬間、
 ・今の自分の力を出し切った
 ・予想以上の完成度に達した
 ・連日の細かい作業で視力が大きく落ちた(笑)

と感じました。

前回WLキットを作ったのは学生の頃。当時はまだ今ほどの精密工作をする風潮はなく、元々のWLシリーズの趣旨であるコレクション性を重視した製作が主流で、WLコンテスト等を通じて少しずつ精密工作化が進んでおり、各出版社から図面やイラストなどを含む様々な資料が充実し出した時期でもあり、言わば過渡期だったと思います。
時を経た現在は艦船に関する研究も進み、新たな資料も多く公開され、それらをネットで容易に確認出来る時代。キットのモールドも進化しましたし、アフターパーツも大幅に充実しました。
そんな大きな違いがあれば、当時の私と作品レベルが変わるのは当然です。
(参考画像↓:下が当時の作品)

当時も今回使ったものと同じ図面を使っており、小さな構造物などは図面通りに配置されているので、当時の自分もけっこう頑張ってたんだなと思います(笑)
ただ今回の場合、正面線図を元にした艦首形状修正や各装備の役割や構造の理解、自身初のエッチングパーツ導入による更なる精密化という「進化(深化)」が実行・実現できたのは大きな収穫でした。
無論やり残したこともありますが、小さなことばかりです。

久々のWLモデル製作は想像以上に楽しく、時間を忘れてのめり込むほどで、昔の自分を取り戻したような錯覚に陥ることさえありました。50代になって気力体力とも落ち込みが激しいと感じていますが、俺にはまだこれだけの力が残っているのか、みたいな(笑)
しかし視力の落ち方がかなり大きいと感じているので、WL製作はいずれまたということにして、いったんガンプラに戻りたいと思います。



※最後にこれまでの製作記(全18回)を振り返ってみたいと思います。

松型駆逐艦・竹(キットのチェック編)
松型駆逐艦・竹(滑り止め甲板の検討など)
松型駆逐艦・竹(資料収集と滑り止め甲板製作など)
松型駆逐艦・竹(滑り止め甲板完成&艦首の修正)
松型駆逐艦・竹(魚雷運搬軌条の設置&艦首付近の製作)
松型駆逐艦・竹(中央機銃台&続・艦首付近の製作)
松型駆逐艦・竹(煙突の製作)
松型駆逐艦・竹(舷側と後部甲板室の製作)
松型駆逐艦・竹(艦橋等の製作・海面の試作)
松型駆逐艦・竹(艦橋の製作その2 など)
松型駆逐艦・竹(艦橋と一番主砲の製作)
松型駆逐艦・竹(ジオラマベースの製作)
松型駆逐艦・竹(魚雷発射管と二番主砲の製作)
松型駆逐艦・竹(続・ジオラマベースの製作)
松型駆逐艦・竹(各部のディテールアップ)
松型駆逐艦・竹(ジオラマベースの製作・最終回)
松型駆逐艦・竹(艦体各部の製作・最終回)
松型駆逐艦・竹(塗装について)

駆逐艦竹 製作資料集
Posted at 2020/07/18 20:13:10 | コメント(9) | 艦船模型 | 趣味
2020年07月14日 イイね!

松型駆逐艦・竹(塗装について)

製作の最後に、塗装について語りたいと思います。

まずは艦体色ですが、今回は佐世保工廠色で塗っています。
竹は横須賀で竣工し呉に移動した後、フィリピン方面へ派遣され、そこでオルモック輸送を行っています。
艦船の塗色は経年劣化すると塗り直されますが、その際は必ずしも竣工した工廠色で塗られるわけではないようです。
竹の場合、呉にいた期間中に塗り直されていれば呉工廠色となるわけです。

ならば佐世保カラーはおかしいのでは?
はい、おかしいです。
今回の塗色は完全に私の好みで選択しました(笑)

主砲周囲にある円形の操作フラットは木製だったようです。
上空からの視認性を低くするためには木を軍艦色で塗るほうが良いと思われますし、そのようにしている作例も見受けられます。
しかしここもあえて私の趣味で数種類の茶色で塗り分けました。理由は「戦艦や空母の木甲板も迷彩以外は軍艦色としていない」ことと「模型としての見栄え」です(笑)

また主砲周辺と艦橋後部右舷側の一部の甲板にはリノリウムが敷かれていました。
リノリウムとは亜麻仁油の酸化物に、樹脂・コルクくずなどを混ぜて、布に塗り伸ばしたもので、竹の甲板敷物図には「厚さ3mm」との記載があります。
リノリウムはその材質から可燃物であるため、戦争後期の不燃化対策として剥がされたという意見が一時は主流でしたが、どうやら剥がした艦と残した艦の両方あったようです。
竹については竣工自体が戦争後期だったことから、当初より敷物図通りに設置され、その後も剥がされることはなかったと考えました。
なお工作の都合上、リノリウム押さえは今回設置していません。リノリウム押さえは亜鉛メッキを施した金物で、一定間隔でリノリウムをビスで固定するものです。昔は金色で表現していましたが最近の研究でシルバーで表現するように変わりました。
(参考:S&Sホームページ)
ちなみに同HPの記載(旧海軍資料)によれば、リノリウムは甲板下にある居室天井の断熱や吸音のためではなく甲板表面のメッキ保護のためだったとのこと。確かに厚みが3mmなら吸音はともかく断熱効果は限定的だったと思われます。

艦首にあるアンカーチェーンですが、長いチェーンはいくつかの「節」に区切られていて、節の継ぎ目には白で印が付いてました。アンカーに繋がる節が第一節、そこから艦内に向かって第二、第三とつながっていきます。
塗色については第一節は外舷色、第二節以降は黒だったようです。
(参考:桜と錨の気ままなブログ)
昔の私は「チェーンだから黒」という根拠のない表現をしていましたが、今回は外舷色としました。

艦橋両サイドには舷灯が付いており、左舷は赤、右舷は緑と決まっていますが、舷灯のつくりは灯火本体とその壁面に付く小さな板で構成されます。このうち板が灯火と同色なのか、外舷色なのか、あるいはそれ以外の色なのか疑問に思い、調べてみました。
戦時中の艦船のカラー写真でこれが分かるものは見つけられませんでしたが、竹や他の艦船の白黒画像からは、板部と灯火部が同じ色をしていると思われました。
よって今回の作品もそのように塗り分けてあります。

2本ある煙突の頂部はフラットブラックですが、横から見た縦幅はウォーターラインガイドブックによれば「煙突の長径+短径の1/2の1/3」とのことです。

竹の図面から計算すると3.0mmとなりますが、同ガイドブックの図のようにファンネルキャップ最上部から測るとファンネルキャップ下端までとなります。
しかし実艦写真ではもう少し下まで黒く塗られています。
リアルさを追求するなら実艦写真から寸法を割り出すとよいのですが、ジャッキステーの上からマスキングテープを貼るのが怖かったので、フリーハンドでファンネルキャップ下端まで塗りました。
なお、松型同型艦でも塗り幅は異なっており、さらには煙突頂部のラインと平行なのか甲板と平行なのかも艦ごとに異なっています。

後部マストは上記ガイドブックに「煙突の黒い部分の下端の延長線と、煙突上端から9mの間」が黒とされています。
実艦写真も調べましたが、マストが細すぎて確認しづらいものの、黒と思われるものと外舷色と思われるものの両方がありました。竹がどちらなのかは判別が付きませんでした。
結局外舷色としましたが、これは同マストに増設された13号電探を外舷色で塗ることとのバランスを取ろうと考えたからです。

甲板上の随所には防舷物が設置されていますが、これが何色なのかいくら調べても明確な根拠が見当たらず、そもそも材質が何なのかも分かりませんでした。
形状は縦長の球体という感じなのですが、近年ならばゴム製=黒で塗っておけばまず間違いはないでしょうが、多くの作例では茶色や赤で塗ったものが見られます。悩みましたが、結局フラットブラウンで塗りました。

発射されている魚雷は本体=フラットアルミ、先端=フラットブラックとしました。
本体は外舷色の可能性もあると考え色々調べましたが、靖国神社や大和ミュージアム等に展示されている魚雷はシルバーだったので、一応これを決め手としています。
ちなみに訓練用の場合、先端は赤のものを使ったようです。模型的な見栄えだけを考えれば赤のほうが目立ちますが(笑)

最後にウェザリングです。
旧海軍艦船は大変手入れが行き届いていたようで、その点からは全くウェザリングしないという選択肢も「あり」ですし、そうしている作例も少なからず見られます。
しかし竹が活躍した頃は物資不足で塗料の質も低下していたでしょうし、空襲の連続で手入れもままならなかったかもしれません。
何より公試運転時の竹の写真を見ても、外舷ですらところどころ色が変わっているのが確認できます。
これらに加えて模型的な見栄えも考えた結果、全体にスミ入れ塗料によるウォッシングをかけるとともに、錨と喫水線近くの舷窓に限ってはブラウンによるサビだれの表現を行いました。
滑り止め甲板製作にあたって細切れ伸ばしランナーの貼り付けにこだわったのは、ウォッシングした際の立体感演出効果が高まることを期待したものでもありました。
実際、苦労して施工した効果は上がったように思います。

以上で駆逐艦竹とそのジオラマ製作記は終了。

↓は今回の製作で使用したインジェクションのアフターパーツとエッチングパーツです。

インジェクションではナノドレッドの精密さと正確さに驚かされました。
フジミのパーツもかなり出来が良く、巡洋艦以上で使えばサイズ的にも問題がないと思われます。
ヤマシタホビーも素晴らしいディテール再現度です。恥ずかしながら今回の製作まではよく知らないメーカーでしたが、艦船キットの世界では急激に知名度を上げています。キットやパーツのラインナップが今後充実してくればナノドレッドの対抗馬になると思います。

エッチングパーツは初めて使いましたが、自作やインジェクションでは表現できない精細な表現はエッチングならではだと感じました。
ただ爆雷装填台のようにコンマ数ミリ(率にして数%)大きめなのが難点です。

コピーした図面には無数の書き込みを行いました。

スケールモデルの原則通り、「写真第一図面第二」という姿勢で製作に取り組みましたが、戦時中のものでもあって写真が限られるため、今回の製作はこの図面なしにはできませんでした。

図面に頼る部分がかなり多かったので、今後艦船を作る際は「図面があるか」を基準にキットを選定してしまうかもしれません(笑)

次回はいよいよ完成アップです。
Posted at 2020/07/14 20:55:04 | コメント(1) | 艦船模型 | 趣味
2020年07月13日 イイね!

松型駆逐艦・竹(艦体各部の製作・最終回)

爆雷装填台を作ります。

基本的にはトラス構造なので、極細伸ばしランナーorプラ棒を正確に切り出して組み上げれば完成するはず…だったのですが、実際にやってみたところ(画像左)まったく実感を損なう出来栄えになってしまいましたorz

「何でもスクラッチ」のザクとは違うとしては悩みましたが、やむを得ずエッチングパーツのお世話になることにしました。そのためだけに半日かけて名古屋の有名模型店までドライブしたのは内緒です(笑)
しかしその甲斐あって画像右に示すように非常に精密度の高い爆雷装填台が安易に出来上がりました。
エッチングパーツの威力をまざまざと見せつけられた瞬間でもありました。
(ただ後で分かったのは、これとて図面サイズより微妙に大きい(短辺で0.3mm程度)です。正確性を期したい場合はファインモールド以外を選択すべきと思われます。)

爆雷装填台は上部と側面に薄い防弾板をつけた例もあったようです。

竹がどうだったかの資料がありませんが、模型的な見栄えを重視して未設置としました。

甲板のヘリには手すりが付きます。
これもエッチングパーツが出ていますが、さすがにこれくらいは自作で頑張りたいと考え、まずは柱を作るため、ピンバイスで開けた穴に伸ばしランナーを差し込み、1.5mmの高さに作った治具を使ってニッパーで切断します。

その後、手すり(チェーン)部分を髪の毛で表現するため、柱に瞬着で接着します。
しかしピンと張ろうとしてテンションを掛けると伸ばしランナー製の柱はそれに耐えられず曲がってしまいました。

次に試したのは手元にあった0.28mm径の金属ワイヤー。

しかしこれもいったんは画像のようにきれいに張れましたが、その後は髪の毛の自然な曲がりに接着力が耐えられず、失敗。
柱も0.28mmでは少し太めだと感じました。
悩んだ挙げ句、0.19mm径の金属ワイヤーと0.06mmのメタルリギングを入手し、3度めの試作。

今回はうまく行ったようです。
本番ではもう一段ギアを上げた仕上げを行おうと誓いました。

多くの試作と失敗を経て手すり設置を完了させました。

ここまで来ると船全体の形がかなり見えてきたという印象を受けるので、気分も上がります。
まずは喫水線下をハルレッドで塗り、その部分にマスキングテープを貼ります。
その後全体に軍艦色(今回は佐世保工廠色)を吹き、予め塗っておいたリノリウム甲板部分と喫水線下部分のマスキングテープを剥がします。

これまでは各パーツごとの製作が続いていたので全体像が見えませんでしたが、この姿を見るといよいよ完成が近いことが実感できます。

これまでに作った艦橋、後部構造物そして前後主砲と魚雷発射管を艦体へ設置しました。
しかしここで問題発生。
魚雷発射管を左舷に向けて設置しようとすると手すりと干渉してしまいます!

図面を見直しましたが、発射管手すりとも寸法や位置に狂いはありません。
とすると魚雷発射時は手すりを倒していたと考えるのが妥当です。
実際、旧海軍の「合戦準備」には以下の記載があります。

「Hand Rail はこれを外したる後直ちに敵と会戦せざるとき、または夜間哨戒中にありては人員保安のためこれを立て置くを例とす。」

今回は夜戦が舞台なので、上記からは立てておくのが正しいことになりますが、魚雷が撃てないのはおかしいので、魚雷周辺の手すりのみ倒しておくことにしました。

そして機銃の設置。
25mm機銃は細かいモールドが自作では表現できないので、アフターパーツを使います。幸いフジミから出ているパーツセットには双眼望遠鏡や探照灯管制機などとともに単装及び3連装の機銃もセットされているのでこれを使うつもりでいました。
しかしパーツを実測してみると図面より微妙に大きい。3連装の幅で言うと0.5mm以下の違いですが、狭いスペースに所狭しと機器を配置している駆逐艦の場合、0.何ミリが致命傷になりえます。
悩んだ挙げ句単装3連装ともファインモールドのナノドレッドを使うことにしました。

↑画像左がフジミ、右がファインモールドです。
若干お金はかかりますが、そのクオリティは艦船モデラーが等しく認めるレベル。サイズの正確性もさることながら、精密なディテール表現には度肝を抜かれました。特に単装に至っては弾倉に空いた0.1mm程度の穴から見える実弾まで表現されているという…。もうここまで来ると変態を超えて狂気の沙汰です(褒め言葉)

武装に関しては、福井静夫氏ほか2名がマリアナ沖海戦後の増備位置調査を行っており、書籍にもまとめられています。
それによれば竹は単装機銃4基が増備されたこととなっており、その位置も明示されています。

しかしそれらの弾薬箱がどこに増備されたか確認できないので、適当と思われるスペースに設置してみました。

次は短艇の工作です。
松型はそれまでの艦隊型駆逐艦が搭載していた7mカッターではなく、ひとまわり小さい6mカッターを積んでいました。
アフターパーツで一部メーカーから6mタイプも出ていますが、そのためだけにお金を出すのはあまりに勿体ないので、手持ちにあった7mカッターの全長を短縮し全体のフォルムを見直します。

画像にあるそれぞれの左側がキットの状態、右側が加工後です。
しかし特に内部をくり抜く作業は予想以上に大変で、これを同じクオリティでもう一つというのは厳しいと感じました。
そこで思いついたのが「複製すればいいじゃん」という安易な発想。
少なくとも下面は複製することで全く同じものを作ることができるし、上面もエポパテ塗りつけ時に凹ませておけば良いと考えました。
ということでまずは型想いで型取り。

いきなり完成状態です(笑)

上面くり抜き部も極小サイズのため表面処理が難しく、複製が必ずしも最良の選択とはまでは言い切れませんが、一定のレベルにまでは行ったかなと思ったのでこれでよしとしました。
その後乗組員座席となる横桁を設置。
また短艇設置位置の甲板に短艇を固定するための架台を作りました。

なお旧海軍での戦闘準備として「短艇には海水を入れておく」というものがあるので、内部に木工ボンドを入れて水の表現をしてあります。

お次は10m運貨船、通称・小発です。
しかしここで悩んだザクとは違う。
竹は新造時に比べて電探や機銃を増備してオルモック輸送を迎えています。他の艦艇も同様ですが何か増設する際はその分の重量を別装備の撤去で賄っていたという意見があります。しかし竹の場合、何かが撤去された記録などは明確でありません。そこで使用頻度の低い小発を降ろしたのでは?と考えました。この時は2隻とも降ろした設定にするつもりでしたが、そのスペースががら空きとなるのは不自然なので無理やりひねり出したのがドラム缶。

0.9mm丸棒を2mmの長さに切り出したものです。若干大きめですが雰囲気重視ということで(汗)

ガ島戦後、駆逐艦の鼠輸送が続いたという記録を私は知りませんが、小発1隻+ドラム缶で迅速確実に物資輸送を補助するという考えがあったとしてもおかしくはないと思い、資料的根拠なしにそうすることにしました。

肝心の小発はWLパーツ(確か二等輸送艦同梱)の形状を修正することとしました。

まずは平面形を、キットの「舳先が太めで後ろに行くに従って若干細くなる」という形状から「船首船尾以外は左右並行」に修正し、物資等搭載スペースも図面に合わせて修正しました。

余談ですが小発はその図面写真ともほとんど出回っておらず、特に実物の写真が最後まで確認できませんでした。よって工作に際しては竹の図面に書かれたものを基本にしています。

後部構造物付近には応急処置用円材置き場があったので、設置場所を伸ばしランナーなどで作り、その上から円材に見立てた伸ばしランナー数本をまとめたもの置きました。

戦争後半の旧海軍艦船は不燃化対策として可燃物を徹底的に陸揚げしたと聞きますが、円材は不沈化に必要なので陸揚げされてはいません。

このあと未施工だったメインマストを作りました。
松型のマストはそれまでの円形断面ではなく三角断面のものを二本張り合わせて作ったとのことなので、プラストラクト製0.3×0.3mmの角棒を入手して組み上げました。
中段には伸ばしランナー製の2キロ信号灯も設置しました。
マストトップ付近には3本の横桁が走っていますが、2本目は図面及び実艦写真を見る限り斜め後方に伸びていると思われたのでそのように設置しました。
また最上段の横桁接続部にはE-27逆探も設置しました。

メインマストと後部マストが立ったので、その間を走る空中線を張ることにします。大抵の作品ではしっかりとテンションを掛けてピンと張ったものが多いと思いますが、竹の画像ではそうなっていません↓


よって作品でもそのように表現するため、メタルリギングをマスト間より少し長めに切断し、しなりが付くようクセ付けを行いました。


艦尾にある旗竿ですが、図面だと2番主砲とほぼ同じ高さになっています。
しかし実艦写真を見ると、もう少し高くなっています。

同型艦の写真も確認しましたが、図面のような高さもあれば、竹同様の高さのものもありました。
今回は写真ベースで高めの旗竿とし、中段に伸ばしランナーで図面と同じ高さに艦尾灯を設置しました。

第一煙突左舷側には烹炊室煙突が伸びていました。
キットではフジミタミヤとも甲板から生えているように表現されていますが、烹炊室は艦橋後端にあるので、煙突で排出すべき煙はそこで発生します。
よって作品ではそのように設置しました。


第二煙突前にも極細の煙突(?)があり、図面でも実艦写真でも確認できます。
よって極細リード線で表現してみました。

ただこの煙突と思われるものが何のためのもので、どこから生えているのか分かりませんでした。

さ、あとは塗装して完成!
Posted at 2020/07/14 18:07:54 | コメント(1) | 艦船模型 | 趣味

プロフィール

「第19号輸送艦(捕鯨母船)の製作(船体工作の続き) http://cvw.jp/b/488285/47669612/
何シテル?   04/21 15:51
模型工作とキャンプが大好きなヘタレをやぢです。 私がフォローする方には2種類あります。 一つは「以前からのみん友さん」 もう一つは「ちょっと興味を持っ...
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2020/7 >>

   123 4
567891011
12 13 14151617 18
19202122 232425
262728293031 

リンク・クリップ

エアコンパイプの断熱 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2019/09/22 18:04:47
耐熱ホースカバー取付(冷却効果UP) 
カテゴリ:その他(カテゴリ未設定)
2019/09/22 18:02:04

愛車一覧

ホンダ シャトルハイブリッド イフリート (ホンダ シャトルハイブリッド)
イフリート初号機です。 前車・プレマシーに比べ排気量が△500CCなので、若干の非力さは ...
その他 キャンプ その他 キャンプ
我が家の行ったキャンプ場をまとめておく場所です。
その他 その他作業記録 その他 その他作業記録
1/700を中心とした艦船模型についてのまとめです。
その他 その他作業記録 その他 その他作業記録
ガンプラ製作の記録です。
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation