前々回の製作記録で3回の試作を経て、本製作の途中まで報告したので、その続きです。
石粉粘土の特性上、乾燥後のヒケはどうしても発生します。
画像で分かるように、海面と舷側や艦尾との間に若干の隙間ができました。
このままでは完成させられないので、補修作業に移ります。
隙間ができた箇所に、乾燥後に再びヒケが発生しても大丈夫なように、隙間よりも少し厚めに石粉粘土を盛り付けます。
艦尾波(ウェーキ)の形状がよくないと感じられたので、少し余分に粘土を盛り付けました。
乾燥後に艦の大きさに合わせて余分な粘土を削ります。
形状の修正と塗装が終わったら、その上からプラ材の削りカスを塗布します。
こうすることで海水が泡立った様子が表現できるだろうという目論見です。
一通りの作業を終えました↓
しかし、画像に示すような課題があると思いました。
再度作り直すかどうか、悩みます。
ここで思い起こすのはムサイベース高速輸送艦をジオラマ化した瞬間、一気に駄作になってしまったこと。
決断を下すのに約1週間かかりましたが、やはりやらなくて後悔するよりやって後悔すべきだと考え、再び1からやり直すことにしました。
こちらは綿による弾着の表現です。
これが試作2つ目。
中心部となる円筒形を透明フィルムで作り、その周りに薬局で買った脱脂綿を引き抜くような感じで取り出し、円筒周りに木工ボンドで付けていきました。
まぁまぁの出来栄えかなと思いましたが、これまたリサーチ不足を露呈。
そもそも水面への弾着はこのような形ではなく縦長の「水柱」になります。
これまたやり直しですorz
ということで勉強。
まずは横から見た艦首波。
全力公試運転中の槇とエンガノ岬沖海戦で戦闘航行中の桑です。
艦首によって切り裂かれた波は最上甲板と海面の中間程度までしか上がっていないように見えます。
次に上から見た艦首波。
夕雲型駆逐艦と軽巡夕張です。
いずれも艦首によって切り裂かれた波はあまり広がらずに後ろへ延びています。
夕雲型の写真は回頭時にどう波ができるかの参考にもなりますが、あまり速力が出ていない状況と思われます。
両舷にできる波は以下の写真も参考にしました。
陽炎型駆逐艦と護衛艦わかば(駆逐艦梨を引揚げ改造したもの)です。
やはりあまり広がっていません。
陽炎型は巡航速度だと思われますが、両舷の波はもともとある海の波の影響か、不規則に波打ちながら後ろに延びています。
わかばの写真では艦尾の波(ウェーキ)を上から見た状況も分かります。
先程の槇の写真でも分かりますが、ウェーキは艦尾から若干離れたところで少し盛り上がっています。これは他の駆逐艦(全力公試)の写真にも見られます。
さらに水柱の形状。
太平洋戦争での砲撃戦中の写真はあまり多くなく、手元にあったのは以下の2枚。
いずれも捷一号作戦におけるエンガノ岬沖海戦時のもので、栗田艦隊の金剛型戦艦と重巡利根・筑摩に砲撃される米軽空母ガンビア・ベイと、利根・筑摩の砲撃を受けているセントローです。
さすがに戦艦の弾着は空母の高さの倍以上にもなっていますが、重巡の弾着は空母と同程度かそれ以下です。
またセントローの写真からは、水柱の密度の薄さも感じられました。
多号作戦の竹はアレンMサムナー級駆逐艦の12.7cm砲で砲撃されているので、比較的小さめの水柱を少なめの綿で作ればよいと思われます。
いやぁ、この段階でこんな後戻りをしているようでは、6月中の完成も危ぶまれますね…。
Posted at 2020/05/31 11:39:06 | |
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