<自動車・世界耐久選手権(WEC)>◇決勝◇21日◇イタリア:イモラ・サーキット
雨にほんろうされた6時間の戦いは、7号車トヨタ(マイク・コンウェイ、小林可夢偉、ニック・デ・フリース組)が制し今季初の総合優勝を飾った。8号車トヨタ(セバスチャン・ブエミ、ブレンドン・ハートレー、平川亮組)は総合5位だった。GT3マシンで争われるLMGT3では、31号車BMWがクラス優勝した。
レースは、1周目で3番手スタートの51号車フェラーリが83号車フェラーリをかわして2番手に浮上、トップの50号車と併せてフェラーリワークス勢がワン・ツー態勢を築く。これとほぼ時を同じくして、多重クラッシュが発生。1周目からセーフティーカーが入ることになる。開始3時間を過ぎ、コース上の一部では遠目には分からない程度の雨が降り出す。この時点で、フェラーリの2台がワン・ツー態勢。7号車トヨタが続く。開始3時間25分頃には11号車イソッタ・フラスキーニがぬれた縁石に乗ってスリップし単独クラッシュ。フルコースイエローとなる。
観客が雨がっぱをまといだした開始3時間30分前、フルコースイエロー解除で7号車トヨタのデ・フリースが猛烈ダッシュで2位の50号車フェラーリを抜く。数分後、12号車ポルシェがコントロールを失いコースアウト。94号車プジョーも左フロントタイヤのバーストに見舞われ、バーチャルセーフティーカーが入る。この間に7号車トヨタはデ・フリースからチーム代表兼ドライバーの小林可夢偉にドライバーを交代。雨が強まり、セーフティーカーも入った開始3時間40分過ぎ、トップは7号車トヨタ。50号車フェラーリ、6号車ポルシェが続く。コースは一部ウエットコンディションとなり、セーフティーカーラン中もコースアウトするマシンが相次ぎ、各車続々とレインタイヤに替えていく。
開始4時間過ぎ、トップ3を占めていたフェラーリ勢もピットイン。7号車トヨタが首位に立つ。8号車トヨタも3位に浮上し、トヨタ勢のタイヤ戦略がうまくいった形となった。各陣営最後のルーティンピットストップを終え、開始5時間15分時点でトップは可夢偉がドライブする7号車トヨタ。だが、燃料がゴールまでもつかギリギリで厳しい戦いが続く。6号車ポルシェが2位につける。
開始5時間35分頃、2位の6号車ポルシェに5秒ペナルティーの可能性が浮上。その頃、7号車トヨタは可夢偉の献身的なドライブで燃費の問題をクリア。ペナルティーを考慮すると2位に5秒以上差をつけてトップフィニッシュしなければならない6号車ポルシェは、7号車トヨタをコンマ秒差で猛追する。だが可夢偉はトップを譲ることなく、7秒081差でチェッカーを受けた。
レース後、可夢偉は「チームが素晴らしかった。6号車のポルシェからのプレッシャーもあって、素晴らしいレースになった。この2人(デ・フリースとコンウェイ)も素晴らしい仕事をしてくれた」と、興奮気味に仲間たちへの感謝を口にした。デ・フリースは「今季初優勝。大成功だ。とてもうれしい。(小林)カムイとマイク(・コンウェイ)に感謝している」と、チーム一丸となって得た勝利をかみしめていた。
今年のトヨタGR010はもう一つ速度が乗らずカタールでも車の重量とタイヤのマッチングが悪いのか苦戦、第2戦のイモラでも予選ではフェラーリ、ポルシェの後塵を拝して6位と8位、どうも今年はBopが悪いのか車が悪いのかライバルチームの性能向上が著しいのかなどと思っていたところ今回は作戦が功を奏したのか後半4時間ほどで7号車が首位に出るとそのまま首位を守り切ってゴールした。フェラーリは雨の中でタイヤ選択をミスったのか首位から滑り落ちて行った。今回のレースでなんとも見ごたえがあったのは最後の30分のトヨタ7号車とペンスキーポルシェ6号車のトップ争いで1秒を切る僅差でのせめぎ合いが続いた。ただポルシェも猛追はするもののコース上でトヨタを抜き去るほどの力の差はなくどちらかミスをした方が負けと言ったレースだったが、燃料をセーブしながら冷静に走り切った小林可夢偉のレース運びに軍配が上がった。最後の30分はなかなか見ごたえのあるレースだった。これでトヨタのGR010もライバルと首位を争える力があることを証明した。でもさすがに「耐久のポルシェ」と言われるだけあってポルシェが速い。またフェラーリ、BMWなども力を見せてきている。今年のWECはこの先も混戦が続くだろう。でもやっぱりトヨタが速い。頑張れ、トヨタGRレーシング、・・(^_^)v。
Posted at 2024/04/22 11:11:22 | |
トラックバック(0) |
自動車 | 日記