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2014年12月06日

国を守る手段は軍事力だけではない。

「県は基本的に受け入れに向けて作業をしている」

11月17日、佐賀県の古川康知事は、陸上自衛隊が導入する垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの佐賀空港(佐賀市)への配備に初めて前向きな考えを表明した。



直後に古川氏は任期途中での辞職を表明し、衆院新佐賀2区から自民党公認で出馬したが、在職中にオスプレイ受け入れの言質を残した意義は大きい。防衛省幹部は「これで配備に向けた用地取得費を平成27年度予算案に計上できる」と胸をなで下ろした。



政府は、オスプレイ配備に加え、離島防衛・奪還作戦の実動部隊となる水陸機動連隊を長崎県佐世保市に配置する方針だ。水陸両用車AAV7も導入し、30年度までに「水陸機動団」が編成される。



これは、陸上自衛隊が、かねて「平和憲法の枠を超える」とタブー視されてきた海兵隊機能を有する組織に生まれ変わることを意味する。長く足踏みを続けてきた日本の防衛力はやっと強化されつつある。



「私たちの美しい海と領土は断固守る! この強い意志を示し、防衛力を増強することで国家として二本足で立ち上がらねばならない」





24年12月、安倍晋三首相はこう訴えて民主党から政権を奪回した。



首相の行動は素早かった。第2次安倍政権が発足した12月26日、小野寺五典防衛相(当時)の任命にあたり「防衛大綱(防衛計画の大綱)と中期防(中期防衛力整備計画)を見直し、自衛隊の態勢強化に取り組んでほしい」と命じた。



翌1月には、民主党政権が策定した防衛大綱を凍結し、年末に新防衛大綱を策定した。新防衛大綱では、民主党政権時の基本概念「動的防衛力」に代わり、「統合機動防衛力」を打ち出した。



2つは大きく異なる。



動的防衛力は、情報収集・警戒監視・偵察活動(ISR)という防衛力の「目」や「耳」の機能を重視するにとどまる。



これに対して統合機動防衛力は、ISRもさることながら陸海空3自衛隊の統合運用により、海上・航空優勢を確保するなど「対処能力の強化」に重きを置く。



いかなる脅威への対処能力なのか。言うまでもなく際限なく軍拡を進め、尖閣諸島(沖縄県石垣市)を含む東シナ海の海・空域で威嚇と挑発を強める中国である。



つまり、首相が唱える「南西防衛強化」とは、九州・沖縄の海と領土を中国の脅威から守るための布石だといえる。



■東シナ海は一触即発 配備計画、揺さぶる「民意」

平成24年9月、民主党の野田佳彦首相(当時)は尖閣諸島の国有化に踏み切った。中国は激しく反発し、東シナ海の安保環境は厳しさを増した。



25年1月30日、中国海軍艦艇が海上自衛隊艦艇に射撃管制用レーダーを照射する事件が起きた。11月23日には尖閣諸島を含む東シナ海上空に防空識別圏を設定し、飛行計画の提出を一方的に要求してきた。中国軍機による自衛隊機や米軍機への執拗(しつよう)な接近・追尾も繰り返された。



もはや一触即発の事態であり、事態が長期化・過激化する兆しもある。



その脅威認識の下、新設した国家安全保障会議(NSC)が司令塔となり、実効的に対処できる防衛態勢を敷く-。これが安倍政権が策定した新防衛大綱の根幹をなす。



ただ、実効的に対処できる態勢づくりはまだ緒に就いたばかりだ。



◆無人偵察機導入へ

一口に南西防衛強化といってもカバーすべき範囲は広大だ。九州南端から先島諸島最西端の与那国島(沖縄県与那国町)までは約1500キロもあり、本州を縦断する距離に相当する。かつ本州のように地続きではない。



こうした島嶼(とうしょ)部に陸上自衛隊を展開するには、旧来の陸自輸送ヘリの速度は2倍、航続距離は4倍を誇るオスプレイが欠かせない。水陸機動団の編成や、航空自衛隊那覇基地のF15戦闘機部隊の倍増を決めたのも島嶼防衛の一環なのだ。



これに伴い、政府は25年度予算で防衛費を11年ぶりに増額し、4兆7538億円(前年度比0・8%増)とした。27年度予算案概算要求では過去最大となる5兆545億円を求めた。



情報収集・警戒監視・偵察活動(ISR)も飛躍的に向上する。早期警戒機E2Cの拠点を那覇基地に新設し、地上レーダーで捕捉できないような低空飛行で領空に接近してくる航空機をE2Cに探知させる。探知能力を向上させた後継機E2Dも29年度に那覇基地に配備される予定となっている。



10年来の懸案だった無人偵察機の導入にも結論を出した。機種は米軍のグローバルホークに決まった。これで東シナ海での常時継続的な海・空域の監視に道を開いた。



だが、懸念もある。



◆先島諸島は空白地帯

日本最西端の与那国島。尖閣諸島まで約150キロしかないが、沖縄本島より西は陸自が配備されていない防衛上の空白地帯が広がる。与那国島の守りも警察官2人だけ。与那国町の外間守吉(ほかま・しゅきち)町長が21年に陸上自衛隊の誘致を表明したのは当然だといえる。



政府と町は25年6月、配備計画で合意し、すでに施設整備も始まった。28年3月には与那国駐屯地が完成し、沿岸監視隊約100人が地上レーダーで周辺海・空域の警戒にあたるはずだった。



ところが、反対派はこれを阻止すべく、陸自配備の賛否を問う住民投票に向け、町議会に条例案を提出。6人の議会は賛成派3人、反対派3人と真っ二つに割れた。



賛成派が議長に選出されたため、条例案は11月17日に可決。町長は「条例案に不備がある」として廃案を目指すが、反対派は一歩も譲らず、予断を許さない。



問題は与那国島にとどまらない。石垣・宮古両島では有事で初動対応を担う警備部隊の配備が計画されており、与那国島の反対運動が飛び火すれば、配備計画がドミノ倒しになりかねない。



こうした事態にほくそ笑んでいるのはどこの国かは明らかだ。沖縄本島の米軍普天間飛行場移設問題もそうだが、「民意」で安易に国防を揺さぶっていては、とてつもないしっぺ返しを食うことにならないか。





自分の国は自分で守る、当たり前のことだが、その当たり前が日本では長い間通用しなかった。配線を経験して振り子が大きく反戦に振れたからだ。しかし、自国民を犠牲にして他国を守ってくれるような国は世界中どこにもない。自分の国は自分で守るのが世界の常識だからだ。戦後70年を過ぎて日本もようやくその常識に気づきつつあるのだろうか。ただ、軍事力はあくまでも最後の手段だ。出来る限り外交で問題を解決すべきことは言うまでもない。しかし、日本はその外交があまりにも稚拙に過ぎる。軍事力も重要だが、外交のスキルを磨き能力を上げることも重要な課題だろう。戦争は殺戮と破壊、そして永く途切れることのない憎悪しか生まない。常に理性ある成熟した国家の構築に向かって努力すべきだろう。



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Posted at 2014/12/06 01:50:41

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