日本政府は29日、エジプト滞在中の邦人旅行者らを帰国させるため、チャーター機を派遣する検討に入った。菅直人首相は同日、ダボス会議出席のために訪問中のスイスから前原誠司外相と枝野幸男官房長官に電話をかけ、「万全の対応をとるように」と指示した。
前原氏は同日夕、訪問先の那覇市で記者団に対し、奥田紀宏駐エジプト大使から電話で邦人退避のためのチャーター機派遣の検討を要請されたことを明らかにし、「必要になった場合には対応できるように準備を指示した」と述べた。前原氏によると、エジプトに滞在する邦人は、旅行会社の団体旅行客だけでも2300人超。枝野氏は同日、首相官邸で記者団に対し、邦人の安否について、「悪い情報はない」と述べた。
一方、外務省は同日午前、「中東・北アフリカ情勢に関する緊急対策本部」(本部長・前原氏)を設置して初会合を開いた。会合では、邦人保護などについて協議し、エジプト全土への渡航延期や滞在中の邦人に国外退避を勧める「危険情報」を出した。また、前原氏は同日昼から1泊2日の日程で沖縄を訪問していたが、同夜開催された2回目の対策本部の会合に出席するため、急遽(きゅうきょ)、日程を短縮して帰京した。
菅直人首相は同日、スイスで開かれているダボス会議の講演で、「ムバラク大統領は改革をすると言っている。多くの国民と対話して国民が広く参加する政権をつくり、市民生活の平静を取り戻すよう期待している」と述べた。
自衛隊は安全が確保されなければ派遣出来ず、危ないところには民間のチャーター機を派遣するというのは本末転倒だろう。危険だからこそそれなりの装備を持ち訓練を受けた軍隊が派遣されるのであってそんなところに行かされる民間チャーター機の乗員はたまったものではない。
シエラレオネ内戦の際に、同国に居住している英国人がインタビューを受けていたが、「必ず英国の軍隊が来て救出してくれるから何も心配はしていない」と落ち着いて笑顔でインタビューを受けていた。間もなく強襲揚陸艦オーシャンと英国海兵隊が派遣されて在外邦人を救助していたが、国家と国民が強い信頼関係で結ばれているようだった。
自衛隊を派遣するからと言って戦争をしに行くわけではない。紛争地域で身動きが取れなくなっている邦人を救出して安全に帰国させるために行くだけだ。国家は自国民を保護する義務がある。そのために装備を持ち訓練を受けた自衛隊を派遣する。何とも当然すぎることだ。しかし、いざとなると不毛な神学的論争に終始して、たったそれだけのことが出来ない国家というのはやはりどこかがおかしいと言わざるを得ない。
Posted at 2011/01/30 17:50:13 | |
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