中国空軍の魏鋼装備部部長は9日、「わが国の航空エンジン、航空機製造技術は、西側諸国のものを盗んだものではない」、「もし、その秘密を知る機会があれば、彼らは中国の航空エンジン技術が唯一無二のものであ、中国人の自主創造の成果でわることを知るだろう」などと述べた。魏部長は「自信たっぷりに語った」という。
サーチナ総合研究所(上海サーチナ)が実施したアンケートによると、中国の戦闘機用エンジンの技術は「米ロよりも優れている」との回答が、約2割に達した。
◆「わが国の戦闘機用エンジンの技術は、世界の中でどのような位置にあると思いますか」との問いに対する回答状況は以下の通り(10日午後5時35分現在)
(1)米国よりは遅れているが、ロシアより進んでいる…19.71%
(2)米国、ロシアよりも遅れている…29.71%
(3)米国よりも、ロシアよりも進んでいる…20.29%
(4)分からない…30.29%
◆解説◆
複雑な技術体系には一長一短がつきもので、各国のエンジンについても一概に優劣を比較できないとしても、中国の航空機エンジンが米ロよりも優れているとの見方には、相当に無理がある。中国の戦闘機には、ロシア製のエンジンを積んでいることが多い。
また、魏鋼装備部部長は、中国の軍用機開発について「唯一無二の技術」と主張したが、中国の戦闘機の多くはソ連(現ロシア)の戦闘機のコピーで、新鋭戦闘機殲滅15(J-15)は、ロシアの試作機T-10Kの模倣であるとされる。米国は1980年代、ソ連を牽制(けんせい)する目的で中国に戦闘機製造の技術を供与した。
自主創造。唯一無二、言うのはただだから別にかまわないが、米国よりも進んでいるなどというのは厚かましいというべきだろう。大体、姿を見れば分かるが、中国の戦闘機開発能力は一世代遅れている。先に公開された7ステルス機も何となく冗長で全体に鋭さが感じられない。性能の良い機体は姿が美しいというが、その原理を当てはめると中国のステルス機は不合格だろう。
その他の機体も大体オリジナルが推測されるものばかりだ。国威の発揚という点では良いのかも知れないが、技術力としてはまだまだ目標とするところは遠いだろう。しかし、金があるので、20年、30年のレベルで見れば米ロに追いつく日が来るかもしれない。そうなった時は厄介だろう。
Posted at 2011/03/10 23:01:23 | |
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