政府の地震調査委員会(事務局・文部科学省)は11日夜、今回の大地震(マグニチュード=M8.8)の震源域は岩手県沖から茨城県沖まで広範囲に連動しており、想定外だったとの見解を発表した。阿部勝征委員長(東大名誉教授)は記者会見で「東海、東南海、南海地震が連動する地震を超える超巨大地震が東北沖で起きるとは想定していなかった」と述べた。
東北沖の地下では、太平洋プレートが日本列島の陸側プレートの下に沈み込んでいる。今回の大地震はプレート境界が急に滑り、陸側プレートの海底付近が上へ跳ね上がる逆断層型だったため、大津波が起きた。関東地方の震度が他地域に比べ相対的に大きかった理由は、「太平洋プレート内部を揺れが減衰せず遠くまで伝わる『異常震域』現象ではないか」(阿部委員長)という。
また、国土地理院は、宮城県石巻市・河北の全地球測位システム(GPS)観測点がほぼ東へ4メートル3.4センチ、下方へ69.9センチ移動したと地震調査委に報告したと発表した。水平方向の移動幅は、1994年の観測開始以来最大。地震調査委はこれまで、三陸沖北部から房総沖まで南北7領域を設定し、個別に地震を想定。さらに宮城県沖地震(想定M7.5)とその東側の「三陸沖南部海溝寄り地震」(同M7.7)については、連動した場合にM8.2と想定したが、南北方向に連動する地震は想定していなかった。
人間の科学による想定を遥かに超える超巨大地震が発生した。自信の振動も相当なものだが、それなりに地震対策を施した建築物はその振動には耐えていたようだ。しかし、それにも増して恐るべきは地震によって発生した津波だった。防潮堤を軽々と越えてすべてを飲み込んで怒涛のように内陸に侵入していく津波に人間はなす術もなかった。1千年に1度という超巨大地震だが、今後何が起こるか分からないという。せめて最小限の備えだけはしておきたい。
Posted at 2011/03/12 10:36:09 | |
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