国土交通省は8日、三菱重工業が製造する旅客機や自衛隊機などに使用されるアルミ・チタン製の部品で検査手順を省略する規定違反があったとして、同社に文書で厳重注意したと発表した。こうした違反は平成元年から繰り返されており、不適切な部品は約2800種類約46万点にのぼる。同社は「安全に影響はない」としているが、国交省は出荷済み部品の安全性評価を行うよう求めた。
国交省によると、同社の名古屋航空宇宙システム製作所(名古屋市)の大江工場で製造された部品で、材料を加工後、表面に微少な傷がないか調べるため検査用化学薬品に浸す際に、作業担当者が通常なら3分~10分程度浸すところを10秒~3分ほどに短縮していた。
納期に間に合わせるため業務効率化が目的だったといい、作業簿を改竄(かいざん)しており管理者も不正を見抜けなかった。
チタン製部品の検査工程で不正があると内部告発があり、同社が6月21日に問題を公表。その後の内部調査で、アルミ製部品でも同様の不正行為をしていたことが発覚したという。
同社は「短縮した条件で試験し、ほぼ100%傷を発見できた」などとして航空機の安全には問題がないとしているが、国交省は「傷を見逃していた場合、長期間使用すれば徐々に亀裂が広がる恐れがある」と指摘している。
常に国家の繁栄を支えてきた天下の三菱重工がこんなことをしてはいけない。技術は信頼であり、ユーザーに対する誠実さでもある。ユーザーの信頼を失ってはどんな技術も機能はしない。これからの日本は高度先端技術で産業を支えていかないといけないのにその一端を担うべき三菱重工が、「納期に間に合わせるため」などというレベルの低い理由で人の命を支える検査に手抜きをしたことに関して株主の一人として極めて遺憾に思っている。
Posted at 2011/07/10 11:41:21 | |
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