2011年7月10日、「世界で最も安全な高速鉄道」として中国で開業したばかりの京滬高速鉄道が、天候不良によりダイヤが大幅に乱れた。これに関して、車両の設計に関わった専門家が「今回の事件は純粋に天候の影響によるもので、同路線の完成度とは関係ない」と発言した。
北京と上海を結ぶ京滬高速鉄道は10日、北京発上海行きのG151が山東省内で2時間以上にわたり立ち往生。計19本に遅れが出た。G151はもともと午後3時半に北京南駅を出発し、午後9時に上海駅に到着する予定だったが、午後5時ごろ、山東省済南市付近に到達した際に雷雨の影響で電線が故障し、送電がストップしてしまった。総工費2200億元(約2兆7400億円)を投じた「夢の超特急」。開業わずか11日目にして初の事故となった。
同路線に採用されている車両CRH380Aを生産した中国北車集団の設計責任者・李瑞淳(リー・ルイチュン)氏は事故についてコメントを発表。「今回の事故は悪天候によって停電し、動力を失ったもので、列車そのものの品質とは無関係である。事故後は、装備していたバッテリーによって車内に1時間の送電を行った」としている。
到着の遅れによって不都合を生じた乗客については、事故が不可抗力の原因だったとして補償の義務は生じないが、乗客の中には「重要な接待の宴席に遅れてしまった」として賠償を求めている人もいるという。
今回の震災で復旧まで1年はかかるといわれた仙台空港は1か月で使用可能になった。東北新幹線もあれだけの震災被害を受けても1か月で復旧した。日本の現場力というのは空恐ろしいものがある。だから政治がいくらもたついても着実に復興は進んで行く。
新幹線は真似が出来てもこの現場力は到底真似はできないだろう。日本も欧米の模倣から始まって現在の地位を得た。中国が新幹線を真似るなら日本はリニアに進めばいい。技術は日進月歩、とどまるところを知らない。だから不断の努力が必要だ。それを怠れば敗者になるだけだ。
先端技術に2位はない。勝った者と敗れたものがある、それだけだ。中国にも線路と電車は作れるのかもしれない。しかし、この日本のような現場力が備わっているだろうか。総合力は絶え間ない不断の努力で様々な問題を乗り越えてきたものだけに与えられるものだ。取ってつけたようなもの真似では現場力は育たない。
Posted at 2011/07/11 23:22:46 | |
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