野田新首相の組閣人事は、官房長官や財務相など主要ポストを野田氏に近い議員で固め、代表選で自らを支えた議員を処遇して論功行賞の側面を見せる一方、小沢一郎元代表グループからも2人を登用するなど、「挙党態勢」に配慮した布陣となっている。初入閣は10人に上り、新鮮さも演出した。
足元の野田グループからは、官房長官に就任する藤村修氏ら2人を起用。代表選の決選投票で野田氏の支持に回った前原誠司政調会長グループからも3人を登用した。財務相の安住淳、外相の玄葉光一郎、文部科学相の中川正春の3氏は代表選で野田氏の支持拡大に努めた。安住氏は49歳、玄葉氏は47歳で、政府中枢の財務相と外相を若い40歳代が占めるのは異例だ。
一方、党内最大勢力の小沢元代表のグループは、代表選で海江田万里氏を全面支援したが、「ノーサイド」を掲げる野田氏は、同グループ幹部の山岡賢次氏を国家公安委員長とし、一川保夫氏も防衛相にそれぞれ初入閣させ、元代表をめぐる党内対立の克服に向けた配慮がうかがえる。代表選に出馬した鹿野農相も再任し、鹿野氏を支持した前田武志氏も国土交通相に抜てきした。「中間派」の旧民社党系グループからは川端達夫氏を総務相に、旧社会党系グループから鉢呂吉雄氏を経済産業相に充てる。ただ、鳩山前首相グループからの起用はなく、同グループから不満が出る可能性もある。
「ねじれ国会」への対応を重視し、安住氏や川端氏ら国会対策委員長経験者が6人に達したことも目を引く。また、無所属の与謝野馨経済財政相が閣外に去り、民間から登用もなかった。
ノーサイドの言葉通り、民主党各派閥から万遍なく選出したような内閣で総力内閣とも言えるが、方向を間違えるとあちこちから足を引っ張られそうにも見える。派手さはないが実務型と言えばそうも言えるが、実際のところどうなんだろう。あまり奇抜なことをしない常識的内閣とでもいうのだろうか。それにしても党三役にしても閣僚にしても顔が変わり映えしない。前2代の内閣とどことなく似通ったような顔ぶれで何となく昔の名前で出ていますという雰囲気だが、人材の層の厚さに問題があるのだろうか。
Posted at 2011/09/02 21:34:01 | |
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