■中国公船 行動パターン化/海保、長期戦見据え
尖閣諸島(沖縄県)周辺の日本の接続水域で5日、中国公船8隻が出入りを繰り返した。こうした行動は5日連続。夜には接続水域から離れるケースが多く、日常的な行動となっている。海上保安庁の警告にも毎回、「公務を遂行中」などと抵抗しており、尖閣周辺を「管轄海域」と主張し続けることで、既成事実化させる狙いがあるとみられる。海保側は中国公船が展開する限り警戒態勢を維持。事態は長期戦の様相を呈している。
5日午前7時24分、尖閣諸島・久場島の北東約44キロの海域に中国国家海洋局所属の海洋監視船「海監」4隻が現れ、次々に日本の接続水域に入った。海保巡視船の警告に、海監は「釣魚島は中国固有の領土。中国の管轄海域で公務を遂行中だ」と中国語で応答し、従来通りの主張を展開した。
中国公船は9月半ばから現場海域に展開。台風17号の通過などでいったん姿を消していたが、今月1日に再び戻った。海監は台風通過で一時撤退する前には、単独航行や未明に接続水域に出入りするなど不規則な動きが散見された。
だが、最近は午前7~9時ごろにそろって姿を見せ、日本の接続水域内を隊列を組むように航行。午後6~8時ごろには一斉に接続水域から出て行く行動を繰り返している。海保幹部は「海監は領海の警戒などが任務。日常のパトロールをしているかのように行動がパターン化している」と話す。
一方、漁業資源保護などが目的の農業省漁業局所属の漁業監視船「漁政」。台風通過前には、操業する中国漁船がいない日本の領海内に侵入するなど矛盾した行動も確認された。台風通過後は領海侵入はなく、出入りは5日も計4隻が確認された接続水域にとどまる。ただ、漁政は日本の排他的経済水域内で中国漁船に立ち入り検査とみられる行動もとる。海保幹部は「検査をすることで、中国の管轄権が及んでいる主張を印象づけようとしている」とみている。
一方で別の海保幹部は、「管轄権が及ぶと主張するなら、接続水域にとどまることも考えられるのに、夜にはれていく。理由は分からないが、逆に中国側が日本の領海を意識しているとみることもできる」と指摘。「相手の挑発には乗らず粘り強く対応していくしかない」と長期戦を見据えている。
存在を示すことが実効支配の証、まして日本側が辛うじて実効支配している水域ならなおさら中国側はプレゼンスを世界に向けて誇示する必要がある。夜間に接続水域を離れていくのは夜間に多数の船舶がせめぎ合うことで不測の事態が発生することを警戒しているのではないだろうか。また、暗闇でいくら頑張ってもアピールにもならないだろうから。そうだとすれば中国もなかなか合理的で強かだ。このせめぎ合いは今後も相当期間続くだろうから日本側も強かな対応を考えていかないといけないだろう。
Posted at 2012/10/06 12:16:44 | |
トラックバック(0) | 日記