広島市北部の豪雨に伴う土砂災害で、広島県警は21日、安否の確認が取れない人が51人に上ると発表した。
同日現在、死者は39人で、このうち8人の身元が確認できていない。死者・行方不明者は最大で90人に上る可能性が出てきた。救助・捜索活動は21日も続けられたが、午後9時頃に雨が降り始め、二次災害の恐れから中断された。
県警によると、死者39人のうち身元が判明した人は31人。安否確認できていない人は、これまで7人としてきたが、21日午後、市への通報分と照合した結果、51人と判明したという。ただ、身元が確認できていない死者の8人が何人か含まれている可能性もある。
21日午後の捜索態勢は、警察約1700人、陸上自衛隊約650人、消防・消防団約300人の計約2650人。
陸上自衛隊は21日から、安佐南区八木、緑井などでパワーショベルを使った救助活動を本格的に始めた。
一宮大介・第46普通科連隊長によると、現場にたまった大量の土砂やがれきをスコップで取り除く必要があり、重機を入れるのに時間がかかった。現場では、被災者のものとみられる写真アルバムなどが散乱しており、一宮連隊長は「一刻も早く行方不明者を救出したい」と話した。
広島市内は21日の日中は晴れたが、午後9時頃に雨が降り始め、救助活動は中断された。広島地方気象台によると、22日午後にかけて雷を伴う強い雨が降るとの予想がある。二次災害の危険があり、同気象台は注意を呼びかけている。
県や市によると、市内では21日午後7時現在、安佐南区の八木、緑井など7地区と安佐北区の可部南など15地区の計6万8813世帯16万4108人を対象に避難指示・勧告が出ており、385世帯887人が避難。両区などで少なくとも住宅81棟が損壊し、113か所でがけ崩れが確認された。両区の計約900戸で停電が続き、約2700戸で断水している。
JR西日本は、運転を見合わせていた芸備線三次―広島間を22日の始発から再開する。可部線緑井―可部間は、線路が広範囲に冠水しており、復旧のめどは立っていないという。
広島県は21日、広島市に被災者生活再建支援法を適用することを決めた。住宅が全半壊したり、長期間住めなくなったりした被災者に最高300万円が支給される。
今回も豪雨災害が発生したが、これは「これまで経験のない豪雨」ではあるが、明らかに日本周辺の気候が変わりつつある現象で一過的なものではない。これまではマリアナ諸島付近で発生していた台風がフィリピン近海で発生し、強い勢力を保ったまま日本を直撃する。雨はまるで熱帯のスコールのように短時間に大量に降り注ぐ。日本はこれまでの温帯から亜熱帯へと気候が変わりつつある。豪雨災害はこれからも続くだろう。そうした変化の中で我々は災害に対する新しい認識を持ち被害を防止する対策を立てないといけない。災害は何時も我々の隣にいる。
Posted at 2014/08/22 00:35:17 | |
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