中東を管轄する米中央軍は23日、イスラム過激組織「イスラム国」などを標的にシリアで実施した空爆作戦の詳細を明らかにした。イスラム国への空爆は計14回にわたり、本拠地であるシリア北部ラッカを含む4カ所を空襲。シリア北部アレッポの西では国際テロ組織アルカイダ系武装勢力に対し、計8回爆撃、空爆の回数は22回となった。
紅海とペルシャ湾に展開した米海軍の駆逐艦と巡洋艦が巡航ミサイル「トマホーク」計47発を発射し、戦闘機や爆撃機、無人機も空爆を行った。これにより、複数の訓練場や司令部、物資集積施設、「金融センター」1カ所、複数の車両を破壊するか、損害を与えたという。戦闘員も標的にした。
作戦にはサウジアラビアなど中東5カ国も参加したが、一部メディアによれば、そのうちカタールは、軍用機を派遣しただけとされ、5カ国全てが実際に空爆を行ったかどうかは不明だ。
日本人男性を拘束した可能性があるイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」は、異教徒を敵視して殺害するなど、その残虐さは源流の国際テロ組織アルカイダも上回る。シリアとイラクをまたぐ地域で6月にイスラム国家樹立を宣言し、イラク軍から奪った兵器で戦闘力を高めており、米軍による空爆でも弱体化させるのは困難との見方もある。
【イスラム国】
イスラム国はシリア内戦に介入後、「イラク・シリアのイスラム国」と名乗り、自爆攻撃を多用するほか、シリア軍兵士を処刑したり、首を切り落としたりして、過激な活動で存在感を誇示してきた。シリアで別のアルカイダ系組織で反体制派の「ヌスラ戦線」と交戦を始めたため、アルカイダ指導部は破門扱いとした。
イラク北部で6月以降、支配地域を急激に広げており、少数派のキリスト教徒やクルド人少数派ヤジディ教徒を迫害。特にヤジディ教徒に対しては「悪魔崇拝」と汚名を着せて改宗を迫り、拒否すれば殺害しているとの情報もある。また、ヤジディ教の女性を性奴隷にしていると伝えられる。
最近も、イスラム国に加わったオーストラリア人の男の息子とみられる少年(7)が切断されたシリア兵の頭部を持つ写真が豪紙に掲載され、同国のアボット首相は「この組織がどれほど残虐かを示す証拠が次々出てくる」とコメントした。
国際テロに詳しい外交筋は、「イスラム国はインターネットを使った巧みな宣伝活動で実態以上の存在感を示しており、欧米からも若者が相次いで加わっている」と指摘する。支持者からの献金や武器の転売、文化財や麻薬の密売、銀行強盗のほか、身代金目的の誘拐も資金源になっている。
米軍のイラク空爆は、米国民保護とヤジディ教徒迫害を念頭に置いた人道目的に限定しており、イスラム国の弱体化を意図したものではない。イスラム国はシリアに一大拠点を築いており、弱体化させるなら、シリア領内にも攻撃を加える必要がある。だが、オバマ米政権はシリア内戦に介入しない方針で、シリアはイスラム国にとって比較的安全な活動拠点になっているのが実情だ。
こうしたテロ組織が次々と生まれるのはどうしたことだろう。極めて過激かつ残忍な行為をする組織なので殲滅するのはやむを得ないだろうが、空爆だけでは無理だろう。地上軍を投入して掃討戦を行う必要があるだろうが、地上軍を投入すればやはり大きな犠牲を払わざるを得ないだろうし、捕虜になると斬首など残虐な方法で処刑される可能性がある。日本人が殺害された場合、日本政府はどうするのだろうか。
Posted at 2014/09/23 22:33:42 | |
トラックバック(0) |
軍事 | 日記