旧陸軍が1945年8月の敗戦直後、本土決戦に備えて開発していた「四式中戦車チト(よんしきちゅうせんしゃちと)」。当時、最新鋭だった戦車を本気で探そうと、地元の人たちがクラウドファンディングで資金を集めています。
敗戦直後、秘密を隠すため沈める
戦車チトは、秘密を隠すため旧陸軍によって沈められたと言われています。場所は、浜名湖と猪鼻湖(いのはなこ)をつなぐ瀬戸(水深約16メートル)付近とされています。
装甲厚く、2両だけ生産
チトは全長6・3メートル、全幅・全高2・9メートル。75ミリ砲を搭載し、装甲も最大75ミリと厚かったようです。試作段階で2両しか生産されず、1両は米軍に引き渡されたとか。「秘密兵器なので米軍に渡せない」と言われたという元戦車隊技術兵の証言もあるそうです。
町おこしのため、発見に挑戦
戦車を探しているのは地元の人たちで作る「スマッペ」というグループ。2012年11月、「幻の戦車を見つけて町おこしをしたい」と計画を立案。これまで何度も水中を調べてきました。
いまだ発見には至らず
「戦車らしき物体発見」という報告は何度もありましたが、どれも浴槽だったり、いかだだったりしたそうで、なかなか戦車は姿を現してくれていません。
泥の中でもわかる磁気探査へ
戦車は目に見える状態ではないと判断し、今度は磁気探査を実施することに。そのための資金を、インターネットの「クラウドファンディング」を活用して募ることにしました。
地元に伝わる「戦車伝説」
地元のお年寄りには「戦車伝説」は昔からあったそうです。「クラウドファンディング」は、11月29日午後11時までに360万円以上集めることが目標。資金が集まれば来年早々にも探査するそうです。
四式中戦車は日本陸軍が対戦車戦闘のために設計製造した初めての戦車で一部では高性能と喧伝されてはいるが、実際にはM4と対抗できるもののその性能や戦闘力は火力で同等、防御力はやや劣り、無線や車内配置などのシステムとしてはかなり劣ると言った戦車のようだ。
しかし、それまでの日本の戦車は正面から米国のM4と撃ち合うことができないと言う弱体ぶりだったのでこの戦車に大きな期待が寄せられたのだろう。実際に相手の装甲を正面から撃ち破れる火力を備えた戦車を配備すれば日本陸軍はそうそう簡単に敗れるるような軍隊ではないことをフィリピンや硫黄島で証明している。
もしもこの戦車がまとまった数で配備されれば局地的には米軍を痛打して溜飲を下げることもあっただろうが、戦局を変えるなどと言うことは夢のまた夢だっただろう。米国はM4を5万両も生産配備して性能では大きく勝るドイツの戦車を圧倒している。性能でやや劣る四式をたった2両しか作れなかった日本が戦える相手ではなかった。
猪鼻湖に沈められた四式戦車は漁礁になっていて漁業補償の問題で引き揚げられないと聞いていたが、未だ発見されていないのだろうか。
Posted at 2014/09/24 23:23:03 | |
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