韓国軍は昨年9月、米国製のF35(写真)を次期戦闘機(FX)に決める過程で、メーカーのロッキード・マーチン社からアクティブ・フェーズド・アレイ(AESA)レーダーの統合など中心技術4件の移転を受けることになっていた。しかし、米国政府が技術移転を拒否したことが21日までに分かった。これにより、技術移転を前提に進められていた20兆ウォン(現在のレートで約2兆400億円。以下同じ)規模の韓国型戦闘機開発事業(KFX。別名ポラメ〈若タカ〉事業)に大きな支障が生じることになった。
韓国防衛事業庁(防事庁)が、最大野党の新政治民主連合に所属する安圭伯(アン・ギュベク)国会議員の議員室に提出した資料によると、韓国軍当局は昨年9月のFX事業で、7兆3418億ウォン(約7499億円)掛けて計40機のF35A戦闘機を配備する契約をロッキード・マーチン社と交わした。ロッキード・マーチン社は、AESAレーダーの統合、飛行制御、航空電子、武装など25件の技術資料および技術支援を韓国側に提供すると約束した。ロッキード・マーチン社は、契約当時、該当する各技術には数兆ウォン(1兆ウォン=約1021億円)相当の価値があるとPRしていた。このうちAESAレーダーは、一定の方向に電波を照射し、既存のレーダーよりも迅速かつ精密に目標を探知・追跡できるもので、電子戦能力まで備えた最先端のレーダーだ。韓国軍はこれらの技術を、2025年の実戦配備を目標として開発を進めているKFX事業に活用しようとした。
しかし米国政府は最近、25件のうち4件の統合技術について、安全保障政策などの理由から技術移転を承認しなかった。その4件とは、AESAレーダー、赤外線探索および追跡装置、電子光学標的追跡装置、電磁波妨害装置に関する統合技術だ。韓国軍当局は契約当時、これらの技術を入手するため、ロッキード・マーチン社と最後まで交渉を繰り広げていたという。
ロッキード・マーチン社側が合意事項に違反したことになるわけだが、しかし防事庁には、これを制裁するしかるべき手段がないという。このため防事庁は、AESAレーダー、赤外線探索および追跡装置に関する2件の統合技術は独自開発を推進し、残りは欧州のメーカーなどとの技術協力を通して開発することとした。
韓国のF35は正規の機体と比較すると性能が相当劣ることになるだろう。電子機器の自国開発は絶対に無理だろうし、欧州とは言っても40機のために最新型のFCSなどを開発するわけもないので既存の改良程度だろう。米国がF35の中核となる電子機器の提供を拒否したのは最近の韓国の中国への擦り寄りから技術が中国へ流出するのを嫌ったのだろうか。いっそ、中国製のJ31でも買った方が中国との友好がさらに深まるんじゃないか。
Posted at 2015/09/22 16:20:39 | |
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