芸がない-。「批判から提案へ」を旗印に掲げる民進党の蓮舫代表は9月28日の代表質問で、党代表就任後初めて安倍晋三首相との国会論戦に挑んだ。だが、論戦は残念な結果に終わった。提案は実現に向けた具体性が乏しく、批判の延長線上という域を出ず、「芸風、変わってませんね」という印象は拭えなかったからだ。「言うだけ女番長」。このままでは、そんな不名誉なレッテルがつきそうな予感が漂う。
「すっきりしない消化不良感が残った。(質問で)22回提案したが、首相の答弁をうかがっていると、むしろ、われわれの悪口で切り返された」
蓮舫氏は質問後、かみ合わなかった論戦の悔しさを記者団にぶつけたが、すっきりしないのには理由がある。
首相の経済政策「アベノミクス」について「成長につながらない政策を転換すべきだと提案する」「経済は全く好循環していない」-などと訴え、「人への投資」に重点を置くよう求めた。しかし、この訴えは先の参院選で有権者に受け入れられず、与党大勝を許したはず。それを今さら繰り返しても、首相に届くわけがない。
「(参院選では)アベノミクスの加速を最大の争点とし、国民の力強い信任をいただいた」。首相から簡単に切り返されるのがオチだった。
保育士給与引き上げなどの法案を取り上げても、「恒久的な財源の確保が明らかになっていない」「100の言葉より1の結果だ」と余裕の表情で一蹴された。
旧民主党は国民受けする数々の政策を提案したものの、財源を捻出できずにブーイングを浴びた過去がある。だが、その教訓は生かされず「批判先行」のワンパターンな手法は代表が交代しても、目立った変化はみられない。
さらに、代表質問では社会保障分野に多くの時間を割き、安全保障や憲法改正など国家観を問われるテーマに触れなかった。いずれも寄り合い所帯の民進党にとって党内を二分するテーマだけに、対案どころか、党内の意見集約さえ難しいのが現状だ。仮に、質問しても「民進党の統一見解はあるのか」と首相に切り返されるのは目に見えている。
同情の余地もないわけではない。非正規労働者も含めてさまざまな人が活躍できる多様的な社会を目指す「1億総活躍社会」、同一労働同一賃金に代表される「働き方改革」を安倍政権は掲げている。元をたどれば、旧民主党時代から訴えていた金看板の理念や政策だが、政権側にパクられ、対案を出そうにも出せない「対案封じ」に直面しているからだ。逆にいえば、政権側が一枚上手ともいえる。
それでも、臨時国会召集日の26日、首相の所信表明演説に対する感想を求められた蓮舫氏は「伝わるものがない。国民に何を伝えたくて、私たちに何を提案してもらいたいのか。思い入れが今までで一番なかった」と批判した。
「首相の答弁は誠実さに欠ける」「旧民主党政権時代の悪口ばかりだ」-。岡田克也前代表時代から衆参両院の予算委員会など国会論戦のたびに、お約束の反論が繰り返されてきた。提案型政党への脱皮を目指す蓮舫氏の発言も「こんな政権側の姿勢では提案したくても、できません」というトーンが色濃く、責任を転嫁しているように映る。
もっとも、蓮舫氏に求められているのは国会論戦よりも「選挙の顔」だ。知名度は言うまでもなく高く、切れ味鋭い弁舌は、聴衆を引きつける武器であることは間違いない。党関係者が蓮舫氏をワインに例えてこんな評価をしてみせた。 「おいしいか、まずいかは分からないが、とりあえず人気はあるワイン」。つまり「人気先行」というわけだ。
続きがある。「二重国籍問題などで一部の“ソムリエ”からはボロクソに言われていますが…」
言い得て妙。おそらく白の服を好む蓮舫氏だけに「白ワイン」を連想してしまうが、初陣となる10月の東京10区、福岡6区の衆院ダブル補欠選挙で、民進党が共産党など他党との共闘に踏み切れば「赤ワイン」に変質するのだろうか。「蓮舫ワイン」の人気は右肩下がり。有権者は“悪酔い”してしまいかねない。
政党と言うのは政策を掲げて国民にその是非を問うもので与党の政策を「ダメだ、ダメだ」ばかり言っていても始まらない。右から左の寄せ集め所帯では統一政策など出せるわけもないし、当たり障りなく国民に耳障りのいいことと言えば社会保障関係くらいしかないのだろう。レンホー代表も政策や統率力を買われたわけじゃなく、広告塔としての価値を買われたのだからせいぜい票を集められるようにそっちの方で頑張った方がいい。基本難しいことは無理そうだから、・・。
Posted at 2016/10/04 14:48:13 | |
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