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2017年08月11日 イイね!

翼の向こうに(80)




「ずいぶん手厳しいことを言うな、貴様も。もしも俺がそうかもしれないと言ったら貴様は何と言う。今の日本で一番豊富な戦略物資は人間だからな。しかし俺達には生まれる場所や時代を選ぶ権利はない。もしも時代が俺達を爆弾や砲弾の代わりとして必要としているのなら、それはずいぶん過酷な運命だが、それもこの時代を生きる者の義務なのかもしれない。

 
しかしな、俺達はただの鉄や火薬の塊ではない。自分達が直面しているこの運命を考えて何かを残すことはできるはずだ。どうしてこの国は国民に爆弾や砲弾の代わりとなることを要求するまで追い詰められてしまったのか。そこに至った過程を考えて後の世代に残すことはできる。二度とこんな過酷な運命を国民に押し付けることのないように。そのためにはどうすべきだったのか。

 
日本は開国以来近代国家に必要な高度な知識を例の金科玉条暗記教育で極めて短期間のうちに効果的に国民に広く行き渡らせることに成功した。しかしそれは必要に応じて教育を行う側が取捨選択した知識を一方的に流し込んで記憶させただけで、元来集団への帰属意識が強いこの国の国民に自ら考え、自ら判断することを放棄させてしまう結果になってしまった。

 
今度の戦争は単に兵器の性能や生産力だけの敗北ではないのかもしれない。日本は練り上げた戦略が崩れてしまったら、後はただ手もなく智恵もなく同じ戦法を繰り返しては手の内を敵に曝け出し、何らなすところなく半ば自滅するように敗戦を重ねてしまった。考えれば戦い方は幾らでもあったはずだ。いや、戦術や戦略だけに限ったことではない。政治、外交、科学技術、文化、すべての分野にわたって我々の知性は欧米のそれには遠く及ばなかった。

 
だからこそ何とか欧米に追いつこうと無理を重ねた。その結果が今度のこの戦なのかもしれないな。この戦は戦力や生産力といった有形的なものだけでなく知性や文化という無形の財産でも我々が彼等に及ばなかったことを証明しているようなものなのかもしれない。

 
日本は間もなくこの戦に破れる。日本の国力は敵の攻勢をあと半年も持ち堪えることは出来ないだろう。そして敗戦後は米国の管理下に置かれることになるだろう。一部の者たちは敗戦後米国の管理下に置かれることを国家の破滅のように考えて異様に恐怖しているようだが、俺はそのことはあまり心配はしていない。

 
米国は現体制の破壊と戦争犯罪人の断罪といったことは自国に都合の良い新体制の構築と併せて徹底して行うかもしれないが、陸海軍の士官全員を処刑するとか、男を全員去勢するなんてそんなばかげたことはしないだろう。しかし彼等の独善的な正義感や主義主張を日本に強引に押し付けてくることは大いにあり得るだろう。それにしても日本人はそれが誰であろうと共同体の長には極めて従順だ。それが誰であろうと、きっと長に従ってよく仕え、長にとっては良き民となることだろう。

 
戦後の混乱にしても俺はそれほど長くは続かないと思っている。米国はきっと敗戦国に正義の味方を気取って充分な援助をするだろうし、ソビエトや中国などの大陸国家の動向に次第では日本は米国にとって手放すことのできない西太平洋の戦略上の要衝となるだろう。元来創造力や柔軟性といったことを除けば、勤勉で優秀な日本の国民はおそらく十年もすれば戦後の混乱を抜け出して再びこの国を成長期に移行させるだろう。

 
そしてその頃には現在欧米の植民地となっているアジアの諸地域も順次独立してアジア圏という国際地域社会の形成に向かって動き出すだろう。その中でやはり政治的にも経済的にもアジア圏の牽引車としての能力を持った国は、まあ国際地域社会を主導する資質のひとつとして当然相応の軍事力に裏打ちされた外交能力を備えていることが条件で、日本がその時そうした外交能力を備えているかどうかは今の時点では疑問だが、妥当な考え方をすれば日本ということになるだろう。あるいは日本はアジアの牽引車でなければならないのかもしれない。ただし、それにはいくつか条件がある。

 
この国はいつも内側を向いて自分たちの世界の中で結束しようとする。要するに何か問題が起こると状況を分析しようとしないで自分たちの理論だけで自分たちの共同体だけを保全しようとする傾向を持っている。まず自分と近親者という考え方だ。それは確かに誰にとっても真理なのだが日本人はあまりにもそれを天真爛漫に露骨に表に出しすぎる。それでは他国は後について来ない。力を持った国ならばそうした国々よりもまず先に立って汗を、そして時には血を流すことも覚悟しなければいけない。

 
しかしお人好しに汗や血を流し続けていたのではただ国家が疲弊するだけで何の利益もなくなってしまう。そういう時にこそ冷徹なほど客観的な状況判断とその状況に応じた的確な対策を立て得る能力が求められるのではないかと俺はそう考える。日本という国の再生と発展だけを考えるなら、たとえ今回の戦争でこれだけの破壊を被ったとしても、俺はそう難しいことではないと思う。しかしアジア圏という国際地域社会の中で牽引車となって他の国家とともに発展を共有するには相応の資質が要求される。だからこそこの戦いが終わって生き残っていたらもう一度学問ということを考え直してみようと思うんだ。


『学問とは何か。そして何のためか。』

 
大上段に振りかぶって答えればそういうことだが、要するに我々は何をどのように学ばなければならなかったか、これからどのように学んでいけばいいのか、それをしっかりと考えてみようとそういうことだ。物質的な裕福さを回復するのはそう難しいことではないと思う。しかし知性や文化を育て上げて真に成熟した国家を創り上げることは決して容易くはない。何をどのように学んで身につけていくのか、全く例のないことを考えていかなければいけない。それは日本人が最も不得手とするところだ。だからこそ誰かが取り組んでいかなければこの国はまた近い将来同じ過ちを繰り返すことになる。

 
貴様にしても俺にしてもこの戦に生き残ることは難しいだろう。貴様もざっと数えてももう三回は死に損なっている。俺はもっと数が多い。しかし、もしも生き残ったらこのことは必ずやらなければいけない。戦の酷さ、悲惨さを、身を以って体験した我々が徹底的に今度の戦を分析して今後の日本の将来に役立てること。それがこの戦で死んでいった者たちに対する餞であり義務なんだと思う。

 
なあ、武田、貴様の言うとおり学問は、そして知性は誰にとっても優しいものでありたいし、そうでなければいけないのかもしれないな。学問は特定の者たちの閉ざされた特権ではなく、誰にも開かれた大らかな優しい知性であるべきなのかもしれないな。

 
この数十年間、日本の学問的な教育は常に実社会の役に立つか立たないかという視点で捉えられ、その結果を重視して行われてきた。あるいは時として学問は人間を計る道具としても用いられてきた。もちろん学問にも結果は付き物だし、それはそれで大切なことなのだが、教育の場においてはむしろ結果よりも結果に至る過程こそ重んじられるべきではないのか。

 
結果はこうなのだ、ではなく、どうしてそうなるのか。もしも結論が間違ったら一体何処でどうして間違ったのか、それを考えることこそ本当に必要なことではないのかな。状況を取り込んで考えること、それこそ日本が本当に力を入れて取り組むべきことだったのではないのかな。そうして複雑かつ流動的な状況に柔軟に、そして的確に対応できる人間を育てておくべきではないのかな。

 
米国にはケーススタディとか危機管理という事案対処方法があるそうだ。ある事案に対して考え得るあらゆる状況を想定して、それぞれその状況についてどのように対処するか、その得失を研究する方法や考え得る最悪の状況を想定しておいて、その状況に如何に対処するかを研究するやり方だという。

 
そういえば海軍にも図上演習という似た様なやり方があったな。伝え聞いた話では正規の方法で対米戦を行うと何度演習をやり直しても三年もしないうちに連合艦隊は何処に集まっても敵の空襲を受けるまでに追い詰められ、それこそ『天が下、隠れる場所もなし。』という惨状になってしまったらしい。それで陛下の御前で図上演習をする時には連合艦隊が絶対に負けないように想定を変更して、期限を区切ってやっていたらしい。まさか陸海軍は全滅、日本は敗北という演習を見せるわけには行かなかったからだそうだが、状況によっては事実を率直に伝える勇気も必要だったのかもしれない。

 
一体誰が戦争を始めたのか。政治家は軍部が武力を背景に暴走したと言うだろう。軍部は政治家の無能無策を責め、国家の計を案じて敢えて開戦したと訴えるかもしれない。しかし政府にしても軍にしても『日本は戦えない。戦えば敗北する』とは言い得なかった大きな流れがあったのではないのか。それはこの国独特の情という概念なのかもしれない。政府は富国強兵のために軍を育ててきた。その軍は政府を乗り越えて巨大化してしまった。

 
その巨大化した軍は国民に富国強兵思想を植え付けて育て上げた。今度は『日本は不滅不敗の神国だ。』という国民一人一人の情が軍を乗り越えて巨大化してしまい、政府はおろか軍さえもこれに反して正面切って非戦論を唱えることはできなくなっていた。後はもう運を天に任せて戦争へとなだれ込む以外に誰にも方法はなかった。本当なら将来に向かっての目標をきちんと設定して、あらゆる状況を客観的に検討して必要に応じて修正を加えながら、どうしたらその目標を達成できるかをしっかりと考えなければいけなかったのに結局は情に流されて運に任せて開戦してしまった。

 
もう二度とこんなことが起こらないように、もう一度しっかりと学び直すべきだな、俺達は。柔軟な思考、冷徹な分析力、的確な判断力、情に流されない強固な意志、時に真実を公言できる勇気、そして優しさ。俺達はどうしたらそう言ったものを身につけることができるのか、それを真剣に考えていかなければいけないのかもしれないな。」


Posted at 2017/08/11 23:55:51 | コメント(0) | トラックバック(0) | 小説2 | 日記
2017年08月11日 イイね!

トランプおじさんも吼える、・・(^。^)y-.。o○。




トランプ米大統領は10日、北朝鮮が米領グアム島周辺への弾道ミサイル発射を計画していることについて、「グアムに対して何かすれば、誰も見たことのないような事態が北朝鮮で起きることになる」と述べ、報復する考えを表明した。


 滞在先のニュージャージー州で、記者団に語った。


北朝鮮が米国を脅すなら「火力と怒りに直面する」と威嚇したトランプ氏の発言に「好戦的すぎる」と批判が出ていることに対しては、「まだ厳しさが足りなかったかもしれない」と主張。「軍も(発言内容を)100%支持している」と強調した。北朝鮮に先制攻撃を仕掛ける可能性に関しては、言及を避けた。

 
また、国連安保理で対北朝鮮制裁決議が全会一致で採択されたことに触れ「中国とロシアが賛同したことに敬意を表する」と表明。北朝鮮が経済面で依存する中国について「もっとできるだろうし、やってくれるだろう」と制裁の厳格な履行に期待を示した。




北のバカ大将もバカじゃないので不用意なことをすれば米国の報復を受けて国が消滅することくらい分かっているだろう。米国にしても北朝鮮を軍事的に崩壊させることは容易いが、韓国、日本などの同盟国やそこにある自国の基地に勤務する米国人に被害が出るだろうし、米本土にも報復があるかもしれない。また中露の出方によっては戦果は北朝鮮だけでは済まなくなる可能性がある。そうしてお互いに竦んでいる間に北のバカ大将は着々と弾道弾の性能を上げ核弾頭を開発している。困ったものではあるが、どうにもならないだろう、・・(^。^)y-.。o○。
Posted at 2017/08/11 10:45:30 | コメント(0) | トラックバック(0) | 軍事 | 日記
2017年08月11日 イイね!

中国公船、佐多岬から鹿児島半島周辺の海域で領海に侵入、・・(^。^)y-.。o○。




10日午前、中国の公船2隻が佐多岬沖から薩摩半島沖を通過し、領海に侵入していたことが分かりました。領海に侵入したのは、中国の海警局所属の「海警2506」と「海警1304」です。


十管本部によりますと、10日午前6時すぎ、佐多岬の南の沖合およそ14キロの日本の領海に、この2隻が侵入するのを十管本部の巡視船が発見しました。2隻はこのあと領海内を西におよそ130キロ航行し、いずれも正午前までに、南さつま市の草垣群島の沖から領海を出たということです。


国際法では外国船が領海内に侵入しても、沿岸国の平和や秩序に害を与えなければ、目的地に向け航行できる「無害通航」が認められています。政府は今回の侵入が「無害通航」にあたるか分析しています。


鹿児島県内の海域では、去年6月に中国海軍の情報収集艦が口永良部島沖の日本の領海に侵入したのが確認されていますが、佐多岬沖と薩摩半島沖の領海に中国の公船の侵入を確認したのは今回が初めてだということです。




これは南シナ海での海自の活動に対する意趣返し以外の何物でもないだろう。中国は米国にも「国際法を侵して中国の主権を侵害した」と抗議したそうだが、一番、国際法をないがしろにしているのは中国だろう。「自分良ければすべてよし」も自国内でやっている分には構わないが、外に出てきてやりまくられると大きな迷惑ではある、・・(^。^)y-.。o○。

Posted at 2017/08/11 10:44:11 | コメント(0) | トラックバック(0) | 軍事 | 日記
2017年08月11日 イイね!

SM3、PAC3は北の弾道弾を破壊できるか、・・(^。^)y-.。o○。




防衛省の前田哲防衛政策局長は10日の参院外交防衛委員会で、核兵器が搭載された弾道ミサイルを自衛隊が迎撃した場合、一般論と断った上で「迎撃により起爆装置などの機能は喪失する。核爆発による被害は発生しない」との認識を示した。

 
無所属のアントニオ猪木氏への答弁。

 
米報道によると、米国防当局は北朝鮮がミサイル搭載可能な水準まで核弾頭の小型化に成功したと分析している。政府はこれまでに、サリンなどの化学兵器が搭載された弾道ミサイルを迎撃した場合も、破壊時の熱などで無力化されるとの見解を示している。 




1万2千キロで飛んでくるミサイルに同様の速度で弾頭を当てるのだから双方の運動エネルギーたるや大変なもので弾頭は木っ端微塵に破壊されるだろう。PAC3はもう少し速度が低くなるが、それでも弾頭はこれも完全に機能を喪失するだろう。SM3の場合は宇宙空間だから破片が落ちることはないが、PAC3の場合は破片が周辺に落ちることになる。その中には放射性物質もあるだろうから地上は無傷とはならないだろうが、核弾頭が起爆するのとは比較にならないほど被害も小さいだろう。ただし、これは迎撃に成功すればの話ではあるが、・・(^。^)y-.。o○。
Posted at 2017/08/11 10:42:24 | コメント(0) | トラックバック(0) | 軍事 | 日記
2017年08月11日 イイね!

北のバカ大将に備えてPAC3を中国・四国に配備、・・(^。^)y-.。o○




北朝鮮が米軍基地のある米領グアム島周辺の海域を狙ってミサイルを撃つと警告したことを受け、政府はコースを外れて日本に落下した場合を想定し、地上配備型迎撃ミサイル「PAC3」を中国・四国地方の計4カ所の陸上自衛隊の駐屯地に展開する方針を固めた。北朝鮮の動向を見極め、一両日中に最終決定する。複数の日本政府関係者が明らかにした。

 
政府関係者によると、国家安全保障局(NSS)などは、北朝鮮からグアムに向けて発射された際の弾道ミサイルの飛翔(ひしょう)コースを推定。航空自衛隊のPAC3の発射機などを、海田市(広島県)、出雲(島根県)、高知(高知県)、松山(愛媛県)の四つの陸自駐屯地に展開する方針を固め、陸自と調整を始めた。一方、海上自衛隊も、海上配備型迎撃ミサイルSM3を搭載したイージス型護衛艦1隻を日本海に展開し、警戒監視にあたっている。(土居貴輝)




PAC3は局地防衛のためのミサイルだから広い範囲は守れない。数に限りがあるので人口密集地や重要防護対象がある地域に配備されるとやはり中国・四国は、・・と言うことか。まあ、移動式なんで必要に応じて持って行けばいいんだけど、射程2~30キロ・・、射高15キロ程度では中国・四国全域をカバーするのは無理だろうけど、・・(^。^)y-.。o○。
Posted at 2017/08/11 10:41:04 | コメント(0) | トラックバック(0) | 軍事 | 日記

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ntkd29です。CB1300スーパーボルドールに乗って11年、スーパーボルドールも2代目になりました。CB1300スーパーボルドール、切っても切れない相棒にな...
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