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2017年08月19日 イイね!

翼の向こうに(82)




八月六日、何時ものように待機していた我々に広島に敵の新型爆弾が投下されたとの報告が入った。たった一発の爆弾で都市が一つ消滅してしまったという噂が飛んだ。単機で侵入してくるB二九には注意せよと指示が発せられたが、たった一発で都市が消滅してしまうような爆弾を使われたら、もう我々にできることは何もないように思えた。

 
そして八月九日、ソ連が中立条約を破ってソ満国境を越えてなだれを打って南下を開始したという知らせが入った。その日の昼前、長崎の方向に光が走り、その後空がなんともいえない不気味な濁ったオレンジ色に染まった。全員が滑走路脇に出て空を見つめていた。


「この間、広島に落とされた新型爆弾じゃないのか。」

 
そんな囁きがあちこちから聞こえた。それからしばらくして長崎が広島と同じように一発の爆弾で壊滅したという知らせが入って来た。


「原子力爆弾。何かの本で読んだことがある。ウラニウムという物質が分裂する時、莫大な熱エネルギーを放出するとか。日本では理論上のこととしか認識していないようなものを、まさかそんものを敵は開発していたのか。」


高瀬は指揮所の椅子に体を投げ出すように腰掛けるとため息混じりにつぶやいた。


「ソ連も中立条約を無視して宣戦布告してきたようだ。」


「卑怯な奴等だ。」


私が拳を握り締めると高瀬は飽きれたように笑った。


「条約なんか律儀に守っている方がお目出度いんだ。特にソ連とドイツなんか、これまで何度条約を一方的に破ってきたことか。そんなものを信じて縋っている方がお目出度いんだよ。」

 
高瀬は目を瞑った。そしてしばらく黙っていたが、やがて目を開くと立ち上がって焼け焦げたような色をした空を見上げた。


「いよいよだな、時が動く。」

 
高瀬はそれ以上何も言わずにまた椅子に深々と腰を下ろした。高瀬が終戦を言っていることは明らかだったが、我々には徹底抗戦か終戦か、この先はただ成り行きを見守る以外にはなかった。その日の夕方、飛行長から「翌日から稼動全機を以って敵を迎撃する。各員、皇国の御盾となって帝国海軍の誇りを汚さぬよう生死を省みず勇戦敢闘せよ。」との指示があった。誰も言葉を発する者はなかったが、心の中では誰も死を決していたようだった。私自身もこれで死ぬんだろうと覚悟を決めたが、差し迫った実感に乏しかった。

 
翌日、早朝から戦闘機が滑走路脇に引き出された。稼動全機といっても二十五機、最盛期の一個飛行隊分だったが、それでも久しぶりに滑走路に並んだ戦闘機の群れは壮観で頼もしかった。目を引いたのはどの機体も塗装が直され、胴体と翼に何時もより一回り大き目の日の丸が鮮やかに描かれていたことだった。


「何だ、死に化粧か。」


誰かが大声をあげたのに待機していた搭乗員が沸き返った。


「山下隊長の弔い合戦だ。」


「いや、海軍の弔い合戦だ。」


「海軍は死んではいないぞ。俺達が生き残っている限り健在だ。」


「広島と長崎の弔い合戦だ。」

 
戦力は隔絶してしまっているばかりでなく兵器の性能も大きく水を開けられ、更にはその劣勢な戦力自体が枯渇している国の軍隊がまだこれほどの士気を保っていることはある意味では驚異だった。確かに部隊としては敵と互角以上に渡り合ってはいたが、それにしても誰もが明るく振舞い、敗戦続きの陰惨さなどは微塵も感じられなかった。その日、我々は終日戦闘体制で待機し、午前と午後の二回稼動全機で制空飛行を行ったが、敵機の来襲はなく戦闘は行われなかった。

 
翌日も同じように早朝から戦闘体制で待機していた我々は沖縄を発進した敵の戦爆連合約百機が接近中との情報を得て空へと舞い上がった。発進前の司令の訓示は「徹底的に撃墜せよ。」の一言だった。味方は一緒に上がった他の部隊の零戦を合わせて約五十機、これまで温存していた航空機と燃料を大盤振る舞いしたような出撃だった。

 
上空で待機して待ち構えていた我々の戦法を見越していたのか、敵は七、八十機の戦闘機をぶつけてきたが、会敵した後の戦闘は例によって呆気ないほど短時間で終わった。敵は対空砲火を避けようとしたのか、比較的高い高度で投弾すると退避して行った。それに合わせるように敵の戦闘機も我々に深く絡みつくことなく、爆撃機が退避したのを確認すると早々に引き上げて行った。味方は七機を撃墜した代償に五機を失った。これが部隊としての組織的な最後の戦闘になった。

 
翌日も散発的な攻撃や偵察機の飛来はあったが、味方が迎撃に上がると飛び去ってしまい戦闘は行われなかった。敵の行動が意識的に戦闘に深入りするのを避けようとしているかのようで、そのことが我々を戸惑わせた。中には敵がかかってこないならこっちから敵に殴り込みをかけようと威勢のいいことを言い出す者もいたが、散発的な特攻は続いてはいたものの全滅を覚悟でたった一回だけの攻撃ならとにかく、この先の戦闘の継続を考えると我々にそんな余力がないことは誰の目にも明らかだった。

 
毎日同じような状態が続いた。敵機の来襲はあるものの、その攻撃は決して積極的とは言えなかった。敵は高高度又は遠距離で投弾しては飛び去っていった。敵襲は五月雨的に終日続いたために我々は緊急発進を繰り返したが、一部が敵機に射弾を浴びせて白煙を吐かせたのみで撃墜はなかった。

 
八月十四日の早朝も我々は戦闘待機のため待機所にいた。そしてこれまでのように食いついてこない敵機を捉えて撃滅する方法を議論していた。空中で待機していてもうまく敵機の来襲時を捉えることができないと返って不利な態勢で敵襲を受けることにもなりかねないし、部隊を分散して空中待機をするほどの稼動機数もなかったことから結局は敵襲の情報を得たらできるだけ早く発進して有利な態勢で迎撃するというこれまでの方法を取らざるを得なかった。

 
戦闘配食の握り飯を食べ終わってちょうどそれぞれに寛いでいる時だった。拡声器が大村湾へのPBYの侵入を告げた。出漁中の漁船などが攻撃を受け被害が出る恐れがあると指揮所は付け加えた。


「三小隊、出るぞ。」

 
高瀬は山下隊長の後を引き継いだ木村大尉を振り返った。木村大尉は黙って頷いた。私は老人と少女が無残に撃ち砕かれたあの時のことを鮮明に思い出した。もろ肌を脱ぐように引き下ろしていた飛行服を元に戻すとマフラーを巻き直し手袋をはめて島田一飛曹に目で合図をした。島田一飛曹は黙って頷くと列機に手で合図をしてから立ち上がった。誰もがこの任務を「ちょっと横丁までお使い。」といった程度に考えていた。それでも立ち上がれば行動は素早かった。我々八機は空中に上がると真っ直ぐに大村湾を目指した。



Posted at 2017/08/19 18:00:45 | コメント(0) | トラックバック(0) | 小説2 | 日記
2017年08月19日 イイね!

「みちびき3号機」打ち上げ成功、H2Aは29回連続打ち上げ成功、・・(^。^)y-.。o○。




日本版GPS(全地球測位システム)の構築のため、三菱重工業と宇宙航空研究開発機構(JAXA)は19日午後2時29分、政府の測位衛星みちびき3号機を載せたH2Aロケット35号機を、種子島宇宙センター(鹿児島県)から打ち上げた。みちびきは予定通り高度420キロで分離され、打ち上げは成功した。

 
みちびきは米GPSと組み合わせることで、測位誤差を現在の約10メートルから最高で6センチ以下に縮めることができる。政府は当面、4機体制での運用を計画。最後の4号機を10月にも打ち上げ、来年度に測位サービスを始める予定だ。

 
3号機は赤道上空にとどまる静止衛星で、その他は交代で日本上空をカバーする「準天頂衛星」。現在利用している米GPSなどでは障害物となるビルや山などに影響されず測位できる。自動車やトラクターの自動運転、ドローン(小型無人機)の物資輸送などへの応用が期待される。




これで29機連続打ち上げ成功、成功率も97.1%に上がった。日本のロケット技術もすごいねえ。三菱重工の株も少しは上がるかな。弾道弾も朝飯前、・・・おっとと、・・・そんなこと言っちゃあいけないんだな、・・(^。^)y-.。o○。
Posted at 2017/08/19 15:43:54 | コメント(0) | トラックバック(0) | 軍事 | 日記
2017年08月19日 イイね!

大型二輪に乗ろう(8月19日は「バイクの日」、・・(^。^)y-.。o○)




1989年、政府総務庁(現在、内閣府)交通安全対策本部は交通事故撲滅を目的に、8月19日をバイクの日に制定しました。全国自治体の交通安全対策室や地元警察は、この8月19日を中心に、二輪車の安全運転講習会等を展開しています。さらに、二輪車の楽しさ、利便性、有用性などバイクライフの素晴らしさを、より多くの皆様にご理解していただくために、毎年7~9月の3ヶ月間をバイク月間として、 2000年7月にスタートしました。以来、全国各地で数多くの活動を展開しています。

以上~「日本二輪車安全普及協会」

8月19日は「バイクの日」だそうだ。なぜかと言うと「819」で「バイク」、日本人の大好きな語呂合わせ、・・。で、新宿かどこかでイベントもあるそうだ。でも、そうしてあれこれやってはみてもバイクの人気はなかなか高まって来ない。若い世代の車離れ、購入価格・維持費が高い割には実用性がない、特に大きくなればなるほどその傾向が強い、暴走族・旧車會の活躍で社会悪と言うイメージが付きまとう、そして「バイク=危険」と言うイメージ、・・。


若者の車離れ、これは世代の傾向なのでどうしようもないだろう。金がかかる。これは売れない=開発費、製造コストなどが価格に跳ね返るの負のスパイラルでこれも売れないことにはどうしようもない。バイクは危険、そして社会悪、・・。先ず危険と言うことだが、今年6月末までの神奈川県の交通事故死亡者は67人で、内訳は自動車7人、自二車8人、原付5人、自転車8人、歩行者39人だそうだ。これを見ると歩いているのが最も危険と言うことになる。


バイクは自転車と同じ、車ともそう変わらない。原付と言うのは自動二輪車とはちょっと違う乗り物なんでこれは別、・・。まあ走っている台数とか様々な問題があるので死亡者の数だけで一概には言えないが、自動二輪車が取り立てて危険と言うこともないと思う。社会悪、・・これはバイクが悪いわけじゃなくてそう言う乗り方をしているのが悪いので八つ当たりのような批判だろう。


で、最後はバイクは危険かと言うことだが、それも乗り方による。バイクで事故に遭う確率は車と同じようなものだと思う。バイクはスピードが出る。リッターオーバーの大型だと0-100加速は2秒前後、そんな加速をする市販の四輪はないのでほとんどレーシングカー並みではある。四輪で言えば軽に500から1000馬力のエンジンを付けたくらいな感じだからこれもレーシングカー並みではある。最高速は四輪が速いが、それは乗っている人間が空気抵抗になっているからで人間が乗らなければ400キロ以上の速度が出るだろう。


ところが二輪で自立出来なくて重心が高くタイヤの接地面積が極めて小さいバイクはコーナリング性能などの運動性が極めて悪い。ブレーキも効くことは効くが、60キロ以上で急制動などかけたらよほどうまく制御しないとこけるだろう。だからバイクはあまり飛ばしてはいけない。それよりも高速では80-120キロくらいの範囲での加速を楽しむべきだろう。


一般道では四輪と調和してすり抜けや左側追い越しをしないで走る。そして周囲をよく見る。バイクに乗ったことがないドライバーは基本バイクを見ていない。バイクの前にいきなり飛び出したり割り込んだりするので注意しないと危ない。


そしてバイクに乗る時はヘルメットはフルフェイス、ある研究機関がライダーが事故に遭った時に頭部のどこを負傷するか調べたところ、顔面が60%だそうだ。そのうちの40%が顎、側頭部、後頭部が30%、頭頂部は10%未満だそうだ。そうするとチンガードのあるフルフェイスが断トツ安全と言うことになる。中国製など絶対にいけない。あんなもの、スイカかかぼちゃの皮をかぶっていても同じようなものだ。


それから胸部、背部、両肘、両膝くらいはしっかりプロテクターを着ける。何を着けていてもダメな時はダメだが、プロテクターを着けているのといないのでは天と地ほども違う。うちで教習中に結構派手にこけてもプロテクターのおかげでほとんどかすり傷も負わない。プロテクター、あれはなかなかすごい。ぜひ装着するべきだろう。


バイクと言う乗り物、あれは頭を使わないときれいに走れないスマートな乗り物だと思う。なぜかと言えば四輪とは違ってバイクには常に転倒の危険が付きまとう。そこで周囲の状況、路面の状況、そしてバイクの状況を常に確認しながら瞬時に決断を下して自分がバイクの一部になって体を使って操作しないとバイクはうまくきれいには動かない。そんなスマートな乗り物だ。


だからぜひみんなが「バイクっていいな」と思うようにきれいにスマートに走ってバイクをもっともっと世間に普及させよう。どうしても速度とコーナリングにかけて走りたい人は公道ではなくてサーキットに行こう、・・(^。^)y-.。o○。
Posted at 2017/08/19 10:40:04 | コメント(0) | トラックバック(0) | バイク | 日記
2017年08月19日 イイね!

自分たちはとんでもない選択をしたかもしれないと思い始めた米国民、・・(^。^)y-.。o○。




サンダース米大統領報道官は18日、スティーブ・バノン大統領首席戦略官・上級顧問が同日付で辞任すると発表した。

 
バノン氏は昨年の大統領選で選対本部最高責任者としてトランプ大統領を勝利に導いた立役者で、側近中の側近だった。保守強硬派の政策を主導した「黒幕」と目されてきたが、政権で内紛も絶えず、事実上の解任とみられる。

 
トランプ政権では2月に国家安全保障担当大統領補佐官だったフリン氏がロシア疑惑に絡み辞任したほか、7月にはスパイサー大統領報道官、プリーバス大統領首席補佐官、スカラムチ広報部長が相次いで職を離れた。政権発足から7カ月となるが、ホワイトハウス高官人事の混乱が続き、支持率が低迷するトランプ大統領への打撃は避けられない。

 
サンダース報道官は声明で「ケリー首席補佐官とバノン氏は、本日をもってバノン氏の最終日とすることで互いに合意した」と述べた。プリーバス氏の後任として7月末に就任したケリー氏は、混乱するホワイトハウスの立て直しを図っており、ワシントン・ポスト紙によれば、バノン氏解任はケリー氏が決定した。

 
保守系メディア「ブライトバート」を運営していたバノン氏は昨年8月、トランプ氏の選対本部に入り、民主党のクリントン候補に対して世論調査で終始不利と見られたトランプ氏の勝利に貢献。政権発足当初から首席戦略官・上級顧問を務めてきた。首席戦略官はトランプ政権独自の役職で、後任が任命されるかどうかは分からない。

 
バノン氏は、イスラム圏一部諸国から米国への入国禁止や地球温暖化防止に向けたパリ協定からの離脱といった政策を主導したとされる。ホワイトハウス内では大統領の長女イバンカ補佐官とクシュナー上級顧問夫妻ら中道派との対立がたびたび伝えられた。今週の米メディアとのインタビューでは、北朝鮮問題に「軍事解決はない」と政権の立場とは違う見解を示したり、政権内で対立する勢力と闘うと宣言したりしていた。




米国も今回の大統領選挙に関し、「もしかしたら自分たちはとんでもない選択をしてしまったのかもしれない」と思い始めているようだ。日本が民主党政権をセンタkして味わった「こんなはずじゃなかった感」を今米国人が味わっているんじゃないだろうか。どこの世界もそうだが、政治の世界には独特のしきたりや力学がある。それを知らない素人が飛び込んで行ってもなかなかうまく動かすことが出来ない。日本にまともに国政を動かせるのが自民党しかないのは政策立案能力もさることながらそうした仕切りをうまく動かせないという面もあるだろう。そしてどうせ政権につけないなら「何でも反対・万年野党」でもそれなりうまい汁は吸えるからそれでいいかということになる。素人を政権の中心に据える場合はそれなりのスタッフで周辺を固めてトップはそのスタッフとうまく折り合ってやって行かないといけないのに素人トップは暴走する、それに嫌気してスタッフは去っていくではこの政権も危ないだろう。去って行ったスタッフから何が飛び出すか分からないし、・・。日本の民主党は日本だけの話だったが、米国の政権は世界を動かす。あと3年と少し、トランプおじさん政権はどこに行くのだろうか、・・(^。^)y-.。o○。

Posted at 2017/08/19 10:38:46 | コメント(0) | トラックバック(0) | 政治 | 日記

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ntkd29です。CB1300スーパーボルドールに乗って11年、スーパーボルドールも2代目になりました。CB1300スーパーボルドール、切っても切れない相棒にな...
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