安倍晋三元首相が奈良市で銃撃、殺害された事件で、警察庁は25日、当時の警護警備の問題点の検証結果と再発防止のための改善策を報告書にまとめ、発表した。過去の警護計画を安易に踏襲したため安倍氏の演説の際の計画に不備が生じ、組織的な対応も欠いていた結果、事件を招いたと指摘。これまで都道府県警任せにしてきた要人警護の運用を抜本的に見直し、計画を事前に審査するなど警察庁の関与を強める。
検証結果では、警護の現場の問題と計画上の問題があったと整理。現場の問題では、もともと安倍氏の後方(南側)を警戒していた警護員の警戒方向が変更されたが、現場指揮官らは他の要員を補充する対応をとっていなかった。このため、安倍氏の近くで警護にあたっていた警護員やほかの警察官の誰もが、山上徹也容疑者(41)が安倍氏の後方に近づくのに気づかず接近を許したと指摘した。
計画上の問題では、安倍氏の後方に危険があることは明らかだったのに、奈良県警本部長までの決裁の過程で必要な検討や指摘がなされていなかった。同じ場所で約2週間前に行われた自民党の茂木敏充幹事長の演説で混乱などが発生しなかったことから、その際の警護を安易かつ形式的に踏襲して後方警戒の必要性が考慮されていなかったとした。これらについて報告書は、対応措置をとっていれば「結果を阻止できた可能性が高い」と指摘した。(朝日新聞社)
事後の検証で報告書を作ればこうなるだろうことは明白だが、今の警備体制ではあの事件はどうやっても防げなかった。体制がどうのこうのという問題ではなくて、要は「銃で狙撃される恐れがある」という意識をだれも持ち合わせていなかったのが、狙撃を防げなかった唯一無二の原因だろう。石や卵を投げると言うのは警備の大前提、だから警備担当は群衆の方を向いている。後方から近づいてくる被疑者を見たとしてもその人間が銃で狙撃するとは夢想だにもしない。あまり接近してくるようならその時点で制止すればいいと言う程度だろう。日本は銃社会ではないが、銃はけっこう存在している。大部分は暴力団関係、そして一部はマニア、暴力団関係者は銃を滅多に持ち出さない。マニアはひたすら秘蔵する。だから銃はないように思うが、単発銃なら作るのは簡単だ。今回もその手だろう。これからは銃で狙撃されると言うことを警備の項目として取り入れる。上から下まで、そして政治家も銃で狙撃されることを前提とした街頭演説を考えないといけない。警備担当者から一般大衆まで「防げた、防げた」と後知恵で連呼するが、今回の狙撃は現状の警備体制ではだれがやっても防げなかったと思う。警察庁長官が辞任すると言うが、それはそれでやむを得ないことだろうが、お気の毒ではある。また今回の現場の警備担当者もなんともお気の毒ではある。そして一番気の毒なのは志半ばで命を絶たれた安部ちゃんだろう、・・。
Posted at 2022/08/25 14:56:43 | |
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