東京電力の勝俣恒久会長(71)は30日、東日本大震災による被災後初めて、東京都千代田区の本店で会見、放射性物質漏れを起こした福島第1原発について「1~4号機は廃止せざるを得ない」と述べ、廃炉の方針を表明した。また原発の状況については、「原子炉を冷やすことに全力を尽くすが、長期的に安定するにはかなりの時間がかかる」と述べ、冷却機能が復旧し原子炉が安定するまでのめどが立っていないことを明らかにした。
勝俣会長は「社会の皆様に大変な不安を与え、心からおわびする」と謝罪。「今回の津波で大惨事を引き起こした意味合いでは、対策が不十分だった」と述べ、津波対策での不備を認めた。そのうえで、原発事故で地域住民や農産物、企業などに生じた損害については「最大限の補償をしたい」と述べ、原子力損害賠償法に基づき、政府の支援を受けながら損害賠償に対応する意向を述べた。
勝俣会長はまた、事故対応について「まずさは感じられない。現場で電気が消え、通信も途絶し、いろいろな作業が予定より長くかかった」と述べ、東電の対応に問題はなかったとの認識を示した。ただ、水素爆発などの情報開示が遅れたと指摘されていたことについて「通信手段が途絶えていて官邸への連絡が遅れた。情報の遅れ、ミスについては対策を強化している」と釈明した。
さらに勝俣会長は、一部で浮上している国有化論について「民営でありたいということで最大限努力したい」と述べたが、経営の先行きについては「資金調達がどのくらい必要か定かでない。復旧費や現場がどうなるか、見通しがつかない」とも述べた。
一方、夏の電力不足については「計画停電は最小限にとどめ、回避すべくあらゆる努力をする」とし、数カ月程度で建設できるガスタービン発電を既存の火力発電所敷地内で増設するなどし、供給力を現行の見通し(7月末時点に4650万キロワット)より増やす方針を示した。
今回の原発事故は、「大丈夫、大丈夫」と言われていながらどんどん悪化していく病人を見ているようだった。何しろ初めてのことなのでどうして対応すればいいのか分からずに右往左往しているうちに状況が悪化したということだろうか。いずれにしても東電も政府も対応が遅れたことは否めない。
圧力容器のベントだの海水を注入だのと言っていたが、制御システムがみんなだめの状態でどこまでやれたのか、それも疑問だろう。今後も放射性物質の封じ込めだの汚染地域の除染だのと問題は山積だろうが、まだ原子炉そのものが安定状態ではないので相当期間がかかるだろう。
枝野幸男官房長官は30日午後の記者会見で、福島第1原発5、6号機の存続の是非について「客観的状況は明らかだ。社会的な見方ははっきりしている」と述べ、1~4号機に加えて5、6号機も廃炉にすべきだとの見解を示した。
深刻な放射能漏れが続く1~4号機に比べ、5、6号機は冷温停止状態となり安定している。東京電力の勝俣恒久会長は同日、1~4号機の廃炉を明言、5、6号機と第2原発については国などの意向を聞く姿勢を示している。
東京電力の対応について、枝野長官は「組織体としてしっかりした責任を果たすことが重要だ」と強調。第1原発の放射能遮蔽(しゃへい)のため、コンクリートで固める「石棺」については「否定された選択肢には入っていない」と語った。
避難指示が出ている第1原発から20キロ圏内での放射線量調査について、「(住民の)一時帰宅が可能であるか判断するための材料を集める」として、調査を始めたことを明らかにした。自宅に残した貴重品などを取りに一時帰宅を希望する住民が多いことを踏まえた措置で、調査結果を参考に一時帰宅を許可するかどうか判断する。
民主党の幹部は物事をよく考えて言っているのだろうか。これまでもそうだったが、この大仏もどきもその場の雰囲気と受け狙いでコロコロとこんなことを言う。5・6号機を運転再開するまでには相当期間がかかるだろうけれど、貴重な電力資源には違いない。
火力に頼るとは言っても環境問題なども重く圧し掛かってくることだし、太陽光、風力発電はコストや確実性に問題がある。あまり気楽に廃炉などと口走らない方が良いと思うがどんなものだろうか。勝ち馬に乗るようなことはしないで、原子力にお詳しい総理もいらっしゃることだし、良くご相談になってものをいう方が良いと思うが。
Posted at 2011/03/30 21:18:14 | |
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