2022年05月04日
知床での観光船沈没事故で深海に潜る飽和潜水士の投入が必要らしい。
飽和潜水士の投入が必要な深度とされる100m以上の深度で、人が船体の前後にスリングをかけてサルベージ船で巻き上げて回収する予定の様だが、将来のことも考えると、ドローンと同じで無人の機器で行えるように開発を行うべきではないかと感じた。
完全な自立型のロボットを考えると難しさが有るので、マニプレーターにビデオカメラを取り付けている形式のロボットのような姿をした装置になるが、二足歩行をする必要はないと考えられるため移動方法は水中に特化したものであればマナティーのようなヒレでも良いかもしれないが、スクリュー式は海藻などを巻き込むことも有るのでケースバイケースであろうか?
シルエットとしてはアザラシかマナティーのような雰囲気で、手が2本以上あるものが良いように思う。
2本以上の手としたのは、水中で作業を行う場合は浮力が働いて体が自分の手の動作などの反作用で動いてしまいやすいので、3本目や4本目の手でどこかにつかまって体を固定した上で両手で作業すると効率的だろうと思ったからだ。
そしてカメラは体の眼に当たる部分に埋め込んでおいて、何かにぶつかって壊れたり外れたりしない物が良いはずだ。遠近感の為にも操縦者の感覚にも配慮すれば人と同じように眼球が動くようにカメラ2台が連動する上に首から上が回って振り返るような動作で後ろも見られるものがやはり良さそうだ。
プラス2本の手は、つかまること以外にも泳ぐことにも使え、又2本の主腕を補助して動作することもできるだろう。
肝心の主腕の手は人間の手を基本に考えるが、マニプレーターハンドとして操縦者の手と指の動きをトレースする方式で、ビデオ画像を見ながらの作業は、掴んだ感覚が操縦者の手に感じるようなバイラテラル方式が良く、力の強さは操縦者が変更出来る方式で、例えば握力は人間並みからゴリラ並に可変させられるのが良い。
いずれにせよ動力は電動モーターになるはずなので腕力も握力も自由に変えられる仕組みになるだろう。
これで概ねマナティー型4本腕の水中作業マニプレーターの外形が決まって来るのだが、様々な条件が有る水中作業のことを思うと、人体よりも太くしてしまうと沈船等のドアを通れなくなることも起き得るので平均的な人体程度の大きさが好ましい。
また作業時によく見て作業が可能になるために眼球ビデオカメラは作業時に頭部から50センチほど外へ伸びて行けて、作業する手元をはっきりと捉えながら動ける方式も欲しいし、マニプレーターハンドの先にもビデオカメラは着けて、至近距離で何かを見ることが出来る仕組みにしたい。
1対の副腕は、船体にしっかりと取りつくために何かを掴まえられない時は、吸盤で船体表面に吸い付くか?船体が鉄であればだが電磁マグネットで吸着して体を固定するアタッチメントなどに取り替えられることが望まれるだろう。
そして主腕の1対の手はハンマーやナイフを手に取って使える人間型で良いと思えるから操縦者の指の動きもトレースして動くものが良さそうである。
このマナティー型水中作業マニプレーターは海や湖なら船からケーブルで繋がっていて電力を供給されて動き、暗い深海でも視界は明るく照明される、相互通信用の光ファイバーケーブルで操作したりビデオカメラの画像情報を船上で取得したりすることになる。
そしてこのマナティー型のボディーと船を繋ぐケーブルには中継基地が有り、マナティー型ボディーから10数メートルほどの距離に定位し、マナティー型ボディーとのハーネスの長さを調節したりして自由に動き回れる様な性能で、その中間基地に取りつけたビデオカメラでマナティー型の作業ボディーの近傍で、しかも動作を妨げない位置を動いて選び、強い海流でケーブルが強力に引っ張られてもマナティー型ボディーへ影響を与えにくくするのだ。
これらの潜水装置は出来るだけ構造を水中に晒し水圧の影響を避ける設計が望まれるが、モートルや通信機器などの絶縁が必要な部分は水中に置けないので、粘度の極低いシリコーンオイルのような絶縁液を満たして、回転部分やスライド部分のシールには内圧を外界と同じにする受圧プラグからの液圧をかけて海水などの内部への進入を均衡圧によって防ぐ仕組みも必要だろう。
如何でしょうか?こうした潜水作業用のマニプレーターが必要なのでは無いでしょうか?私は仕事柄ですが、少しだけ考えて見たのです。
私がここに挙げた方法は殆ど既存技術の羅列のようなものであり、それを組み合わせたものです。推進に使うフィンも特に困難な方法では無く、一対のフィンが重心に対し対称に配置されて鏡像のように動けば、装置本体はフィンの動きの反作用で揺すられることなく機能させられるはずですし、2対の腕の操作は通常は二人一組で一対づつを独立して行う事にします。
それでも人間の飽和潜水士の能力と判断力を上回ることは難しく、こうしたマニプレーターロボットは、飽和潜水士が潜ることが出来ない700m以上の水深の場合が中心となるかもしれません。
実際に使われるかどうかは、開発コストや製造コスト、整備維持コスト、運用コストなどが問題となって飽和潜水士に依存する方が確実性やコストの両面で未だ優位にあるという事なのだろうと想像出来る。
つまりメカニカルマニプレーターハンドの完成度が高いことが必要であり、しかもさほど高額ではなく供給できることが条件となるのだろう・・・、恐らく今作ると設計費や組み立て費用、実験費用、を除いた部品原価の合計でも1千万円近い費用がかかる可能性が有りますかね?見積もりができるレベルになっていないので当てずっぽうに近いですが・・・・、量産できるほどの需要が無ければ高価なままになりますから、工業大学の課題にすべきかもしれません。
それとは別のアイディアですが、KAZU1の船室内部にカメラが入れたのであれば、同様な小型の潜水艇で船室内部に空気で膨らむバルーンを置いて、潜水艇が離れ、天井の有る客船室でバルーンを振らませてゆっくりと徐々に浮き上がらせ、深度が浅くなるにしたがって内圧を下げてバルーンが船室を破壊しないようにして、浮き上げさせられない物でしょうかね?船室一杯に膨らませるバルーンだって数日で作れると思いますが・・・・。
Posted at 2022/05/04 21:52:43 | |
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