2012年11月03日
現代ビジネスより抜粋転載。
<中略>
だが、中国経済に精通する専門家の間からは、「中国にとって対日経済制裁は諸刃の剣。
むしろ中国の方が大きな経済的損害を被るのではないか」との声が聞こえてくる。
ビジネス・ブレークスルー大学教授で、中国経済に詳しいエコノミストの田代秀敏氏は、
「中国には日本企業を追い出す、という選択肢はとれないはずだ」として、
その理由を次のように説明する。
「2011年の中国の輸出額は1兆8986億ドル。
これは世界一の数字だが、中身を分析してみると、うち52%の9953億ドルは、
中国国内にある外資系企業関連の輸出によるものです。
この数字をみれば中国がいかに外資に頼っている国かがよくわかるでしょう。
しかも中国でまともに法人税を払っているのは外資系企業です。
こうした状況下で日系企業を追い出せば、
生産面でも雇用面でも中国側が受けるダメージは非常に大きいはずです」
田代氏は続けて、「中国は日本の技術を欲しているため、
そう簡単に日本切りなどできるはずがない」とも指摘する。
「日本企業にとって中国の魅力は、発達した産業インフラと広大な市場。
一方の中国は、『世界の工場』とは言われるものの、やはり技術的にはまだまだ未熟なのです。
中国がいま特に欲しがっているのは、日本の中小企業が持つ技術です。
図面を入手しても、その通りに製品を作るには熟練した職人の技術が必要です。
その点では日本の方にアドバンテージがあるのです」
実は、水面下で始まっている「日中経済戦争」において、日本はすでに勝利を収めている、
という見方もある。毎月中国を訪れ、各地を取材して回っているジャーナリストの宮崎正弘氏は
こう指摘する。
「中国での日本製品不買運動や訪日観光客減ばかりが報じられているが、
訪中する日本人も急速に減っており、北京や上海で流行っていたナイトクラブも、
上客だった日本人が来なくなったので、閉店が相次いでいます。また日本の投資家が、
中国株の投資信託を次々と解約しており、9月だけでも300億円近くが解約されたといいます。
中国経済のひとつの指標となる『上海総合指数』は、今年9月に2000ポイントを一時下回りました。これは5年前の3分の1以下で、いかに中国経済が疲弊しているかを物語っている。
その上日本からの投資が鈍れば、中国の経済はさらに減速してしまうでしょう」
10月18日に中国国家統計局が発表した7~9月期のGDPは、前年同期比で7・4%。
成長率は7四半期連続で低下の一途を辿っている。
長期的な景気減速に直面している中国のホンネは」、
「これ以上マイナス要因を増やしたくない」というところだろう。
宮崎氏はさらに、「日系企業が現地で多くの中国人を雇用しているという重大な事実を
見逃してはいけない」と指摘する。
「日本企業が雇用している中国人は1000万人以上、下請けなどの間接雇用も含めれば、
3000万人から5000万人ともいわれるが、この半分でも失業したら、
中国の治安は大混乱に陥るでしょう。その不満は日本に向かうのではなく、
中国政府に向かいます。そうなれば中国の政権は倒れることになる。
確かにやせ我慢をすれば、経済的な面では日本を排除することが可能かもしれない。
しかし、その結果体制が揺らぐようなことに繋がるのなら、
結果的には中国が受けるダメージのほうが大きいでしょう」(宮崎氏)
国内の不満を収めようと日本企業を痛めつければ、今度は別の不満が噴出する。
中国政府は、深刻なジレンマを抱えているのである。
もし熾烈な日中経済戦争が起これば、それは「勝者なき戦い」となるだろう。
中国経済の専門紙『中国経済新聞』は10月15日、「対日経済制裁は中国の利益にならない」と
題した社説を掲載したが、はたして中国の指導者たちはこうした冷静な声を受け止めることが
できるのだろうか。
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日本の財界の中国依存が強いのも問題ですが、
中国が暴走しないことを願うのみですね。
中国共産党は(韓国も)、反日教育が何れ裏目に出る時がくるかも知れませんね。
反日教育で育ち、偏った考え方しかできない若者は世界に通用しませんし、
冷静な中国のビジネスマンは今回の尖閣問題を憂いているのでは・・・
Posted at 2012/11/03 15:04:49 | |
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2012年11月03日
現代ビジネスより抜粋転載。
検査率の引き上げ、不買運動、そして訪日自粛。
こうした「制裁」だけで、日本のGDPは1兆円程度下がるとの試算もある。
中国は「真綿で日本経済の首を絞める」つもりなのだ。
中国が〝次の一手〟を打つ恐れは大いにある。
信州大学経済学部の真壁昭夫教授は、11月に中国で指導者が交代した後、
中国の新指導者たちは国民の対日強硬論を抑えきれず、
さらなる経済制裁を実行するのではないか、と指摘する。
「次期指導者となる習近平は、中国の国民に『お坊ちゃま』という印象をもたれているため、
〝強いリーダー〟というイメージを作り出す必要があるのです。
そして、その演出をするための絶好のターゲットが日本なのです。
11月以降、中国がさらに強気な姿勢で日本に経済制裁をしかけてくる可能性は十分にあります」
さらに、中国在住の日本人ジャーナリストがこう付け加える。
「習近平は台湾に近い福建省を統治した経験から、台湾に太いパイプを持っている。
そのため、部品や原材料などは日本ではなく、台湾からの調達で賄おうとする可能性があります。
最初はこうした・日本外し・で攻めて、次第にその攻撃の手を強めていくのではないでしょうか」。
昨年の対中貿易額は、日本の貿易額全体の21%、3450億ドルに達している。
さらに中国に進出している日系企業は2万5000社を突破している。
日本の「対中依存度」は、著しく高い。
個別の「対中依存度」をみても、日本企業がいかに中国に首根っこを押さえられているかが
わかる。たとえば日産、ホンダ、パナソニックの中国での売り上げは、
全体の10%を超えている。前出の真壁氏が補足する。
「自動車などの日本製品に対する不買運動が起こっていることは周知の通りですが、
日本企業の中には中国での販売の急速な落ち込みから、
生産調整を始めているところもあります。一方の中国は現在供給過剰になっていますし、
今後はさらに日本からの輸入を減らす動きが、必然的に起こるでしょう。
そうなれば日本の企業は苦境を迎えることになる」
もしも中国が「対日経済封鎖」を決め、国内から日系企業を完全に閉め出し、
日本との輸出入をストップしたら---。'11年度の日本の対中輸出額は約1600億ドル。
単純に考えても約12兆円が失われてしまうことになる。
「中国市場の売り上げ比率が高いコマツ、パナソニック、日立、日産などの大手企業、
百貨店やコンビニなどは相当な打撃を受けることになるでしょう」(真壁氏)
売り上げだけではない。部品や原材料などを中国で生産している企業、
たとえば100円ショップや製薬会社は、製品の根幹部分を調達できなくなってしまう。
最も大きな損害を被る代表例はユニクロだろう、と前出の経済部記者は推測する。
「売上高1兆円を目指すユニクロは、公表こそしていないが、
ヒートテックやウルトラライトダウンをはじめとする製品のほとんどすべてを中国で生産しています。急速なスピードで世界展開を進めているユニクロですが、もし中国から排除されれば、
そもそも『売るものがない』状態になってしまいます。
そうなれば今後営業活動を続けることは不可能になります」
第二部に続く。
Posted at 2012/11/03 14:37:44 | |
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経済 | 日記
2012年11月03日
【転載開始】
円高や自由貿易協定への遅れ、高い法人税率など六重苦に苦しむ
国内自動車メーカーのなかで中堅メーカーの富士重工業(車名ブランド・スバル)が
気を吐いている。北米や日本での好調な新車販売に加え、
原価低減活動が奏功し過去最高益を更新する見通しだ。
富士重工は10月30日、今2013年3月期の営業利益の見通しを
上方修正した。
修正後の計画は売上高1兆8400億円(前期比21.3%増)、
営業利益820億円(同86.5%増)。従来計画から、
売上高は200億円落としたが、営業利益は150億円積み増した。
牽引するのが北米市場での好調な販売だ。
今期のグローバル販売台数の見通しは71.4万台(前期は63.9万台)だが、
その半数を占めるのが米国の販売台数である。
従来計画では米国における12年の販売台数を32.4万台としていたが、
今回の決算にあわせて34.8万台に上方修正した
(昨年の販売実績は28.0万台)。
好調なのが昨年12月に発表した新型「インプレッサ」だ。
さらには最量販車種の「レガシィ」の販売も順調だ。
好調な米国での販売について吉永泰之社長は
「商品そのものが高い評価を受けていると同時に、
価格競争に巻き込まれていない」のが好調な要因と述べる。
米国でのインセンティブ(報奨金)は1台あたりの平均が現状2400ドル台で
推移するのに対し、「スバルは800から900ドルぐらいと業界平均の
3分の1に抑えられている」(吉永社長)。
SUV(スポーツ多目的車)の人気が高い米国市場に的確な商品が投入
できていると同時に、スバルブランドの価値向上によって、
中古車市場でのリセールバリューで高い評価を得ていることも
米国好調の要因と考えられる。
国内は軽自動車の自社生産撤退影響で今期の軽販売が5.2万台
(前期は9.2万台)と大幅に落ち込む一方で、登録車の販売は米国と同様、
インプレッサの販売が好調で、10.8万台(前期は8.0万台)と販売が伸びる
見通し。
採算性の高い登録車の販売が伸びることで軽自動車の販売減少の
影響を食い止める格好だ。
一方、中国では尖閣問題の影響で日本メーカーが販売を落としているが、
富士重工も同様に12年(暦年)販売見通しを当初計画の6.2万台から
4.0万台に下方修正した。
ただ、全体の販売に占める割合は小さく業績への影響は軽微とみられる。
今期の営業利益は製造固定費や広告宣伝費の増加などで637億円の
減益要因を見込むが、国内外での販売台数増や車種構成の改善で832億円、
原価低減活動で274億円の増益を見込み、
通期で380億円の増益を計画している。
配当予想についても9円から10円に上場修正した。
11月中旬にはレガシィ、インプレッサXVに続く富士重工の主力車種の
SUV「フォレスター」のモデルチェンジの発表を控えており、
SUVが人気の北米でさらに販売台数を上積む可能性もある。
【転載終了】
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軒並み業績の悪化している中で明るいニュースですね。
独自の技術が評価されているのかも。
Posted at 2012/11/03 09:36:10 | |
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経済 | 日記