現代ビジネス
【転載開始】
※恐るべき未来年表から抜粋
<2023年・人件費高騰で、日本の企業が機能不全になる>
■活気がなくなる、消費が冷え込む
労働力人口についても、減少が避けられないことを前提として
対策を考えなければならない。
政府は「1億総活躍社会の実現」や「働き方改革」を掲げ、
女性や高齢者などがそれぞれのライフスタイルに合った様々な
働き方ができるよう選択肢を広げようと急いでいるが、
改革は緒に就いたばかりである。
長きにわたり「若い男性」を中心に成り立ってきた日本の
労働慣行が、直ちに改まることはないだろう。
景気動向に左右される短期的な人手不足とは異なり、
人口減少に伴う構造的な労働力不足は、
一朝一夕に解決する問題ではないのである。
労働力人口が減少すると、経済規模や労働市場が縮小する。
国内総生産(GDP)はその国で1年間にどれだけのものが生産
されたかという概念によって量られる。
簡単に説明すれば、労働者数に労働者1人あたりの年間
労働時間や年間生産量を掛けたものだ。
人間1人に与えられた時間は1日24時間であり、
そのうち働くことができる時間は限られている。
労働力人口が減れば、日本全体としての年間労働時間も減る。
GDPを維持しようと思えば、労働生産性を上げるしかないが、
口で言うほど簡単ではないだろう。
労働力人口減少の影響は、経済成長やビジネスの現場だけ
ではなく、日常生活にも深くかかわる。
労働力人口となる若き世代は、社会を支える役割も担っている。
地域コミュニティのリーダーとして活躍している人も少なくない。
こうした人材が減ったのでは地域に活気がなくなる。
地域の伝統行事や祭事の継承も難しくなる。
高齢者や子供に対する地域の見守り機能は衰退し、
治安維持や災害時の手助けもままならなくなる。
労働力人口となる世代は消費のリード役でもある。
購買力のあるこの世代が減ったのでは消費も冷え込み、
経済が停滞する悪循環をもたらす。
結果として税収も落ち込み、地域によっては、
行政の予算編成がままならなくなる事態にもなりかねない。
■労働力人口の中でも高年齢化が進む
勤労世代の減少は企業経営に影を落とすことになるだろうが、
もう1つ、あまり語られない重要なポイントがある。
絶対数が減るだけではなく、この世代の中でも高年齢化が
進む点だ。
2015年国勢調査によれば、20~29歳が1259万人に対し、
30~49歳は3372万人、50~64歳は2372万人である。
もちろん、それぞれの年齢層すべての人が仕事をしている
わけではないが、単純計算をすれば、
すでに3分の1を50歳以上が占めている。
高年齢化はさらに進み、社人研の人口の推計によれば、
2040年には50歳以上の占める割合が4割を超す。
労働力人口の高年齢化を各職場に置き換えて考えれば、
ベテラン社員が増えるということ。
仕事に対する知識や熟練度は高いかもしれないが、
ベテラン社員は行動力が鈍くなりがちだ。
仕事は若手からベテランまで多様な年代がいてこそ円滑に
進むものであり、ある年齢層だけに偏ったのでは生産性を
上げるのは難しい。
若手が少なければ、ベテラン社員が仕事のコツや代々伝わる
ノウハウを引き継ぐこともできない。
高年齢化でとりわけ注目されるのが、人口ボリュームの大きい
団塊ジュニア世代(1971~1974年生まれ)の動向だ。
団塊世代が引退した今、大きな人口の塊である団塊ジュニア世代は
さまざまなビジネスシーンに影響を与える。
社員の年齢構成の偏りは、企業にさらなる問題を突き付ける。
人件費の増大だ。
団塊ジュニア世代は2017年時点で43~46歳である。
彼らの年齢が上がるにつれて、人件費負担が重くのしかかってきている。
一般的に賃金のピークは50代前半とされることから、
団塊ジュニア世代の先頭が50代に突入し始める2021年頃から、
彼らの多くが50代となる2024年頃にかけて、
企業の人件費はピークになると見られる。
団塊ジュニア世代とともに年齢構成を押し上げているのが
「バブル世代」だ。
日本経済がバブル期にあった1990年前後に入社した人たちで、
団塊ジュニア世代より少し早い1969年生まれあたりから該当する。
バブル崩壊後は新卒採用が急激に抑制されたため、
組織全体に占める割合が大きい。
しかも、団塊ジュニア世代もバブル世代も、賃金が高い課長や部長
といった管理職に就任する年齢に差しかかっているが、人数が多いので、
ポストが不足しがちだ。
企業によっては彼らの処遇やモチベーションを引き出すために
管理職ポストの増設を迫られるところもあり、
人件費負担はより膨らむ方向へと作用する。
人件費やポスト不足の問題を乗り越えても安閑としていられない。
団塊ジュニア世代が60代に突入する2032年以降は定年退職者が
増え始め、退職金負担も大きくなる。
このように、労働力人口が高年齢化しながら大きく減少していく
影響と歪みは複雑に交錯していく。
その実態をよく知らなければ、企業のダメージは大きくなり、
結果として日本の豊かさを削ぐことになる。
人手不足はあらゆる仕事にふりかかる。
県庁や市役所といった行政機関で若手職員を思うように採用
できなくなれば、住民サービスの提供に支障が出る。
<参考資料>
【転載終了】
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“将来直撃を受けるのは団塊ジュニア世代”であり、
「個人年金や預貯金などの個人資産に重点を置くべき」、
と2年ほど前から年金などで警告を発してきました。
しかし、40前後の方たちの安倍政権支持率が高いということは、
全く認識が希薄ということなのしょう。(40代の5割が安倍政権支持)