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イイね!
2009年03月03日

ケスラー・シンドローム

ってご存じですか?

現在、地球の軌道上にはおおよそ3000機以上の様々な人工衛星が巡っています。巡っている高さはまちまちですが、特に高度800km程度の軌道上に沢山巡っているそうで・・・
先日書いたイリジウム衛星も丁度この辺りの高度ですね。

そして、これら現在生きている人工衛星とは別に、判って居るだけで約9000個以上もの直径10cm以上のゴミ(スペースデブリ)が同じ様に地球軌道上の色んな高度を巡っています。
(10cmに満たない小さなゴミは現在の技術では正確に把握する事は困難だとか。)

これらゴミは大半が過去のロケット打ち上げ時に使い捨てた部品や、寿命が尽きたり壊れて機能を停止した衛星などですが・・・極希に大気圏に落ちて燃え尽きたり地球圏外に飛んでいったりする以外、これらのゴミは基本的に回収不能なんです。何せ秒速・・・びょうそく12kmとかの猛烈なスピードで色んな軌道面を巡って居るので、シャトルで行って1個1個拾ってくるなんて事実上不可能なんですよね。

こうやって12000個以上の色んな物体が、それぞれ猛烈なスピードで地球軌道上を巡っていると深刻な問題が起こります。それは、巡っている物同士の衝突・・・

ISSなどの非常に大きな物は少ないものの、普通に巡って居る衛星などはせいぜい500kg~数トン程度。大きさにして数m~10数m。これまで実験など意図的な衝突は行われた事は有りますし、小さなゴミが衛星の保護シールドに当たるなんて事はよくありますが、広い軌道上で大きな衛星同士がそうそうぶつかる事は無いだろう・・・

しかし、実はつい先日、これがとうとう起こってしまいました。
2月11日の早朝、シベリア上空でイリジウム衛星の33号とロシアの軍事通信衛星のコスモス2251号が速度毎秒およそ12km、つまり時速40000km以上というとてつもない速度で垂直に衝突し、双方とも粉々に砕け散った模様。その際双方の破片は直径10cm以上の物で700~900個以上有り、それぞれが元の運動速度を保ったままスペースデブリとして衛星軌道上の広い範囲に拡散して行っています。観測出来ない大きさの物を含めると10000個以上とも言われる大量のゴミが時速40000km以上の速度で飛び回っている訳ですね・・・
(ちなみに拳銃の弾でざっと時速700km~1500kmくらいなので、その30倍近い速度です。)

同じ軌道面に大量の飛翔物が有り、それがある程度の密度を超えるとそれぞれが連鎖的にぶつかり合い、ぶつかる事でさらに砕け散って破片をまき散らし、それらがさらにぶつかり合って・・・その軌道上はデブリに埋め尽くされて使えなくなってしまう。これを、予測した方の名前にちなんで俗にケスラー・シンドロームと言います。

最悪の場合地球そのものがゴミの層で被われてしまい、地上から宇宙へ飛び出す事が出来なくなってしまうかも知れないという心配まで・・・

しかし、現在のテクノロジーでは飛び散ったデブリを掃除する方法が無い為、これ以上増やさない努力をするしかないと言うのが世界各国での共通の見解だそうです。

宇宙開発・・・アポロの時代に夢描いた未来像と現在の実際の姿は随分と違いますが、人間は知能を発達させることで社会を成し地上の主としてのし上がって来た・・・来れたのは、ひとえに進歩を目指し常に自分達を向上させることで生き抜く力を培って来たからだと思います。昨今騒がれている環境問題はその成しようが強引過ぎた結果としての自制(と思いたいが・・・)。しかし進歩を辞めてしまえばそれはすなわち停滞となり、停滞の先に待つものは常に退廃へと繋がる坂道であり・・・

人間が知恵の実を食べて以来、社会を発展させ科学を進歩させて宇宙に出て行くと言うのは人類が負う定め。神の言いつけを破った事で神から見捨てられてしまった人類は、神の助け無しに自分達の力だけで自分達を育て、父なる神を超えて見せなければならない・・・そんな言い方は極端ロマンチシズムにかぶれた勘違いかも知れませんが、人類から発展を取ってしまうと残るのは生物としてはひ弱な毛のないサルでしか有りません。

環境を守り、地球に取り返せない負担を掛けて損なわない様に気をつけながら、未来にさらなる発展を目指して行かなければならない。今の人類にそれが出来るのだろうか???
地球の中だけでつましく生きていけば良いじゃ無いか、そういう意見もありますが、それでは限りある資源を取り合い奪い合って先のない未来へと向かうか、或いは自身を退化させて野生に戻っていくしか生き延びる先は無い・・・そんな風に思うんです。

等と、また随分と偏った事を考えてしまいました。

今回の衝突に絡み、スペースデブリについては松浦晋也氏の「宇宙開発を読む」と言うコラムの中で詳しく解説されています。

また、幸村誠氏作の「プラネテス」と言う漫画が、この問題をとても見事なSFとして描いており、映像作品にもなっています。

今回の衛星衝突についてアメリカの解析専門企業Analytical Graphics, Incがコンピューター・シミュレーション映像を公表しています。衝撃的な内容です。
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Posted at 2009/03/03 01:04:55

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この記事へのコメント

2009年3月3日 6:52
この宇宙ゴミの話は聞いたこと合ったけど、最近ぶつかったのは初めて聞きました。
コメントへの返答
2009年3月3日 22:19
観測史上、デブリ同士の衝突は4回ほど有ったけど、衛星同士の事故は初めてだそうです。

自動でデブリを掃除してくれる掃除衛星の構想も有るとの事ですが、取り返しがつかなくなる前に間に合って欲しいものです。
2009年3月3日 13:10
あ、そういえば Disney/Pixerの映画 WALL-Eが地球圏外に出る際にこのケスラーシンドロームが巧く揶揄されてますよね。
コメントへの返答
2009年3月3日 22:24
お!?そうなんですか??
見たい見たいと思いつつ結局見れていないのでBDを予約しました。4月発売だったかと。

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