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2021年08月23日

ル・マン24時間レースをトヨタが4連覇

ル・マン24時間レースをトヨタが4連覇 昨年に引き続き、コロナで会期がずれ込んだル・マン。
ようやくル・マンが終わり、今頃夏至の気分です。

今年は第89回目となるル・マンで、ハイパーカー規定元年でもありました。

昨年までのLMP1ではなく、LMHと称され
一周当たりの目標タイムが大きく引き下げられるなど
ハイブリッドの回生やその有無の選択なども含めて
大きく様変わりした年でした。

ざっくり、今年の参加マシンを紹介すると



◆TOYOTA GR010 HYBRID


昨年までのTS050HYBRIDからバトンタッチ
現状のハイパーカー唯一のハイブリッド車です。
モンツァやポルティマオでのマイナートラブルが目立ち
勝利こそしてきたものの、ル・マンでは途中で戦線離脱もあり得るのでは
なんていう風に囁かれていました。
特にブレーキがナーバスな問題は、あまりポジティブな内容とは言えず
決勝でも7号車があわやという事態(後述)がありました。

市販予定のGRスーパースポーツ(仮称)はTS050から血を分けた兄弟
というような立ち位置。
当初はハイパーカー規定が、市販車の販売をホモロゲーションの
条件として組み込んでいたのですが
アストンマーチンの参戦するしないのゴタゴタで結局流れて
トヨタはプロトモデルとしてのGR010を開発しました。
GRスーパースポーツのほうは、開発中ですが
先月当たりに一部雑誌に、開発中止か?
という記事が出てきており、トヨタ公式の発表がどうなるのかちょっとドキドキ

なのでGR010はそのまま市販車にはならず、その兄弟が
GRスーパースポーツとして生を受けるべく、開発が続けられています。



◆ALPINE A480-Gibson


昨年までのレベリオンR13をハイパーカー規定へコンバート
このレギュレーション過渡期の特別認可マシンとして
昨年までLMP2で活動を続けていた、シグナテックアルピーヌが
本車を走らせています。
根本は、今までのLMP1そのものですが、部分部分で
ハイパーカー規定に合わせるため重量が増加させられ
パワーに関しても絞り込みがされており、結果的に
これらを含め、ハイパーカーがLMP2に肉薄されるという
事態が話題になったとも言えます。

予算の都合から、アルピーヌは一貫して1台体制で参加しています。
このル・マンではE.オコンがF1マシンをデモランさせるなど
プロモーションも気合が入っていました。

どうも2023年からのLMDhでの参加をしたいようで
上層部、つまりルノーですね。に掛け合っているそう。
ポルシェ、アウディ、アキュラ、BMWに次ぐ5社目のLMDhなるか。



◆GLICKENHAUS 007 LMH


これぞ車好きの夢かなえてまっせという1台
元々は映画監督のJ.グリッケンハウス氏が自動車収集家という側面から
このマシンの物語は遥か遠く前から始まっていた。なんていう
映画めいた言い回しが似合います。
しかし、本当にグリッケンハウス御大は、ニュル24時間に
グリッケンハウス003という自社製のマシンで長らく出ていたので
このハイパーカー規定の発布と共に参戦を表明。
そして今年、本当にマシンを準備してル・マンに2台持ち込んできてしまった。
有言実行のアメリカンドリームが満ち満ちているチーム。

エンジンは過去にプジョー306MAXIの開発なども担当し
モタスポ好きなら聞いたことがあるであろう「ピポ・モチュール」
コスワース、イルモアときたらのピポ・モチュールという具合の
欧州エンジンビルダー3本槍って感じ。

元々はアルファロメオとのエンジン提携の線で行ってたんですが
アストンマーチンがヴァルキリー出したいって言いだして
結果的に規定出力が引き上げられ、アルファロメオのエンジンでは
パワーが出せないということで、ご破算になった経緯があります。

そのあと、アストンマーチンはF1に舵を切ったので
規定をかき回すだけかき回してバックレを決め腐った訳です。

おのれアストン(

まったくこれだからブリカスはとか言われるし、ボストンの海に紅茶の茶葉捨ててやろうか(


とまぁ、ハイパーカー規定はトヨタから2台、アルピーヌが1台、グリッケンハウスが2台と計5台で火ぶたが切られました。




◆決勝
予選はトヨタの小林可夢偉がばっちりポールを決めて、自己最多の4回と加算し、レースの決勝を迎えました。
今年のル・マンは雨に見舞われ、開始前に結構な雨量がサルテサーキットを濡らします。
スタートもセーフティカーが数週牽引し、24時間の計測が始まったあとも
しばらく続きました。
およそ3周の先導を終えたタイミングで、セーフティカーが外れ
各車が一斉に飛び出していきます。



が、いきなりダンロップシケインで、グリッケンハウスの708号車に
追突されトヨタ8号車はスピンアウト
そのあと、マシンの電装系再起動のためユノディエール入り口で
マシンを一度停めるシーンがあり、ル・マンはいきなりトヨタの僚友機脱落か!?
と騒然としました。

ですが、幸いにも、結構な勢いでゴツンとされたにも拘らず
GR010はシステムの再起動で元気に走り出し、開始1時間を経過するころには
あっさり2位まで戻ってきました。

序盤のオープニングではアルピーヌ36号車がインディアナポリスで
単独スピンするなんてシーンもありましたし
当然、下位クラスも荒れに荒れ、2021年のル・マンはトリッキーさを
隠そうとしませんでした。

この立ち上がりが落ち着いた後は、しばらく大きな事態は起こらず…
とはならず、当初からの荒れた展開により、コース上には
カーボンパーツのデブリが散乱、トヨタも数度のパンクを喫し
7号車はリムにもダメージが及ぶ場面もありました。

8号車は更に、またもやダンロップシケインでひと悶着。
コーナー進入でLMP2に寄って来られてゴスン!とフォークダンスを踊る事態。
がこれもGR010は大事に至らず、ピンピンしたまま走ります。

そろそろ装甲車という渾名が付くんじゃないかという展開です。

そうこうする間に、ル・マンへ夜の帳が下りてきます。
ここで、総合3位を競う
アルピーヌとグリッケンハウスの激しいバトルが勃発
日が出ていた間はなんでもなかったのにココで!?という感じ
そして、リードするトヨタ7号車は、インディアナポリスで
フロントのブレーキがロックし、壁に一直線!

アッッッッ!!!!!と思わず目を覆いたくなる瞬間でしたが
間一髪、小林可夢偉がマシンを壁寸前で止めて、事なきを得ます。
どうも今年のマシンは回生がフロントのみのため
リアのブレーキとのバランスに苦心してるとのこと
さらに、昨年までのLMP1から大きく重量が増えて、1040kgとなる
GR010ではブレーキのセッティングが難しさに拍車をかけている様で
ル・マンはトヨタをそう簡単に4連覇させてくれそうにありません。

この夜はLMP2クラスのカーナンバー1号車のリシャールミルレーシングの
女性トリオがドライブするオレカが、Tボーンクラッシュを食らうなどして
軽いクラッシュだったものの、セーフティカーが入る場面もありました。

そして、夜の帳が明けて、ル・マンに朝日が降り注ぐ時間
ここでトヨタにピンチが襲い掛かります。
異変はまず8号車から、通常12周~13周で1スティントとなるのですが
それが6周や9周で入ってくるなど、挙動がおかしいと
国際映像でクローズアップされます。
しきりになにやらしているようですが、パドックには引き上げず
サーキット上に留めさせます。

そしてその兆候は7号車にも表れ、パドックが何やらざわざわしており
トヨタに何かが発生していると緊張感が走ります。

これ、何が起きていたかというと、燃料系のトラブルで
うまく燃料が吸い上げられない症状が出ていたようで
給油を繰り返してトラブルシューティングを続行していたのでした。

通常であればパドックへ入れて、部品交換となるので
25分ほどの入院となる内容だったのですが
トヨタはシステム上のリセッティングで対応。
7号車は小林可夢偉のスティントを切り上げて、交代する
J.M.ロペスに対応策をレクチャーし、後退して難を切り抜けます。

8号車のS.ブエミについては、何と運転を続行したまま
無線でエンジニアとやり取りして解決してしまうという
離れ業でトヨタ最大の危機を2台のGR010は乗り越えてしまいます。

これ、17年まで…いや、去年までのトヨタなら
ズルズル後退してもおかしくない事態だったのですが
本当に強くなったというか、ゾンビっぷりが遺憾なく発揮されており
一時期のアウディのように感じます。

耐久レースにおいてはなによるも"床に伏さない"ことが大事と言われますが
トヨタは、この難しい局面を、最小のロスで潜り抜けて
1-2のポジションを堅持した訳です。
2012年の復帰から早10年、いやぁこのピンチの脱し方を見たとき
ジーンと来るものがありました。あのなにかっていうと
足元すくわれてたトヨタが、こんなにも強くなって…!と。

そして夜明けのトラブルから残りをトヨタは一度として1-2を譲らず
ハイパーカー規定元年を制しました。そしてこの勝利は
17年から苦難続きであった小林可夢偉組の悲願の初優勝でもありました。
苦節6年目にしてようやく、4人目の日本人ル・マンウィナーが誕生
J.M.ロペスに関して言えば、半世紀ぶり以上のアルゼンチン人ドライバーの優勝
南米人としても歴代2人目という嬉しい勝利となりました。

ハイパーカー規定車両は、下馬評で全滅も噂され、LMP2の総合優勝あるかも
なんていうことも囁かれていたのですが
ところがどっこい、全車完走で、なんと初出場のグリッケンハウスが
総合4位と5位でチェッカーを受けました。
来年にはトヨタやプジョーに割って入るグリッケンハウスは見られるかも
しれませんね。非常に楽しみです。

記録の話に移すと、トヨタの4連覇はあのフォードの1966年-1969年や
ベントレーの1927年-1930年、アルファロメオの1931年-1934年と並ぶ偉業です。
地元プジョーは最大2連覇(通算は92、93、09の3勝)
同じく地元マトラも3連覇(通算も3勝)が最高記録
強豪ジャガーも3連覇(通算は51、53、55-57、88、90の7勝)が
最高記録ですからトヨタは本当に
素晴らしい記録を更新してくれたと思います。

小林可夢偉初優勝に沸く傍らで、LMP2はファイナルラップに大事件
WRTレーシングのR.クビサが乗る41号車が
ファイナルラップのダンロップシケイン先でマシントラブルによる
戦線離脱という大波乱がありました。結果的にWRTは僚友機が
2位に居たため、追いすがるJOTAレーシングを下してLMP2クラス優勝をします。
が、決勝後の項垂れたクビサの姿に、2016年のトヨタの悲劇が重なります。
でも、これがル・マンなんです。チェッカーまで本当に何があるかわからない。

来年は地元最有力のプジョーが通算4勝目を目指して戻ってきます。
トヨタとの直接対決はGr.C晩年の92年、93年以来。
TS010では敗北を喫したので、祖先のリベンジを果たす時が来ましたね。

通常の会期通りならば、来年のル・マンは6月なので
もうあと10か月を切っています。ちょっと得した気分?かも



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Posted at 2021/08/23 16:16:00

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