とある10月の夜
久しぶりに B3のエンジンを目覚めさせる
タコメータの針が750rpm程度で落ち着くまで
その場に留まりたいところだが
この時間に 周囲に爆音を撒き散らすのも気が引ける
そろりと走り出す
バイパスを いつもとは反対方向へ走る
最寄りのICから高速に乗り 一路 西へ
夜の東名を名古屋まで走り 東海北陸道で北へ方向を変える
北に進むにつれてウィンドウが曇り始め 気温が低下していくのがわかる
寒気と高速道路照明の鈍い光が眠気を誘う
路面が濡れている
路肩が白いのは 雪?
白鳥ICで東海北陸道を離れる やはり路肩には雪が見える
深夜3時過ぎ 眠気に勝てず 休憩スペースにB3を停め
後部座席に移って仮眠を取る
外は雪が降ってもおかしくないほどの寒さのはずだが
車内では寒さを感じないで済むのが嬉しい
ほどなく目覚め 再び目的地を目指す
眼下に 九頭竜ダムのライトが 薄暗く周囲を照らしている
ダムの横を走り抜け 細い山道へと入っていく
他にクルマもいない山道
唯一 道路を照らすのは B3のヘッドライト
水音が聞こえる
山間を流れる川のようだ
道幅が把握できず 川との距離もつかめない
ふと前方を見ると ヘッドライトが作り出す輪の中に
小動物がゆっくりと走っていくのが分かる
写真に収めようとB3を停めると 道の脇へ消えてしまう
諦めて再び走り始めると ヘッドライトの光の中に姿を現し
さっきほどと同じようにゆっくりと進んでいく
それなら と B3を停めると また道の脇へ消えてしまう
何度 繰り返したか…
キツネに化かされているような気もするが
暗く 寒く 心細い山道 しばしの戯れで 寂しさがまぎれた
闇につつまれ 様子が見えないだけに 少し怖い
細く長い道のり
ナビを頼りに ノロノロと 小道を進んでいく
1時間も走っただろうか
ヘッドライトの光の中に ようやく人工の構造物が見えてきた
駐車場?
駐車スペースの一番奥 と思われる場所にB3を停める
外は 冷たい雨 息が白い
再び後部座席へ移り フリースのケットに包まって仮眠を取る
目を覚ますと 外は薄明るくなっていた

雲が多いが 雨は止んでいる
駐車場の端に 刈込池までの案内があった
ウォーキングコースになっているようだ

距離は1.5kmもない 拍子抜けするほど短い
所要時間は 短いコースで40分 遠回りのコースでも70分ほどのようだ
足元は 昨夜からの雨で 少々ぬかるんでいる
短い距離だが 細い山道を 登ったり下ったりして
大きめの砂利道へ出る
意外なほど立派な橋で 小さな川を渡り 刈込池がある山へと入ると
すぐにきつい登りが待っていた

階段が刻んであるのだが 傾斜がきつく 太ももへの負担が大きい
すぐに息が切れるので 休み休み進む
このくらいの距離で息が上がるのは寒いからか?
吐く息が白い 風はない
冷たい空気が爽快だ

暫く歩き 山の斜面を回りこんでいくと 小枝の間に 北側の山が見えてきた
もう冠雪している 紅葉と雪山ッ!

う~ なんだか気分が高揚してきたぞ~♪
きつい斜面を登りきると 比較的平らな笹原に出た
その笹原の中をハイキングコースが縫っていく
歩き始めると 前方でガサガサと音がする
笹原の中から?
笹原の中を走り抜けていくようだ
ガサガサ ガサガサ ガサガサ ガサガサ
ハイキングコースを横切るところで 一瞬 見えたッ
クマ~~~~~ッ !!!!!!!!!
体が 凍りついた
もう ここで引き返そうか
しかし もうそんなに遠くないはずだ…
行っても 戻っても リスクは同じではないのか?
前進することにした
しかし 怖い
熊鈴は持っていない 買っておけばよかった
仕方がないので 大声で歌いながら歩くことにした
何を歌ったか 覚えていないが ひたすら歌っていた
声が枯れそうだが こういう時は 意外に大きな声が出るものだ
案内板で見た行程から考えれば もうそんなに遠くはないはずだ
果たして 少し歩くと 下り斜面となり
程なく水面が見え隠れしてきた
刈込池 着いたど~! (笑)
山の中 周囲を林に囲まれた湖である
陽は まだ雲に隠れている
紅葉はしているが 光がなければ 画竜点睛…
To Be Continued …
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B3 | 日記
Posted at
2013/11/22 22:41:11