中国道安佐SAでB3sのガソリンを満タンにしたあとは、朝倉、壇之浦、九州へ渡って上毛と休憩しながら400km程を走行し、18時頃大分の市街地へ到着。
ICに続くメインストリートは上下線とも通勤車両で渋滞気味。1000km余りを走った後には少々辛い状況でしたが、渋滞のさなか、ヤマ○電器と地元の大型スーパーを見つけ、カメラ用のSDカードと食糧を購入。
新しいデジカメが、どういう訳か、事前にセットしたSDカードを読み込んでくれなかったため、現地調達を余儀なくされました。そんな訳で、大分へ到着するまでに撮影した写真は全く記録されていないという、トホホな事態となりました(^^;
宿へ着いたのは20時前。
購入した食材で簡単な夕食を済ませた後、家族用の浴室をゆったり使って熱い湯に浸かると、長かった1日の疲れがじわじわ溶け出して行くのが感じられました。
翌朝の目覚めは5時過ぎ。
ゆっくりと朝風呂に浸かり、36時間かけて伸びたヒゲを剃り、さっぱりとした気分で朝食を済ませました。
その後、二度寝を試みましたが、眠れそうもないので身支度を整えてB3sの元へ向かいます。
本日の目的地は熊本市の繁華街。
前日は15時間以上シートに座りっぱなしだったので、今日は丸1日熊本市内を歩いて探索し、身体を動かすことで帳尻を合わせようと目論んだ訳です。
駐車場でB3sのドアに手を掛けると、後ろから誰かに話しかられます。
※B3sの隣が「I」さんのお車ですが、分かりませんね(^^;。
『これ、アルピナですか? 初めて見ましたよ。 こちらではアルピナを見掛けることはないんですよ。 やっぱりアルピナの文字があると迫力が違いますね~。』
「そうですねぇ。ワタシも昔、お店で初めてアルピナを見た時は、すごいオーラを感じたものです。懐かしいなぁ。」
『私は「I」と云います。』
「え~?「I」さんですか? 初めて聞く苗字ですよ。」
『ええ、この地域にはとても多い姓なんです。』
20分程の立ち話の間に、彼は、近隣のレジャー施設で働いていて、仕事でやまなみハイウェイをよく走ること、台風予報のせいで多くのキャンセルが発生したので今日は休みになり温泉に入りに来たこと、この後、友人の勤める大分市内の店へ行くことなど、初対面なのに実に色んなことを話してくれます。
そして、大分市内へ行くには幾つかルートがあり、今日は「I」さんがやまなみハイウェイ以上に気に入っている時短コースを使うので、そのルートの入口までご一緒しませんかというお誘いを受けました。
これは地元の快走ルートを知る千載一遇のチャンスです。当然、熊本市街地散策に勝る最優先事項であります(笑)。ルート入口までの所要時間は15分程だと云うので、即座に同行をお願いしました。
宿の前の小路を下り、熊本市内へ続いているやまなみハイウェイとは逆方向へ進みます。暫くは、頭上に鬱蒼と木が茂る細い山道を駆け抜けたり、トンネルの中で濡れた木の葉や苔でリアタイアを滑らせたりしながら進み、トリッキーな接合部を経て、当地の幹線と思われる道へアクセスしました。
R442日田往環とクロスするこのルートは、アップダウンを繰り返しながら標高を稼ぎ、眺めの良い尾根伝いを走る奥豊後グリーンロードへとそのまま繋がっていきます。
途中、幾つか交差する道路が、有名なラムネ温泉や長湯温泉、ドイツ村などへもすぐアクセスできる観光向きのルートでもあるようですが、走っているのは地元車両ばかりです。
「I」さんは、ゆったりしたペースでドライブしながら、幾つかの主要な交差点で車を停めては、その周辺の観光スポットの説明や、熊本へ行くために引き返さなくてよいかと確認してくれるなど、様々な気遣いをしてくれます。
宿から市街地までの時短ルートを把握したかったこともあり、奥豊後グリーンロードの終点へ到達した後も、「I」さんに続いて市街地まで走りました。
すると、なんと!
彼は、昨夜食糧調達のために立ち寄った大型スーパーの駐車場へ入っていくではありませんか。
これにはホントに笑ってしまいました。
まさか一夜を挟んだ夜と朝に、宿から60㎞も離れた初めての街の同じポイントに導かれるとは!
「I」さんがこの大型スーパーに入ったのは、今走ってきた奥豊後グリーンロードとは別ルートで、宿まで戻ることができる楽しい道を教えてくれるためだったのです。
そして、その別ルートというのは、多分ワタシが昨夜走ったルートだと思われるのですが、真っ暗な夜の山道を、ナビだけを頼りに只々走ったので、景色は愚か、どこをどう走ったかさえ分かっていなかった訳で(^^;
お世話になった「I」さんとはここでお別れして、何やらご縁が有りそうなこのスーパーで昨夜に続き食糧を仕入れ、時計を見るとお昼になっていました。
これから熊本の市街地まで行くこともチラリと頭を掠めましたが、せっかく「I」さんに教えて頂いた奥豊後グリーンロードを自分なりに楽しもうと、今来たばかりのルートを引き返すことにしました。
幸い、ナビは走行したルートを点線で画面上に示してくれるので、多少分かり難い分岐があっても、戻るのは容易なのです。
市街地から延びる、交通量が多くつまらないR210を暫く走った後、左折して山道へ分け入ります。前を行く大型トレーラーが分岐で別ルートへ逸れると、マイペースドライビングが始まります。
「I」さんとゆったりペースで走った往路では、尾根伝いを走る眺めの良いルートだという印象だった奥豊後グリーンロードですが、マイペースで走り始めると、その表情は一変しました。
高速ロングストレートにヘアピンコーナー、右かと思えば次は左、多様な曲率のコーナーやアップダウンが延々と続きます。
昨日は1日中淡々としたハイウェイランをこなしてきたB3sが、ここへきて俄然輝きを放ち始めます。まさにこういうルートを走るために生まれてきたのだと思える素晴らしい身のこなしでドライバーを魅了してくれるのです。
奥豊後グリーンロードをこれだけ楽しめるのも、このクルマで走ってこそだと感慨に浸りながらも、四肢は忙しく動かし続けます。パワー、トルクの出方から、足回りのしなやかさや乗り心地、そして乗り手をわくわくさせる躍動感。どこをとっても、こうしたルートを走るための最高の相棒に相違ありません。
ルートの写真を残すために、走ったコースを引き返すのですが、走りの誘惑には到底抗えません。取り出したカメラをそそくさとバッグに戻し、眼前のワインディングに向けてアクセルに置いた右足に力を込めるのでした。
この日、正午頃の大分市内の気温は31度、奥豊後グリーンロードでは23~4度、熊本から大分にかけての高原地帯の過ごし易さが際立っています。
Posted at 2019/10/26 21:42:24 | |
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