6月初旬、梅雨に入る前にひとっ走りしておこうと、かねてから気になっていたメガーヌRSトロフィーSに乗ってきました。

ホントは、またまたシビックTypeRに乗りたかったのですが、お友達から他のクルマのインプレも宜しくというリクエストがあったので仕方なく…。
なんちゃって。
ホントは、その日TypeRは空いてなかったのだった。
メガーヌにも関心はあったのよ、モチロン。

で、1日タップリ乗ってみて、メガーヌRSってどんなクルマかっていうと…、
その派手な容貌からは想像出来ないほど運転しやすくてビックリ、って謂うのが最初の印象だったりする。
そして、そうは云いながらも、初っ端にガッツリとトルクステアを喰らってしまい、アクセルを踏み込むのを相当長い間ためらっていたのも、また事実だったりする。
一体、運転しやすいの?それとも運転しにくいの?
どっちなんだ~(^-^;
メガーヌに乗った1日の終わり頃、スポーツカーって何だろう?
なんてことを、ふと思ってしまった。
皆さんにとって、スポーツカーって、どんなクルマです?
さて、では、この日の初めから順を追って書いていきましょう。
いつもの様に新幹線を利用してお店へたどり着く。
最寄駅からお店まで、1キロ以上ウォーキング出来るのが嬉しかったりする。だって、この後は9時間近くクルマに乗りっぱなしになるのだから、お店への往復2~3kmくらい歩かないと、人間ダメになっちゃうぜ(^-^;

お店で手続きを済ませてメガーヌRSトロフィーSに乗り込む。
色は、ジョン・シリウス何ちゃらという黄色っぽい派手なやつだ。このクルマはほとんどこの色の様で、たまに見かけるメガーヌは大抵これだ。

そのボディ後部に斜めにストライプが入っているが、そこにトロフィーSという文字が追加されているのが、トロフィーSの証だ。カッコイイ~♪

クルマに乗り込むとヒップポイントはそれ程低くはない。
モチロン普通のセダンに比べればずっと低いのだが、シビックTypeRと比べると普通の高さに感じてしまう。

平べったいカードキーをセンターコンソール下部のスロットに差し込んで、スタートボタンを押し、エンジン・オン!

アクセルもブレーキも踏まずにエンジンがかかる、最近では珍しいタイプだ。
※ドアポケット。ウレタンスポンジの様なもので仕切ってある。仕切りを外せば大容量か?
※ダッシュボードの赤いラインがお洒落だね。
※タイヤはナンカンの235/35/19R、ブレンボがついているyのはもはやお約束か?
ファースト・アイドルもそれ程大きくはない。運転席で聞けば、音の大きさは分からないものだが(ワタシのアルピナでさえ、運転席では静かなクルマだと思ってしまうのだ)、メガーヌRSは、外で聞いても静かだったりする。これなら住宅街に住んでいても、早朝出発も気兼ね無しにいけるぜよ。
シフトを1速に放り込んでアクセルを踏む。

ぐぬぬぬぬにゃ~~ッ!!???
一瞬、変な方向へすっ飛んで行くんじゃないかとびびった。
トルクステアだ。
アクセルを強く踏み込んだ訳でもないのに、スタートの初っ端から喰らうとは…。
ステアリング、曲がってたのか?
電子制御をほとんど使ってないと聞いていたが、こういうことなのか?
この第一印象が、この日のドライブにかなり影響を及ぼしたのは間違いない。
気を取り直して公道へ出る。いつものルートで常磐道に乗り、土浦北ICまで高速走行だ。
以前、初めて試乗したときは、足がめちゃめちゃ固い印象で、こんなクルマ乗れねぇ~ッ!と思ったものだが、この日はそれ程固い感じは受けなかった。そういえば、あの時はエンジンの回転上昇も渋かった。多分、初めて試乗した固体は新車に近い状態で、エンジンや足がまだこなれていない上に、試乗コースの舗装も酷かったのだろう。
アルトワークスで走って、その舗装状態の悪さに閉口させられた土浦北IC出口へのランプも、今回のメガーヌでは、さしたる不満も感じずに通り過ぎた。

高速を下りると、筑波山の朝日峠駐車場まで流して、軽く休憩だ。
最近、猫ちゃん恐怖症に陥った様で、センターラインにキャッツアイがズラリと並ぶ筑波スカイラインは、ワタシの中では、走りを楽しむ場所ではなく、一つの経由ルートになっていた。

筑波山を下りると、何時もの様にフルーツライン、ビーフラインと繋いで、これも何時もの様に、山桜物産センターで野菜を物色する。が、帰りは新幹線だ。荷物は持ちたくない。見るだけでおさらばにする。

さぁ、今日のドライブは、ここからが本番なのだ。実は最近、フルーツライン、ビーフラインも通過ルートの一部に過ぎなくなっていた。何となくパンダさんの匂いがするし、何度も何度も走ったから、「また来たよ」ととりあえず挨拶しておけば気が済むのだった。お楽しみはここからさ。

ツインリンク茂木の周辺には素敵なドライブコースが沢山あるのだ。特に、シビックTypeRやメガーヌRSの様に車幅が大きく、トルクも馬力もそれなりに備わっているクルマには、狭くでこぼこな山道よりも、ある程度の広さときれいな路面をもつ高速ワインディングの方が能力を発揮しやすく楽しいのだ。

そういうルートが、ツインリンク茂木周辺には豊富にあることを、何度か道を間違えたり、わざと走ったことがないルートへ突っ込んでいったりしたことで発見していた。あの辺りは、アップダウンとクネクネ具合が素敵に混ざり合った快速ルートの宝庫なのだ。

こういうルートでは、TypeRやメガーヌの走りは俄然輝きを放ちだすように感じられる。
メガーヌRSには、乗り始めはシフトの引っ掛かりを感じていた。
アップ・ダウンを問わず、シフト操作には引っ掛かりがあり、少し力を入れて、押したり引いたりしてやる必要があったのだ。

だが、ボディの剛性感は相当なもので、常に、固いシェルに守られて走っている印象、安心感を感じていられる。

固いといえば、5万キロ近くを経過している固体なのに、足回りもまだまだ固く、路面の凹凸に合わせてボディも一緒に揺すられるのだが、決して不快なものではなく、スピードが上がるほど具合が良くなっていくのは、この手のクルマのお約束で、メガーヌRSもその例に漏れない。

そして、シートもまた結構固めなのだが、座っているとジンワリと馴染んでくるような印象で、今まで座ったシートの中では、かなりお気に入りのなのだ。ワタシの経験の中ではベストかもしれない(他のシートのことをあまり覚えていなかったりするのだが、シビックTypeRのシートも似た印象だった )。
※ちなみにリアシートは倒しても30度程の傾斜がついてしまい、フラットにはならないので、車中泊には向かないかも。
エンジンは気持ち良く回ってくれる。
1・2速は、あっという間にリミッターに当たる。これが楽しい(笑
1番気持ちいいのは3速で、ワインディングではほとんど3速に放り込んだまま走り続けてしまう。
ただ、極低速ではトルクが薄く、ぼんやりしているとエンストしてしまうのだが、メガーヌRSにはアイドリングストップ機構が付いていて、直ぐにエンジンが再始動してくれる。本来の用途ではないとは思うが、これは非常に便利である。
排気音も良い。
ファーストアイドルや、低速域ではジェントルだが、アクセルを踏み込むと良い音を響かせてくれる。特に5000rpm辺りからレッドゾーンまでのそれは快音と言うべきもので、この音を聴きたいがために、必要もないのにアクセルを踏みたくなってしまうほどだ。

トロフィーSにはアクラボビッチのマフラーが付いているが、この快音が、アクラボビッチの音だとすると、アクラボなしのメガーヌはちょっと損してるんじゃないかと思う。
始めに書いた様に、初っ端にトルクステアを喰らってしまったので、先入観が出来てしまい、快速ワインディングでも、どこか用心しながら、探るようにアクセルを踏んでいたのだが、多分そんな用心は不要だったのだろう。
たまたま先週借りたカーグラフィック誌のバックナンバーの記事に、ルノーのテストドライバーであるロラン・ウルゴン氏と日本のレーシングドライバー(山野哲也さんだよ~)との対談記事があった。
その記事によると、メガーヌRSのESPは、ノーマル、スポーツ、レースの3モードがあり、ノーマルでは何も起こらないが、スポーツモードはオーバーステア気味に仕付けられ、レースはESPのOFFモードになっている。
スポーツモードでは、ブレーキの前後配分をリア寄りに変えてあり、テールが出ることがあるが、これは、サーキットでは、オーバーステアでクルマをコントロールすることを覚えて貰いたいとウルゴン氏が考えているためらしい。ただ、初心者もいるので、スポーツモードでテールが出ても、最後の最後にクルマが救ってくれる様にしている。修正舵が遅れたら、クルマが介入してくる設定なのだという。
こんな考え方でクルマをセッティングしているルノーやウルゴン氏は素晴らしいですね。これを読んだら、メガーヌRSを買ってサーキットを走ってみたいと思ってしまいましたよ(^O^)
話を戻しますね。
初っ端に喰らったトルクステアの影響もあって、シビックTypeRの様に、どんなコーナーでも必ず曲がれるッ!的な安心感は最後まで持てなかったのですが、この日の終盤、筑波サーキット周辺のカントリーロードを走り回る頃には、すっかりメガーヌRSにのめり込んでしまい、もう、ひたすらアクセルを踏みまくっておりました。
そう、タイトルにもあるように、我を忘れて、ほぼ、ほぼトランス状態(^O^)

戻る時間が迫っても、まだまだ戻り炊くな~い!と山中を走りまくってました。メガーヌはシビックに比べて車幅が少し狭いので、すれ違い不可能なリアル1車線の林道でも、意外に安心してアクセルを踏んでイケるのであります。なので、2月に雪に囲まれて泣きながら走った狭隘林道を抜けるのに要する時間も短くて済んだのだった。
あまりに楽しくて、同じルートを2往復するとか、とにかく走りまくったので、お店に帰りついた時にはクタクタで、暫くボ~~ッとしてました。これもまた忘我の境地(笑)。
ドライブ中に、時々頭に浮かんだメガーヌRSのイメージは、"プロユース"
スピーカーでも、音色やスピーカーBOXに飾り気は無いものの、プロが信頼してモニターとして使う製品がありますね。どういう訳か、メガーヌにそんなワードが浮かんできました。何故だか分かりませんが、浮かんじゃったものは仕方ないですねぇ(^-^;
それから、スポーツカーって何だろうって考えてみて、自分なりの答えは、我を忘れて、夢中になって、ひたすらステアリングを操作したりアクセルを踏み込んだりできるクルマなんだろうな、なんて思ってしまいました。だから、クルマは何でもいいんでしょうね。
さて、次回は比較のために、またシビックTypeRに乗りたいのですが、もう一度メガーヌRSに乗りたいという気持ちも強いし、軽自動車のアルトワークスやS660にも久しぶりに乗ってみたいなぁ、なんて困っちゃうなぁ(^-^;
※この写真はスタート前のものです。
この日の走行距離は約320km、燃費は参考ながら8.04km/Lでした。
カタログ燃費同様、シビックTypeRの方が1km/L以上良さそうです。