1ヶ月と2週間放置してしまったB3を動かさなきゃ&最新アウディはどんなだッ ってことで久しぶりにドイツ車の試乗に行ってきました。
試乗したのは新型A4の1.4TSFIアバント。
ショールームに佇むA4、ネットで見る写真よりスタイリッシュでおしゃれです。

早速セールスさんと一緒に車に乗り込みます。
内装はシンプルですが質感が高く、スイッチ類の操作感も良好で全体の質感を高めています。
この辺り、さすがアウディというところでしょうか。
アクセルを軽くひと踏みしてゆっくりと公道へ出ます。
【走行性能】
走行モードはノーマルとスポーツ。
ノーマルで走り出しても、低速からマイルドに効くターボのおかげか、1.4Lを感じさせないスタートです。街中を普通に走るのであれば何の不足もありません。
慣れてくると、スタート時や中間加速でのアクセルへの反応に、少しもどかしさを感じる方もいるかも知れませんが、ダウンサイジングターボの燃費重視の設定ということでしょう。
スポーツモードを選択すれば、アクセルへの反応もより敏感になり、もどかしさを感じることはないと思います。
高速道路を法定速度辺りで流すのであれば、ノーマルモードでも気持ちの良い領域ですが、その上のスピードに乗せるにはアクセルを踏み込んでいく必要があります。
【乗り心地】
試乗車はスポーツグレードで、スポーツシートが付いています。
このシート、なかなかの優れもので、座った瞬間にフィット感の良さを感じられました。
勿論、フルバケの様なタイトなフィット感ではありませんが、そこはかとなく良いのです。試乗時間は、ゆっくり流れる般道や高速を含めて1時間程度だったので、長距離でどうかは分かりません。機会があれば試してみたいものです。
後席に座ってみて、前席シートはかなり低めに設定されているのではないかと感じました。前席シートのショルダーが随分低いところにあって、後席の開放感が高いのです。
後席自体も比較的座り心地の良いシートで、決して広くはありませんがニースペースにも不足はなく、窮屈な印象はありません。
キャビン全体から感じられる質感が良いので、これも乗り心地に反映しているのかもしれません。
高速走行中の車内は静かです。
タイアの音は聞こえるのですが、ロードノイズという印象ではなく、しっとりした軽い音質です。
風切り音は聞こえなかった様に思います。タイアの音に隠れていたのでしょうか。
実は、試乗後に全く同じルートをアルピナでなぞったのですが、静粛性はアルピナの方が高かったのが意外でした。
アルピナではより高い速度域で巡航しましたが、タイアの音は気にならず、風切り音の方が大きく聞こえていました。
A4などの最近の車は空力性能が凄く高いということでしょうか。
高速巡航での印象の良さには、ノーマルモードのジェントルな出力特性や室内の静粛性の高さも寄与しているかもしれません。
【足回り】
スポーツグレードなので、足回りは少し硬めで、ホイールも通常の16ichから17ichにUPされています。乗り心地はソフトではありませんが硬いという印象もありません。好みはあるでしょうが良好な乗り心地だと思います。
この足回りもなかなか優秀で、高速ランプの比較的タイトなカーブを、結構なスピードで何の不安も無く、気持ち良く駆け抜けてくれました。よく云われる「路面に吸い付く」という印象です。この部分はちょっと惚れました。
高速巡航中の印象もとても良いです。路面との当たりがしなやかでしっとりしているのです。
走行中、この区間は舗装をやり直したばかりなのか?とか、新品タイアの性能のお陰か?とか反問していましたが、やはり足回りが良いのだと思います。
【燃費】
少し混んだ市街地の後に高速道路、更に市街地を走行中に燃費計を見ていると、メーターは13.8km/L前後で動いていました。
下道も高速も法定速度辺りで走行していましたが、実燃費がこの通りであれば、結構優秀でしょう。
ちなみにモード燃費は16.7km/L程です。
【機能】
試乗車にはバーチャルコクピットという機能がオプションで付いていました。

タコメータやスピードメータが画面上で拡大したり、ナビ画面が表示できたり、走行距離や燃費が表示できたりします。
メーターナセル内一杯に、バットマンのコウモリマークの様な形のナビ画面が現れるのは新鮮で面白いですが、その左に普通のナビが付いているので、必要性は疑問符付きです。
また、運転支援機能は、高速道路等での車線キープ、前車追随&減速・ストップ、車両斜め後方に他車が接近した際のサイドミラーランプ点灯、バックカメラなどです。
車線キープ機能は、ウインカーを出さずに車線変更を試みるとステアリングが抵抗するので、居眠りや不注意運転に効果がありそうです。
運転支援レベルは、複数の支援機能が採用されているので第2段階にあたります。購入するなら、もう1段階は進んだものが欲しいですね。
【積載性】

試乗車はアバント、いわゆるワゴンタイプですが、後席を前へ倒しても荷室はフラットにはなりません。後席背もたれの厚みの分段差が出来ます。
最近、ワゴンタイプを見ると、車中泊が快適に出来るかに関心がいくのですが、スタイリッシュなアウディは車中泊とかは考えていないのでしょう(笑
というか、後席着座時の快適性を優先すれば、フラットにはならないということでしょうね。
リアゲートはボディの下に足先を差し込むことで開閉出来ます。
一部のミニバンにも採用されていますが、傘をさす雨の日や両手で荷物を抱えている時などは勿論、普段でも手を汚さずに開閉できるのでとても便利だと思います。
【最後に】
新型A4、外観も内装もシンプルで質感が高く、良いもの感が溢れていて、さすがアウディという感じです。
高速道路等を走ると、ボディ剛性の高さがよく分かります。
ボディが軽くしっかりしていて、一体感が高いのが感じられるのです。
アバントの車両重量は1490kgとワタシのB3と同じですが、比べるととても軽く感じられるます。
スタート時にターボのトルクによりスルッと動くことも効いているとは思いますが、やはりボディが良いのでしょう。
帰りに自分の車で同じルートを走ってみて、アルピナの良さやMTの楽しさ等を再確認できた部分も多かったのですが、10年以上の時を経た技術の進歩を目の当たりにできたのも収穫でした。
もう一つ二つ感じたことを付け加えます。
まず、このような快適性や安楽さを追求した車は、あと数年で完全自動運転化しそうですから、買うならそれを待てばいいのではないかということ。
それから、試乗が終ってからですが、コクピットに収まった印象がゴルフⅦにとてもよく似ている事を思い出しました。ま、当然かもしれませんね。
では、ディーラーの皆様、ありがとうございました。
※画像は全てネットで拾ったものです。