
太宰府インターを降りると、意外にも道路は空いていた。
その3日前、高速道路でこのインターチェンジを通過した際、大量のクルマがまるで鰯の大群のように本線に雪崩れ込んでくるのを見たばかりだったので、ここへ降りるのは遠慮したいと思っていたのだ。
車載の外気温計は37℃を表示していた。
今日の午後は、福岡の街なかを歩き回る事も頭にあったが、この熱さではさすがに厳しい。
代わりに太宰府に立ち寄ることにして、基山PAでナビをセットし直した。
太宰府インターを出て、クルマ少なめの広い道路をナビに従ってゆっくり流す。スピードを出す車が居ないのはネズミ捕りを警戒しているのだろう。
まあ、知らない街でもこれくらいのトラフィックなら楽に運転出来る。
太宰府近くの生活道路に入っても、渋滞らしきものはない。
とりあえず、突き当りの角に面した露天駐車場にクルマを停めた。
たまたまその駐車場から出発しようとしていたお兄さんに声を掛けると、クルマから降り立って答えてくれた。
「太宰府はここから近いですか?」
『あそこの緑の森みたいなのが太宰府ですよ。ワタシ達はこの駐車場に停めたけど、もっと近くでも同じ料金でしたよ。屋根付きで同じ料金の駐車場も有ったし。』
「ありがとう!」
3時間300円の料金を払おうとしていた嫁さんをクラクションで呼び戻し、屋根付き駐車場へ向かう。
200mほど先の左手にそれは有った。
ちょうど1台が出て来るところだった。
オバちゃんが来て『大丈夫、入れるからちょっと待っててね』と待機を促す。
その1台が行ってしまうと、今度はじっちゃんが近付いて来て、『はい、そのまま前進で入って来てね〜。』
『狭くてゴメンね~。はい、そこで少し右に切って〜。もうちょい前、もうちょい前。はい、いいね』
『出る時はちゃんと誘導するから大丈夫だよ〜。』
カメラとスマホ以外の荷物を全てクルマに残し、歩いて出口に向かう。
じっちゃんが『太宰府は初めてかい?』と聞くので、そうだと答えると、『じゃ特別な太宰府ガイドをしてあげるよ』と太宰府周辺の地図を取り出した。
『このすぐ前に本殿があるから、飛行機の時間が無い人は1分で行って来れるよ。
でも、時間が有るなら、そこの大きな赤提灯を右に曲がって参道を歩いてからお参りするといい。梅ヶ枝餅を食べながら歩くのもいいし、有名な建築家が設計したスタバや色んなお店が並んでるよ。
そして天満宮の中へ入ったら、過去、現在、未来の橋を渡って身を清めてからお参りするといいよ。30分掛からないよ〜。』
という事で、仰せに従い、赤提灯を右折し、参道へ。
真夏の日差しが照りつける中、参道の端まで行って、写真を撮りながら戻る。
ほとんどのお店で梅ヶ枝餅を扱っている。
時折エアコンが効いたお店で涼みながら、緩いのぼり道を歩く。
日差しは刺す様に照りつけるが、湿度が低めでカラッとしており、それほど不快感は無いのが救いだ。
太宰府天満宮、もっとずっとずっと広かった様に記憶していたのだが…。
まあ、前回来たのはずっと昔、子供の頃かもしれないからね。
ぶらぶら歩いている最中、ふと、車のドアをロックしたか気になったのだが、暑い中戻るのも面倒なので考えないことにした。
駐車場に戻ってみると、ロックしていなかったどころの騒ぎじゃなかった。
運転席のドアが少し開いたままになっていた。
言い訳をすると、隣のクルマとのスペースが少なくて、閉める際にしっかり勢いをつけられなかったのだろう。
そして、自分のN-ONEは、クルマから離れれば自動でロックされるので、きっとその習慣でクルマを離れたのだと思う(今回借りたヤリスのレンタカーには、その機能は付いていなかった)。
4日間しっかり手動でロックしてきたのに、最後の最後に忘れてしまったのは忸怩たる思いを禁じえない(なんちゃって)。
まあ、暑かったし、最終日で疲れていたのかもね(笑)
そんな失敗談はあるが、屋根付き駐車場だったお陰で、車内が全く熱くなかったのはよかったし、たぶんじっちゃんがクルマを見ていてくれたのだと思う。
そして、このじっちゃんのお陰で単なる観光地巡りが記憶に残るものになった。
Posted at 2022/08/02 21:19:51 | |
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