南スーダンでの国連平和維持活動(PKO)への陸上自衛隊施設部隊の派遣を検討するため、陸上、海上、航空3自衛隊による第2次調査団が8日、成田空港を出発した。調査団は隣国ケニアやウガンダから南スーダンの首都ジュバまでの機材、物資の輸送環境や治安情勢を調べる。政府は調査団報告を受け、現地の道路や橋梁(きょうりょう)などのインフラ整備を担う施設部隊の派遣を正式決定する方針だ。しかし、政府に懸案の武器使用基準の緩和に踏み切る気配はなく、国際貢献の美名の下に、自衛隊は不条理な制約を課せられたままの出発を強いられそうだ。
南スーダンのPKOをめぐっては、国連の潘基文(パン・ギムン)事務総長が菅直人前首相に施設部隊派遣を要請。菅政権は司令部要員の派遣にとどめる方針だったが、野田佳彦首相が9月の国連演説で前向きな姿勢にかじを切ったため、政府内の調整は急速に進んだ。
ただ、政府はすでにハイチに派遣中の施設部隊300人の派遣期間を1年間再延長する方向だ。この上、南スーダンに300~350人を派遣すれば、「自衛隊の能力以上の状態になる」(陸自幹部)とされる。
さらに、制約が多く、隊員の身を危険にさらしかねない自衛隊のPKOにおける武器使用基準の緩和は、今回も政府内でまともに議論されていない。
現行のPKO協力法では、近くにいる他国部隊や住民が襲撃される場面に遭遇しても、自衛隊は救援のための武器使用は認められず、見て見ぬふりをするしかない。南スーダンでの任務は輸送業務も想定されるが、輸送を妨害されても警告射撃もできず、迂回(うかい)するしかないのが現状だ。
政府が武器使用基準の緩和に抵抗の強い公明党や社民党に配慮し、野田首相も慎重姿勢を示す中で、一石を投じたのが民主党の前原誠司政調会長だ。米ワシントンでの講演で、行動をともにする他国部隊が攻撃された際に武器を使用して反撃できるよう法的な課題を解決すべきだと表明した。
前原氏は法改正に向けた与野党協議を呼びかけたが実現していない。政府だけでなく野党側の対応もバラバラで、民主党も前原氏の提起に呼応する様子はほとんどないからだ。前原氏が党内取りまとめや自民党に対する働きかけで奔走している形跡もない。
だが、南スーダンの治安情勢はいまだ安定せず、自衛隊員が危険にさらされる可能性は捨てきれない。2次調査隊が派遣されたのもそのためだ。
元陸自イラク派遣部隊の先遣隊隊長の佐藤正久参院議員(自民)は「民主党は武器使用基準緩和の検討を急ぐべきだ」と訴える。
そもそも「これまでのPKOで自衛隊員の被害者が出なかったのは奇跡だ」(防衛省筋)といわれる。にもかかわらず、陸自施設部隊は手かせ足かせをはめられたまま、来年早々にも治安環境が厳しい地に出発することになりそうだ。
日本の政治家と言うのは本当にろくでもないのしかいないようだ。前回の原発事故の際のヘリによる散水にしても10万人派遣の大動員にしてもそうだが、今回の南スーダンPKOも野田政権の人気取り、外向けの良い恰好しいでしかない。自衛隊も軍隊でそれなりの装備・訓練をしているのだから危険な場所への派遣もやむを得ないこともあるだろうが、それならそれで可能な限り安全に配意して派遣すべきだろう。
かって一国の立法府で、PKOに派遣する自衛隊に装備する機関銃は1丁か2丁かなどというあきれ果てた議論がなされたことがあるが、どうもそのレベルから一向に進歩していない。特に民主党は自分たちの人気取りのためには他人をないがしろにすることをはばからない。それは日本憲政史上最悪の総理大臣バ菅だけかと思ったが、それが民主党の体質のようだ。
危険な場所に派遣するのならそれなりの装備をさせて基準を整備して出すべきだろうし、それが政治家の責任だろうに自らの責任は放り出して他人にばかり負担を押し付けるのは為政者たる資格がないとしか言いようがない。こんなバカな政治家ばかりの国で暴動もクーデターも起きないことに日本の政治家は天を仰いで感謝すべきだろう。
Posted at 2011/10/09 22:46:24 | |
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