陸上自衛隊北部方面隊(総監部・札幌市)は29日、大分県の日出生台演習場で11月10日から行われる過去最大規模の演習(11月10~22日)に参加する陸上自衛隊第7師団(千歳市)の装甲車を、札幌貨物ターミナルで貨物列車に積み込む作業を始めた。
訓練には同師団から第11普通科連隊や第73戦車連隊など約410人、約120両が参加する。昨年12月に策定された「防衛大綱」は、南西方面の防衛重視を打ち出しており、今回は島嶼部や重要施設などの防衛を想定した過去最大規模の実弾射撃や模擬訓練となる。機動的な防衛力の強化から、同師団の装甲車や戦車をJRの貨物列車や民間フェリーを使って長距離移動させ、課題を探る。
この日は、クレーン車を使って73式装甲車計5両を貨物列車に積み込んだ。積み込みは30日も行われ、列車は31日未明に出発する。11月7日未明には苫小牧市の苫小牧西港から90式戦車などもフェリーで大分に向かう。
北方防衛の要だった第7師団が南西諸島防衛のために西に機動する。旧ソ連の崩壊後も陸上自衛隊は北海道に2個師団、2個旅団を張り付け北を睨んでいたが、さすがに北だけを睨んでいるわけにも行かなくなったようだ。
日本に大規模武力侵攻をかけられる国はなくなった。米国も日本に侵攻するには相当な戦力を集中しないと無理だろう。それではほかの地域が空っぽになってしまう。その分、局地的な紛争の発生が危惧されるようになった。その代表格が尖閣諸島と先島諸島だろう。
最近の陸上自衛隊の装甲戦闘車両は大型化して鉄道輸送が難しくなった。74式戦車以降は鉄道輸送を考慮していないのでトレーラーで道路を行くか、海上輸送になる。離島防衛のような局地紛争の場合は中隊戦闘団または連隊戦闘団程度の部隊をいかに効率的に迅速に移動させることが出来るかが要点になるだろう。
動的防衛力が言葉遊びに終わらないように装備を整えるとともにその運用についても十分に研究しておく必要があるだろう。取られてから慌てて泣きを見ないように。
Posted at 2011/10/30 23:15:39 | |
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