北朝鮮の「人工衛星」と称する長距離弾道ミサイル発射が迫った11日、政府はミサイル本体や部品が日本領域に落下する緊急事態に備え、厳戒態勢に入った。米軍と協力し情報収集に努めるとともに、発射が確認されれば、総務省が速報する「Jアラート」(全国瞬時警報システム)を使って上空通過が予想される沖縄県などの各自治体に速やかに伝達する。迎撃のための最終準備も行った。
「田中(直紀)氏は緊張感をもって、迎撃の問題も含め、しっかりと職責を果たしていただけるものと確信している」
野田佳彦首相は11日の党首討論で、田中直紀防衛相の対応を不安視した自民党の谷垣禎一総裁に反論。そのうえで「政府を挙げて、国民の安全、財産、生命を守るために全力を尽くしていきたい」と強調した。
政府は首相官邸にこれまでの情報連絡室を改組した官邸対策室、外務省に緊急対策本部をそれぞれ設置し、24時間態勢で情報収集にあたる。
また、田中氏は来日中のロックリア米太平洋軍司令官と会談し、自衛隊と米軍が緊密に連携することを確認した。田中氏は会談で珍しく官僚が作成した資料を見ることなく「発射を間近に控え、情報共有など日米の緊密な連携を確認できることは大変ありがたい」と述べた。
米軍は最新型レーダー「Xバンドレーダー」の海上配備型(SBX)を配置したほか、米軍嘉手納基地(沖縄県)に、ミサイルの動きを監視する電子偵察機RC135S(コブラボール)2機を派遣。配備済みの1機を含め、米軍が保有する同機をすべて投入した。
発射予告の時間帯に入る12日午前7時からは田中氏や藤村修官房長官ら関係閣僚が防衛省や官邸で待機する。発射されれば第一報は米軍から入り、首相官邸の危機管理センターからJアラートで関係自治体に伝達する。その後、安全保障会議を招集し、対応策を協議する段取りになっている。
主要国(G8)外相会合出席で訪米中の玄葉光一郎外相は、滞在中にミサイルが発射されれば現地で米国やロシアと協議するほか、中国や韓国とも電話会談できるよう調整している。
政府は日本領域内へのミサイル落下は「通常は考えられない」(藤村氏)としているが、落下してきた場合は地対空誘導弾パトリオット(PAC3)やイージス艦に搭載した海上配備型迎撃ミサイル(SM3)で撃ち落とす。
SM3の迎撃試験で成功したのは4回中3回、PAC3は2回の試験でいずれも成功させた。防衛省幹部は「弾道ミサイルが進化するだけ迎撃ミサイルも常に進化している」と迎撃に自信をみせるが、別の幹部は「空中分解して軌道が不規則になると、迎撃の難しさは増す」と指摘する。
藤村氏は11日の記者会見で「万々が一に対処しており、一般のみなさんは冷静に対応いただきたい」と呼びかけた。
北朝鮮のミサイル発射で大騒ぎだが、普通に飛んで行けば特に問題はない。ミサイル攻撃をすると言っているわけではないのだから冷静に事態を見守ればいいだろう。イージス艦やPAC3はまさかの備えと言っても良い。しかし、この手のことにはかなりお気楽な日本人だから少しくらい緊張するのも良いのかもしれない。自衛隊はその存在価値が見直されて喜んでいるだろう。極東の情勢が決して安定していないということを認識できればそれなりの価値があるかも知れない。
Posted at 2012/04/12 00:23:53 | |
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