陸上自衛隊が国連平和維持活動(PKO)で展開している南スーダンとスーダンの間で衝突が激化している問題で、田中直紀防衛相が治安情勢の徹底調査を指示したことが20日、分かった。田中氏は現地調査団の派遣も検討するよう求めたが、調査団を送れば2次隊の派遣時期が遅れる。このため、現地を訪問中の陸自中央即応集団司令官が週明けに視察結果を報告することで調査団派遣は見送り、活動も継続する方針だ。
陸自は今年1月から南スーダンの首都・ジュバに1次隊となる施設部隊を順次送り、3月中に約210人の要員が到着した。宿営地を設営しながら、道路や橋の補修などインフラ整備を行っている。
南スーダンは昨年7月、スーダンから分離独立したばかりで、両国は油田地帯の領有権などをめぐり対立。今月10日、南スーダン側が国境付近のヘグリグ油田を武力制圧したのを機に緊張が高まった。スーダンのバシル大統領は18日、大規模な軍事攻撃を示唆している。
情勢の緊迫化を受け、田中氏は今週に入り、陸自部隊の活動継続に支障がないか確認するため、2次隊の派遣前に現地調査団を送ることを検討するよう省内で指示した。15日に国境地帯のユニティ州マヨムにある他国のPKO部隊基地がスーダン軍機に空爆されたことで、田中氏は危機感を強めたという。ただ、調査団を送ることになれば、1次隊と2次隊の交代時期がずれ込むことは避けられない。
陸自は2次隊として5月から6月にかけ約330人を送る計画で、今月末に派遣命令を出すことを予定している。仮に調査団を派遣するとすれば、団の編成から派遣後の報告まで数週間かかる。その間、2次隊に対する派遣命令の発出や移動時期・手段の確定も先送りを余儀なくされる。
2次隊の到着まで1次隊は現地にとどまらざるを得ず、活動期間も延びる。初動部隊として緊張状態の中で活動した上、帰国が遅れることになれば隊員の士気も低下しかねず、「2次隊は予定どおりのスケジュールで派遣すべきだ」(防衛省幹部)との声が多い。
治安情勢についても岩崎茂統合幕僚長が19日「戦闘地域はジュバから500キロぐらい離れており、任務に影響はない」と明言した。
スーダンと南スーダンとの国境地帯で続く両国軍の衝突で、南スーダン政府が制圧したスーダン領内の油田地帯ヘグリグから撤退すると表明、スーダン政府は、ヘグリグをスーダン軍が解放したと発表したようだ。これで全面戦争突入が回避されるか可能性が出てきたという。
3月末に始まった衝突は、南スーダン軍が、スーダンの原油生産量の半分を占めるとされるヘグリグを制圧したことで激化、奪還を目指すスーダン軍は空爆などで対抗し、ほとんど戦争状態となっていたが、これで緊張緩和に向かうのだろうか。それにしても大丈夫だと強弁して自衛隊を出した政府はそう簡単に引っ込めるわけにもいかないだろう。
未だに一触即発の危険な状態は続いているようだが、無責任政府によって派遣されたPKO部隊に被害が出ないと良いのだが。
Posted at 2012/04/21 14:47:11 | |
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