政府は2日の閣議で、2016年版「防衛白書」を了承した。南シナ海や東シナ海で海洋進出を強める中国について、「既成事実化を着実に進め、今後の方向性に強い懸念を抱かせる」と批判。今年に入り4回目の核実験を強行し、弾道ミサイル発射実験を繰り返している北朝鮮に関しては「地域・国際社会の安全に対する重大かつ差し迫った脅威」と指摘した。
中国と北朝鮮に関する記述は前年より計10ページ増えた。南シナ海で中国が進める人工島造成を念頭に、「高圧的とも言える対応を継続させている」と言及し、南沙(英語名スプラトリー)諸島で「砲台といった軍事施設のほか、滑走路や格納庫など軍事利用しうるインフラ整備を推進している」と指摘。「中国を含む各国が緊張を高める一方的な行動を慎み、法の支配の原則に基づく」よう求めた。
東シナ海での中国軍の活動に関しては、沖縄県・尖閣諸島近くまで軍艦と軍用機の活動範囲が拡大しているとし、「行動を一方的にエスカレートさせており、強く懸念される」と表明。「今後も強い関心を持って注視していく」と言及した。
北朝鮮が「水爆実験」と主張した1月の核実験については「地震の規模から考えにくい」としつつ、「4回の実験を通じた技術的成熟などを踏まえれば、すでに核兵器の小型化・弾頭化の実現に至っている可能性も考えられる」との見解を示した。
今年2月に発射したミサイルについては、長距離弾道ミサイル「テポドン2」の派生型(改良型)と断定。6月の新型中距離弾道ミサイル「ムスダン」の発射成功も踏まえ、「技術的信頼性が前進した」と分析した。4月の潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の実験で固体燃料が使用された可能性を指摘し、「攻撃手段の多様化につながる」と危機感を示した。
過激派組織「イスラム国」(IS)をはじめとする国際テロの脅威については「中東・北アフリカにとどまらずグローバルに拡散しており、我が国自身の問題として正面から捉えなければならない」と記述した。
今年3月に施行した安全保障関連法の説明には、集団的自衛権行使容認を含めて20ページを割いた。憲法との関係について、自国の存立を全うするための自衛の措置を認めた砂川事件最高裁判決の範囲内であるとして「憲法に合致したもの」と強調。また、新任務に伴う自衛隊員のリスクは「生じる可能性はある」としながら、活動地域に関する情報収集や十分な装備、適切な訓練などを通じてリスクを「極小化、局限化し、隊員の安全対策に全力を挙げる」とした。
◇2016年版「防衛白書」のポイント
・中国は高圧的とも言える対応を継続。既成事実化を着実に進め、今後の方向性に強い懸念を抱かせる。
・北朝鮮の核実験と弾道ミサイル発射は地域・国際社会の安全に対する重大かつ差し迫った脅威。
・国際テロの脅威はグローバルに拡散、我が国自身の問題として正面から捉えなければならない。
・安全保障関連法は憲法に合致。自衛隊員のリスクが生じる可能性はあるが、安全対策に全力を挙げる。
北朝鮮は、「日本など相手にせず」だろうが、中国のメインターゲットは米国ではなく日本だからそれはしっかり認識しておかないといけない。中国にとっては日本さえなければ西太平洋への出入りは自由、そこは自分の海なんだから、日本がことさら緊張を煽り立てて云々などと非難するが、中国のやっていることは世界中が承知だから説得力がない。大体、他人のことをとやかく言う前に自分がやっていることを考えろよ、・・と思ったら日本にも民進党とかいう似たような連中がいたか。
Posted at 2016/08/03 14:38:06 | |
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