米太平洋軍が、戦略爆撃機のB52、B1、B2の3機種を同時にアジア太平洋地域に展開している。東シナ海や南シナ海で軍事的覇権を強める中国が、リオデジャネイロ五輪の閉会式(21日)前後に暴発することを牽制する狙いとみられる。安倍晋三首相が日本を留守にする「重要警戒Xデー」とは。沖縄県・尖閣諸島に、中国の海上民兵が強行上陸する暴挙だけは、日米の絆で断固阻止しなければならない。
「地球規模での安全保障への米国の関与と、信頼性のある戦略防衛能力を示した」
米太平洋軍は17日、3機種の爆撃機展開を発表し、こうコメントした。爆撃機は米領グアムのアンダーセン空軍基地を離陸し、南シナ海や北東アジアで活動したという。同じ空域で同時に活動するのは初めてだ。
B52は「ストラトフォートレス(成層圏の要塞)」との愛称を持つ長距離戦略爆撃機。全長48・5メートル、全幅56・4メートルと巨大で、航続距離は約1万6000キロ。核爆弾や巡行ミサイルなどを大量に搭載でき、「死の鳥」と恐れられている。
B1は、低空を超高速で敵地に侵入する戦略爆撃機で、全長44・8メートル、全幅41・6メートル、最大速度はマッハ1・2。可変後退翼を採用する。愛称は「ランサー(やり)」だ。
B2は、全翼機という特殊な形状で、高いステルス性能を持つ。全長21メートル、全幅52・4メートル。大ヒット中の映画「シン・ゴジラ」にも登場した。
習近平国家主席率いる中国は今月に入って、尖閣周辺の接続水域や領海に大量の公船や漁船を侵入させている。漁船には、軍事訓練を受けた100人以上の海上民兵が乗り込んでいるという。
安倍首相は、リオ五輪の閉会式に出席するため、20日に政府専用機で出発し、23日まで日本を留守にする。自衛隊の最高指揮官が不在のスキを狙って、中国の海上民兵が尖閣強奪に着手する危険性はあり得る。
当然、海上保安庁や陸海空自衛隊が最高レベルの警戒態勢を敷いているが、同盟を組む米軍も黙ってはいない。
軍事ジャーナリストの世良光弘氏は「米軍が3機種の爆撃機を同時展開するのは異例だ。中国に対して『場合によって空爆も辞さない』という明確なメッセージを伝えるものだろう」といい、続けた。
「中国は『平和の祭典』であるリオ五輪の最中も、東・南シナ海での挑発をやめていない。米国としては、『リオ五輪が終わり、習氏が議長を務める中国・杭州でのG20(20カ国・地域)首脳会議が始まる前が危ない』と分析したのではないか。そもそも、昨年の米中首脳会談で、習氏は『南シナ海の埋め立てはやめる』と約束したが守っていない。オバマ米大統領がケジメを付けるため、空爆を決断する可能性はある」
中国は尖閣を取りに来るかねえ。占拠すればいくら日本でも自衛隊が反撃して武装勢力を排除するだろう。当然、米国も支援に動く。そこで負ければ政権が崩壊する可能性もある。その危険を冒してまで尖閣を取りに来るだろうか。それよりも南シナ海問題で反中国姿勢を鮮明にしている日本に対する威迫だろうと思うがどんなものだろう。米国は南シナ海、東シナ海双方を含めて、「やれるものならやってみろ。黙ってはいないぞ」と言ったところだろう。しかし、危ないせめぎ合いが続くなあ。
Posted at 2016/08/21 16:56:15 | |
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