28日に国会内で開かれた民主党の両院議員総会。岡田克也幹事長ら党執行部からも菅直人首相を突き放す発言が出るなど、首相の熱弁とは裏腹に冷ややかな雰囲気に包まれた。
両院議員総会はもともと小沢一郎元代表のグループが今春の統一地方選敗北を受け、「菅降ろし」の場にしようと求めていた。今回は岡田氏が首相に出席を要請し、総会でも首相の任期について「残された少ない時間」と指摘するなど、首相を守るはずの執行部も「敵」に回る展開になった。
最初に指名されたのは小沢氏に近い階猛衆院議員。再生可能エネルギー法案の成立を求めて首相が「私の顔を見たくないなら早く法案を通せ」と発言したことに関し「国会議員が首相の顔を見たいかどうかで法案を論じているというのは、国会への冒とくだ」と批判した。壇上で思わずうなずいた安住淳国会対策委員長に、階氏は「同じ思いのはずだ」と呼び掛け、安住氏は苦笑した。
続いて質問に立った橘秀徳衆院議員は自民党から浜田和幸氏を総務政務官に引き抜いた首相人事を批判したうえで、安住氏に「本音を語ってください」と呼びかけた。安住氏が答弁に立つと会場から「がんばれ」とヤジが飛び、安住氏は「橘さんと同じような考え。男は黙って仕事をこなす」と同調。会場には大拍手がわき、安住氏の横で聞いていた首相は苦虫をかみつぶしたようだった。主流派の前原誠司前外相のグループに属する阪口直人衆院議員も「今は小学生も『一定のめどがついたら宿題をやる』と言っている」と首相発言を皮肉った。
首相に早期退陣を求める声も相次ぎ、小沢元代表に近い瑞慶覧長敏衆院議員は「新代表を速やかに選んでほしい」と早期の代表選を要求。藤田幸久参院議員も「立つ鳥跡を濁さずだ」と促した。
会場の冷たい雰囲気を感じ取ったのか、首相は退出前に「みなさんからすればなぜここまで頑張るかという見方もあるのかもしれないが、私自身は私のことだけで言っているのではなく、(次期首相に)安定的に引き継ぐということで、私個人が何かを得たいとかそういうことではない」と約8分間にわたり熱弁を奮った。
だが、首相が退出する際には「ダメだこんなの」「質問に答えろ」など激しいヤジが飛ぶ始末。歩き始めた首相は途中で厳しい表情でにらみつけ、会場をあとにした。
遂に与党にも見放されたバ菅総理、この先、最後の手段は、動物的な保身の勘に頼って、「原発是か非か」で、脱原発を掲げて解散を打つしかないだろう。この時期にそんなことをという常識的な見方もあるが、世論の慣れは脱原発、それを捉えて、この総理なら自身の権力の座を守らんがためにやるかもしれない。
今回の震災で原発の構造そのものはさほど被害はなかったようだ。要は冷却系を駆動する電源を失って原子炉の発熱を抑えきれなくなったようだ。要は電源が確保できればそれほど危険はないということだろう。それなら電源は主電源のほかに非常用電源、移動電源の3重以上、最低でもそのうち1系統は耐震・防水構造とするなど電源を多重化するなどして対応する。
原発は停止していても冷却できなくなれば危険性は変わらない。当面は使える原発は使って電力を確保し、40年以上を経過した原発は廃炉とする。その間、再生可能エネルギー施設を拡充し、どの程度の実力があるかを探っていく。主力は天然ガスを使用するガスタービン発電、これに水力・原子力・再生可能エネルギーで補完する。10年ほどもやってみれば方向が見えるだろうからその辺りで将来のエネルギー供給の基本方針を決める。こんなところが現実的ではないだろうか。
全般に原子力は縮小方向でいいと思うが、それに代わるものを見定めないと産業の空洞化による国家の衰退など痛い目に遭うかもしれない。そのころにはバ菅総理様は責任などとる必要もないところに行ってしまっているだろうから無責任に、「右か、左か」などと言えるのだろうが、国家の方針が一つだけでこけた時に補完するものがないというのはかなり危険な選択だろうと思うが。
その辺を国民がどういう判断をするのか興味があるところだが、悪い方に転がった時にはまた相当に文句を言うのだろう。その辺に国家と国民の成熟度が出るのだろうが、この国の国民がほんの数年の間に同じ過ちを二度繰り返すことのないように祈りたい。
Posted at 2011/06/28 22:58:41 | |
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