2016年01月30日
最近、バイク用品をネットショッピングで買いまくっている。ネット販売はほとんど利用しないのだが、最初は必要に迫られてスプレー塗料を購入、その後、昨年の10月にヘルメット、そして年が明けてボディプロテクターと防水バッグ、今度は防水のウエストバッグを買おうかと思う。
昨年、天王山まで走った際に財布を雨衣のポケットに入れておいたらファスナーとフラップを閉め忘れて中身が皆濡れてしまって乾かすのが大変だった。荷物は防水スタッフバッグに入れてタンクバッグやヒップバッグに収納し、その上から防水カバーをかけているのだが、財布はうっかりした。雨はバイクの天敵なのでバッグ自体が防水の方が手間が省けてよろしい。
ボディプロテクターはCE規格のコミネ製、チェストアーマープレートが分割されていない1枚ものを購入した。脊椎プロテクターも長くて尾てい骨くらいは守れそうでいい。
最近は用品ごとにブランドが決まってきた。ヘルメットはアライ、プロテクターはコミネ、グローブとシューズはタイチ、バッグは山道具メーカーのマウンテンスミス、タンクバッグはタナックス、防水関係はデグナー、ザックは山をやっていたせいで拘りがあったが、バイクで走るにはそうそう高級なものは必要ない。それよりも水が天敵だ。
雨衣はノースフェイスの上着を飛ばしてしまって上着だけをカリマーのものに買い換えた。山用の雨衣は値段が半端じゃなく高い。軽量で強度が強く防水性能も高いものが求められるせいだろう。バイク用は軽量や収納性を求められないのでそれほど高価ではない。まあ、そのうちに買い換えよう。
ウエアはWMブランドやJMブランドを愛用している。バイク用のウエアは1着も持っていない。冬はEIDERの冬山登山用ストームジャケットを着ている。元来、冬の高山で使用するものなので防寒、防水性能は抜群で全く寒くない。
バイク用の衣類もびっくりするほど高価なものがあるが、ちょっとケバいので遠慮している。元々、ネット販売や通販はほとんど使わないのだが、使ってみれば手軽で便利だ。これからもあれこれ買ってしまいそうでクレジットの請求が怖い。
Posted at 2016/01/30 17:33:08 | |
トラックバック(0) |
バイク | 日記
2016年01月30日
沖縄県名護市辺野古の新基地建設に伴う埋め立て承認の取り消しを違法として、国が翁長雄志知事を相手に起こした代執行訴訟の第3回口頭弁論が29日、福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)で開かれた。県側が申請した尋問について、翁長知事と稲嶺進名護市長への尋問を決定。県と国に和解も勧告した。関係者によると、内容の一部は国が訴えを取り下げ、両者の対話を呼び掛けるもの。国に違法確認訴訟や是正の指示など代執行以外の法的手続きについて模索を促したとみられる。
多見谷裁判長は、県側が申請した環境や安全保障の専門家ら7人の証人尋問は却下したものの、事前に提出した陳述書は証拠として採用。国と県が18日までに提出した準備書面の一部については、陳述扱いにしないと決めた。翁長知事が尋問に臨むのは2月15日。稲嶺市長は29日で、裁判はこの日に結審する見通し。早ければ3月中にも判決が言い渡される。
多見谷裁判長は、弁論の終盤で国と県側に和解を勧告し、終了後は両者とともに非公開で協議した。県によると、裁判所からは「根本的」と「暫定的」の2案が提示されたという。具体的な内容に関しては、裁判所の指示で公表できないとしている。
和解案について、翁長知事は「新辺野古基地は造らせない」という姿勢は持ちつつ、「関係者の意見を聞きたい」と述べた。菅義偉官房長官は会見で「政府として対応可能か検討したい」とした。県側の加藤裕弁護士は「協議内容を全く明らかにしないということはない。裁判所と協議して、県民にオープンにできるよう模索したい」とした。
万難を排しても作らせないと言う県知事側と万難を排しても辺野古に移設すると言う国側で和解と言うのがあり得るのだろうか。この辺りで条件付の移設で歩み寄ればいいのだが、移設では県側は面子を失うだろうし、移設出来なければ日米関係に重大な齟齬が生じる。どっちも一歩も引けないせめぎ合いだが、こうして角をつき合わせていても仕方がないように思うが、・・。裁判所も困るだろうねえ、板ばさみに遭って、・・。
Posted at 2016/01/30 15:47:53 | |
トラックバック(0) |
政治 | 日記
2016年01月30日
赤と白に彩られた機体はライトアップされ輝いていた。操縦席直下の日の丸の赤もデザインの一部に溶け込み、わが国戦闘機開発の再生に向かう決意を示しているかのよう。反面、本当に高性能戦闘機開発に向けた研究実験機なのかと驚くほど機体は細身で、しなやかささえ漂っていた。
愛知県内にある三菱重工の工場で28日、米軍のF-35といった「第5世代」戦闘機の上をうかがう、将来の「第6世代」戦闘機開発に備えた研究実験機《先進技術実証機》が公開された。
「先端技術を集めた兵器は美しい。秘密のベールに包まれた技術も神秘性をかもしだす」
とは、官民の防衛関係者が兵器をお披露目するにあたり、一様に抱く感慨だ。工場内でこの感慨を共有した。
先進技術実証機は富士山の別称「心神(しんしん)」という愛称の方がすっかり有名になった。
三菱重工関係者が命名したとの説もあるが、定かではない。ともあれ、零(ゼロ)戦と縁(えにし)が深いこの工場で生まれた心神が、武器輸出3原則緩和や防衛装備庁設立と相まって、戦後、大日本帝國(ていこく)陸海軍の傑作機復活を恐れる連合国軍総司令部(GHQ)がズタズタにした日本の航空機産業を蘇生(そせい)させる先駆けとなる…そんな確かな手応えを感じた。
防衛装備庁の外園博一防衛技監は28日の会見冒頭、「初飛行に向け、最終段階となった」と切り出した。平成7年に研究を始め、30万点もの部品を組み合わせ、国産化率9割超の軍用機を造り上げた高揚感が、言葉になって現れたようだ。参加企業は220社にのぼる。
防衛装備庁や主要製造元の三菱重工の幹部の説明によると、特徴の第一は、炭素繊維を駆使した、敵レーダーに探知されず敵を捕捉できるステルス性。国産成功例は米露中3カ国だけだ。繊維に加え耐熱素材、電子機器、小型燃料装置に象徴される、わが国の得意技術を活(い)かした点も特筆される。
強い向かい風を受けても失速せず、旋回半径の著しい短縮を可能にしたエンジンの開発も、担当のIHIが成功した。結果、軽量化を図り、高い運動性を実現した。
航空自衛隊出身の宇都隆史参院議員は「戦闘機開発は国家の体制を守る礎の一つになる。礎の構築は、わが国が独自の技術力をしっかりと確保して、初めて達成する」と、本紙に期待を語った。
平成22年3月に国内企業群が試作を始めた心神は、今年3月末の防衛装備庁引渡しを控え、2月中旬以降までに初飛行を終える。
その後、研究中だった最新技術を追加→試験飛行を反復→問題点をあぶり出し→分析→改善を施し→新たな技術を付加→再び飛行する。回転を止めず進化を求め続ける以上の過程の繰り返しを、軍事の要諦《スパイラル・セオリー》と呼ぶ。セオリーは心神が直接、空自の将来型戦闘機となるわけではないという傍証でもある。
むしろ「心神が生み出す数々の技術の完成度が、将来型戦闘機の生産・開発形態を決める」と言った方が正確だろう。
日米両国は米国より技術情報供与を受け空自の次期戦闘機F-35を日本国内で組み立てる方針で同意したが、F-35導入後の将来型戦闘機を国産にするか、費用・技術上のリスクをシェアすべく外国との共同開発に踏み出すかは未定だ。
関係者は「未定でよい」と言い切る。国産戦闘機製造への総合力を持てば、外国が注目し、擦り寄ってくる。逆説的に言えば、国産戦闘機製造への総合力を持たないと軍需大国に相手にされず、共同開発には加われない。
この関係者は「国産戦闘機を製造できる段階で、防衛技術基盤の発展や費用対効果、企業収益など国益を冷静に勘案し、国産か共同開発かを判断すればよい」と話す。まずは「国産力」蓄積を目指す方向が基本と考えているのだ。
三菱重工の浜田充・技師長は「その過程で得られた技術は航空機産業(全体)に寄与する」と指摘する。
膨大な国防費にあえぐ米国からの共同開発に関する打診は今のところない。しかし、「国産、共同開発のいずれにしても、海外に売り込むスキームは早期に構築しなければ」とも提言する。
仮に国産にするとすれば、開発費は5千億~1兆円超だ。一方で、防衛省は波及効果について、最低でも4兆円の新規事業誕生し、8・3億円の経済波及効果を生み出すとともに、24万人の雇用が創出されると試算する。
ただ、課題も残る。前述した武器輸出3原則緩和や防衛装備庁設立による「副作用」対策だ。
日本政府が外国との輸出入に乗り出した現在は、3原則に縛られて兵器貿易と貿易管理面で「鎖国」状態だったぬるま湯時代とは様変わりし始めている。にもかかわらず、人材(ヒト)・技術(モノ)・利益(カネ)の流失を防ぐ法的管理スキームがないのだ。
別の関係者は日本メーカーの具体名を挙げ(仮にA社)、「A社と提携関係を切って、ウチに来ないかと、外国企業に手を突っ込まれる日本企業は次第に増えている」と証言。「開国」がもたらした現状をこう表現した。
「舌なめずりするオオカミがうろつく荒野に置く、ヒツジが閉じこもっていた檻(おり)の扉が開いた」
最初に公開された時よりも精悍な姿で飛行機らしく見える。最初の公開時はなんだかモックアップのように見えた。日本の伝統なのか、ステルス性能だけではなく高度な機動性も求めた機体のようで推力偏向パドルも3枚ついて推力の細かい制御が出来るようになっている。次期戦闘機に必要な技術を確認するための機体でこれがそのまま戦闘機になるわけではないが、計画した技術をどこまで実証できるかが次期戦闘機開発の鍵になるだろう。次期戦闘機の開発費は間違いなく1兆円を越すだろう。機体、エンジンとも新規開発なので2兆円程度かかるかもしれない。F35は総額で40兆円と言うから戦闘機の開発には天文学的な投資が必要のようだ。F-3も開発するとなると機体購入費と合わせると4兆円ほども必要だろうが、その程度の額であれば抑止力としての効果のほかに、その技術的、経済的波及効果を考えれば安いものだと思う。金銭以外にもいろいろと問題が出てくるだろうが、ぜひこのプロジェクトを成功させて次へと繋げて欲しいと思う。ただ、戦闘機と言うと常に零戦が引き合いに出されるが、あの戦闘機は小型大出力エンジンが製造できなかった日本の特殊事情による極めて偏った性能の戦闘機で零戦の再来と言うことはエンジンに問題があると言うことになる。今回も最大のネックはエンジンの開発なのでその意味では零戦の再来にならないよう祈る。ところでATD-XはX-2という正式名称が与えられたらしいが、X-1ってなんだろう。
Posted at 2016/01/30 15:39:03 | |
トラックバック(0) |
軍事 | 日記
2016年01月30日
北朝鮮でミサイル発射に向けた兆候がある中、航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)の部隊が29日夜、東京・市谷の防衛省に展開し、首都に弾道ミサイル迎撃態勢を敷いた。
海自は27日夜に横須賀基地(神奈川県横須賀市)からイージス艦「きりしま」を出港させており、2段構えの防空態勢を整えている。
防衛省には29日午後8時すぎ、第1高射隊(千葉・習志野分屯基地)のPAC3部隊の大型トレーラーが次々と敷地内に入った。グラウンドに迎撃ミサイル発射装置を2基展開した。
同省は、北朝鮮の長距離弾道ミサイルの発射に対し、海上配備型迎撃ミサイルSM3を搭載したイージス艦数隻を洋上で待機させ、PAC3を予想される飛行経路沿いなどに配備する。
厄介な国だねえ。ミサイルを撃つ金があったら経済振興にでも回せばいいのに、・・。でも、軍を自分の側につけておかないと危ないんだろうねえ。権力側も明日が知れない国だから、・・。日本の周りは危ない国ばかりだねえ。ところでSM3やPAC3と言うミサイル網、当たるんだろうかと思う向きもあるのかもしれないが、命中率を聞いてはいけない。そういうミサイル網があることそれ自体が抑止力なんだから、・・。
Posted at 2016/01/30 15:37:52 | |
トラックバック(0) |
軍事 | 日記
2016年01月29日
「後は片付けておきますから、どうぞ森田さんのところに行ってあげて下さい。きっと待っていると思いますよ。」
社長は黙って頷いた。
「今夜ここで起こったことは南の島に住んでいる妖精の悪戯なんでしょう。そう思うことにします。」
社長は電話でルームサービスを呼ぶと部屋を片付けさせてから北の政所様が休んでいる部屋に入って行った。それを見届けてから僕も女土方が寝ているベッドにそっと体を横たえた。女土方は寝返りを打って腕の中に転がり込んで来た。その女土方をそっと抱きながらこの何ヶ月かの間に起こった様々なことを思い出そうとして何一つはっきりと思い起こすことが出来ないうちに何時の間にか眠りに落ちて行った。
翌朝目が覚めた時にはもう日が高くなっていた。居間に出てみると女土方と北の政所様がルームサービスの朝食を摂っていた。
「お早う、よく眠れた。夕べは少し飲み過ぎたわね。気分がすっきりするからコーヒーでも飲んだら。あなたの好きなアイスコーヒーもあるわ。」
女土方が僕に向かって微笑んだ。
「社長はどうしたの、姿が見えないけど。」
北の政所様が首を傾げた。
「社長は二人が休んで私と二人きりになると森田さんを寝かせて自分の部屋に帰ったわ。」
僕はうそを言ったが、北の政所様は「そう」と言ったままそれ以上は聞かなかった。でも何となく腑に落ちないといった風情で考え込んでいた。後で社長本人から聞けばいいことなのだから今ここで本当のことを言うこともないだろう。
僕は渇いた喉にアイスコーヒーを流し込んでからサンドイッチや果物を口にした。そうしてしばらく三人がそれぞれ夕べのことを反芻しながら黙って時を過ごした後北の政所様が「部屋に帰ろう。」と言い出した。
「鍵は私に貸してね。お部屋の清算はしておくから。」
北の政所様に言われて僕たちは黙って頷いた。
「それじゃあいろいろとご馳走様でした。部屋に帰ります。」
僕と女土方は一言お礼を言って部屋を出た。
「何だか予想もしなかったおかしな方向に物事が進み始めたわね。」
エレベーターの中で女土方が呟いた。
「そうね、でもやることは一緒だから特に問題はないでしょう。」
僕は比較的気楽に考えていた。
「そうね、そう言えば確かにそうね。」
女土方もそれ以上は何も言わずに黙っていた。部屋に戻ると既婚女も若手女も二人とも帰り支度を整えていた。僕たちを見ると「お帰り。」と一言言っただけで夕べ何があったなどとは聞かなかった。昨夜北の政所様と僕たちが一緒に入浴していたことはもう知っているのだろう。僕と女土方も急いで帰り支度をすると四人でロビーに降りた。そして迎えのバスに乗り込むと那覇市に向かってホテルを後にした。
那覇で昼食を取った後観光バスに乗せられたままデューティフリーショップに連れて行かれた。女共は目の色を変えて時間一杯まで店内を走り回っていたが、僕は勿論すぐに飽きてしまった。女土方がいなかったらすぐに逃げ出してしまっただろうが、女土方は目の色は変えてはいなかったものの幾つかのブランドを見てみたいというので一緒に付き合った。そして僕たちは銀のアクセサリーを一品づつ買った。
那覇からは飛行機で東京まで一飛びだった。波乱に満ちた社内旅行は羽田空港で解散となった。僕と女土方は特に人目をはばかることもしないで連れ立って帰宅した。
「あーあ何だかとんでもないことになった旅行だったね。」
部屋に入って荷物を投げ出しと僕はソファに伸びをしながら腰を下ろした。
「大変だったわね。こんなことになるなんて夢にも思わなかったわ。でもまだ役員会の承認とかいろいろあるから未定でしょ。それより洗濯物を出して。一緒に洗うから。」
女土方はもう旅装を解き始めていた。僕もバッグから洗濯物を取り出すと洗濯ネットを取ってきてその中に詰め込んだ。女土方はそれぞれ幾つかのネットに分けて丁寧に入れていた。
「何か食べようか。私が支度するわ。何が食べたい。」
僕は洗濯をしてもらう代わりに食事の支度を買って出た。
「ラーメンを食べたいわ。」
女土方のリクエストに冷蔵庫をのぞいて足りないものを確認すると近所のスーパーに買い物に出かけた。そしていい加減に野菜炒めを乗せたラーメンを作ったが、女土方は「美味しい。」と言ってとても喜んでそれを食べた。
食事も終わって風呂に入ってしまい今のソファで寛いでいると女土方が僕に擦り寄ってきた。この二晩人目を忍んでいたためか何時になく積極的だった。勿論僕としても拒む理由もないので二人で散々戯れてからベッドに入った。
翌朝もずい分ゆっくりと目を覚ましてからまた女土方としばらくお互いの肌の温もりを確認し合った。男の時には何とも思わなかったが、この体になってから僕はお互いの胸のふくらみが徐々に潰れながら重なっていく感触がとても好きだった。それでよく女土方が「苦しい。」と悲鳴を上げるほど抱き締めてしまうことがあった。そんなことをしていて昼近くに起き上がるとトーストとコーヒーそして牛乳と言う簡単なブランチを摂った。
午後も特に何をするでもなく部屋の中で過ごした。こういう時間の使い方は勿体無いと思う時もあるが、本を読んだりテレビに目をやったり無駄と思えるような時間を持つのもなかなか落ち着いていいと思うこともある。
「あなたのアザも大分落ち着いたわね。最初は本当に酷かったけど。」
女土方が本から顔を上げて言った。
「向こうのお尻も相当なものだったでしょう。お互い様よ。」
「あんなに血相変えて叩くからよ。かわいそうに。彼女も。」
いざとなると徹底的に拒否する割にはこういう時は肩を持つのが女土方だった。
「でももしも社長が言っていたようになるとこれから面倒なことになるかもね。これまで思っていたほどではないかもしれないけどそれでもなかなか厄介な人よ、彼女って。」
女土方はまだ北の政所様に対する警戒感を捨て切れずにいるようだった。
「そうかな、我儘なところはあるかもしれないけどけっこう単純な人じゃない、あの人って。まあそういう単純さがある意味では怖いのかも知れないけど。でも仕事だから感情を交えずにやればいいんじゃない。」
「あなたはいいわよねえ、そういう風に割り切れるところが。私はなかなか急にそこまで割り切って一緒には出来そうもないわ。」
女土方は何時になく弱々しい笑みを浮かべてまた本に目を落とした。
「あのね、社長と彼女はほとんど愛人関係みたいよ。社長自身がそう言っていたわ。もっとも男女の関係は否定していたけど。引退したら一緒に暮らしたいといっていたわ。ずっと以前からお互いに惹き合っていたみたい。母親が違うと言っても兄妹なんだから同じ道を歩くことは出来なかったようだけど身を引いてしまえばそれも可能だろうしねえ。でもねそういうことは誰も興味本位にしか見ないけど誰も一生懸命に考えて生えようとしているのね。私がお見合いをしたあの人もそうだけど。
あなたと北の政所様が酔いつぶれて寝てしまった後で社長と二人で話をしたの。ほとんどあっちが一人で話していたようなものだったけどね。私達もそうだけど私はね、社長の言うことにちょっと感動してしまったわ。人生の残りの時間を自分と彼女のために使いたいって素敵じゃない。そういうのって何だか納得させられてしまうのよね。
私達もまだまだ引退なんて出来ないかも知れないけどせめて自分達の時間くらいは自分達のために精一杯生きたいわよね。あ、これってオフレコよ、誰にも言ってはだめよ。」
女土方が本から顔を上げて僕を見つめた。
「社長、そんなことをあなたに言ったの。きっとよほどあなたが気に入ったのね。大丈夫よ、誰にも言わないわ。あなたの立場を悪くするようなことは絶対にしないし私もそういうのって嫌いじゃないから。こっちも他人をとやかく言える立場でもないしそっとしておいてあげましょう。」
僕は女土方に向かって微笑んでから黙って頷いた。
Posted at 2016/01/29 18:21:02 | |
トラックバック(0) |
小説 | 日記