静岡県伊豆半島沖で米海軍のイージス駆逐艦「フィッツジェラルド」とフィリピン船籍の大型コンテナ船が衝突し、乗組員7人が死亡した事故は24日で発生から1週間。どちらに回避義務があったかなど事故原因の解明には今後、日米間の捜査協力がどれだけ実現するかが鍵となる。だが、イージス艦は軍事機密を搭載しているだけに、米側の協力は難航する恐れがあり、全容解明は長期化も予想される。
事故が起きた海域を管轄する下田海上保安部は、業務上過失往来危険容疑などを視野に、コンテナ船の船長ら乗組員から事情を聴いている。「2船は同じ方向に航行中に衝突した」というコンテナ船乗組員の証言もあるといい、海保は、コンテナ船がイージス艦の右後方からぶつかった可能性もあるとみて、コンテナ船の航海データ記録装置(VDR)の分析を進めている。
捜査の焦点は、どちらに回避義務があったかだ。海上衝突予防法では、2隻の船が交差する場合、相手を右に見る船が回避行動を取らなければならない。追い越しの場合、追い越す船が、追い越される船を妨害してはならないと定めている。
海保関係者は「洋上の衝突事故は道路もブレーキ痕もなく、潮の流れで向きも変わる。どういった航跡で衝突したのかを特定するには、非常に時間がかかる」と指摘。イージス艦については、日米地位協定により米国側に第1次裁判権があり、海保は米軍と捜査協力について協議を続けているという。
米海軍の第7艦隊司令官のジョセフ・アーコイン中将は18日の記者会見で「日本の捜査機関に対しても、必要であれば協力する」と述べた。米海軍作戦部長のジョン・リチャードソン大将も22日、「日米で複数の調査が行われているが、そのプロセスはできる限り早く明らかにされるだろう」と声明を出している。
米軍に限らず米国では日本のように過失犯を処罰する刑罰法令はない。メディアはすぐに一次裁判権だ二次裁判権だと騒ぐが、今回のようなケースは米国では事故ではあっても事件ではないので地位協定に言う裁判権の対象とは認識していない。これは一般の捜査共助でもその要件に相罰性と言うのがあって共助を要請する国でも受ける国でもその要請する事案が犯罪にならないと捜査共助は行われないのと同様で自国で犯罪ではないのにどうして他国の司法官憲の捜査を受けなければいけないのかということになる。米軍では事故調査委員会のようなものを立ち上げて事故の原因究明と再発防止に向けた調査が行われることになるので海保などの捜査機関ではなく国交省などの事故調査委員会が要請すれば応じる可能性はあるかもしれない。メディアは最初に善悪を決めてそれに従って米軍が事実を隠すとか捜査協力に応じないだのとセンセーショナルな記事を書くが、そう言うメディアの知識は極めて浅薄でいい加減である。外国がらみの記事を書くならもう少ししっかりと国際法でも勉強すべきだろう。
Posted at 2017/06/25 11:30:50 | |
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