先月16日、レジェンドレーシングドライバーの一人である"クニさん"こと高橋国光さんがお亡くなりになりました。
日産本社グローバルギャラリーで追悼の展示があったので、昨日出かけてきました。
モータースポーツ黎明期の1960年代からご活躍され、元々は2輪でホンダのワークスチームでデビューし、日本人初の世界GP(西ドイツGP)で優勝。
その後四輪に転向し、日産ワークスに加入。ハコスカ50勝の時のドライバーだったのは有名な話です。
70年代は"無冠の帝王"などと呼ばれていましたが、F1やグループC等でも活躍。1999年、59歳で現役を引退。その後「TEAM 国光」の監督として、SUPER GTにNSXで参戦.晩年は体調を崩して、入退院を繰り返していたようでした。
2輪時代や日産ワークスの頃は史実でしかなく、初めてクニさんを知ったのはADVAN alpha962Cだったと思いますが、"ドリキン"のファンだった自分にとって、92年の高橋国光、土屋圭市コンビでの全日本ツーリングカー選手権(Gr.A)への参戦は感慨深いものがありました。ハコスカでドリフトをするクニさんに憧れてレーシングドライバーになり、そのクニさんと初めてコンビを組んでドライブしたのがSTP TAISAN ADVAN SKYLINE GT-R Gr.Aでした。
Gr.Aとして最後の年である1993年の参戦車両です。
カルソニック、ユニシアジェックス、共石、AXIA等々、実質R32GT-Rでワンメイク化していたクラス1でした。星野一義、長谷見正弘そして高橋国光と往年の日産ワークスドライバーを中心に鎬を削る戦いを繰り広げていたのでした。
まだネットで自由に情報が手に入る時代ではなく、レースの情報源といえばドリキンのFM番組「ADVANサウンドコクピット」とテレビ東京で放映されていた「モーターランド2」でした。
土曜日18時のFM東京、ちょうど中学~高校生あたりでしたがよく聴いていました。この頃、今井美樹や杏里を聴くようになったのもドリキンの影響かも。
グループAということもあり、外装は勿論、内装も基本的に市販車と同じ。
とはいえ、ミッションがHパターンだったのは意外でした。
競技車両なので、パワーウインドウはありません(笑)
ADVANのこの赤黒カラーには本当魅せられました。
レースはクニさん、ラリーは古くはランタボの山内伸弥さん、最近だとランエボ⇒GRヤリスの奴田原さんでしょうか。
Team TAISAN
タイサンって缶詰の会社かと思っていたのですが、太産工業という電磁ポンプのメーカーが母体になります。
ホイールはSSR製。
市販車の2インチアップの18インチになります。
タイヤは言うまでもなく、YOKOHAMA/ADVANです。
ADVANカラーに"KENWOOD"はポルシェ962Cからでしょうか。
KENWOODはどうやらパーソナルスポンサーだったようです。
ドリキンのブレーキパッドのブランド"イマージュ"のステッカーが懐かしいです。
そういえば、免許取り立ての頃でしょうか、長野の圭オフィスを訪ねたことなどありました。
日産R382
"スカイラインの父"である桜井眞一郎氏が開発責任者となり、1969年の日本グランプリに参戦。3台で参戦し、うち2台(黒沢元治、北野元)が1-2フィニッシュ。クニさんの23号車は残念ながらエンジントラブルでリタイヤとなってしまいました。
6リッターV12のエンジンは当時で600馬力。
桜井氏を筆頭に旧プリンス系のエンジニアがポルシェを超えるレーシングカーを作り上げました。
ダックテールと太いタイヤが迫力を増しております。
タイヤの溝のパターンが時代を感じますね。
ケンメリGT-Rのレース仕様です。
1972年の東京モーターショーに出展されましたが、その後の日産のワークス活動休止により、一度もレースに出場することなく幻となった車両です。
1台しか現存しないレース仕様をレストアで蘇らせたとのことで、実際にクニさんもこの車両をニスモフェスティバルでドライブしていました。
市販車のケンメリもオーバーフェンダーが付いていますが、レース仕様だけあって、更に大きいものが付いています。
テールライトの丸型4灯はこのケンメリから始まりました。1972年デビューなので、ちょうど今年はケンメリ50周年になります。
青山のホンダでもルマンに出場したNSXの展示があったのですが、時間が無くて行くことができませんでした。
闘争心の塊のレーサーでありながら、この優しそうな表情。
人柄の良さは現役の頃から業界では有名だったようです。
セッティングが決まらないクルマでも速く走ってしまうので、ある意味でエンジニア泣かせなんてことを聞いたことがあります。
謹んでお悔やみ申し上げます。
Posted at 2022/04/04 22:05:14 | |
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